嵐・大野智主演『世界一難しい恋』が、男性からも支持される理由 主題歌のメッセージを読む

 それはやはり、嵐による主題歌「I seek」が、毎話ごとに我々男性の心を鼓舞してくれるからではないか。ストリングスの力強い旋律と、リズミカルに差し込まれるホーンが印象的なイントロから始まる同曲は、嵐の真骨頂と呼ぶべきファンキーでソウルフルなサウンドに元気を与えられる仕上がりだ。一方でその歌詞は意味深で、ドラマの世界観に寄り添うように、男性目線での恋の悩みが綴られている。特に大野によるソロパート「確かに今かすかに今/君に乱されるまま」との歌詞は、まさに零治のーーひいては多くの男性の心境を代弁しているといえよう。しかし、サビのラストでは「きっと何かが変わる/その時までにGoodbye」と、希望に満ちた未来を指し示してくれる。

 おそらく、ここで言う“Goodbye”は、素直ではない自分に対してのものであり、自らを変えてでも美咲に振り向いてもらおうという、零治の意思を表現しているのだろう。ドラマを観たからといって、もちろん簡単に自分を変えることなどできないが、その姿勢に学ぶところは多いはずだ。嵐の応援歌とともに、零治の恋の行方を見届けたい。

(文=松田広宣)

■番組情報
『世界一難しい恋』
4月より毎週水曜日22時~日本テレビ系にて放送
出演:大野智、波瑠、小池栄子、北村一輝
脚本:金子茂樹
制作著作:日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/sekamuzu/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる