姫乃たまのウワサの濡れ場評007
アイドルはなぜ女優を目指すのか? 姫乃たまが“アイドルと映画の関係”を考える
直接、女優志望のライブアイドルの子達に話を聞くと、よく「表現することが好き」という言葉がでてきます。本人が言うので、それが答えのすべてだと思うのですが、私自身に主体性がなく、表現することにあまり興味がないため、わかるような、わからないような気持ちで、何年も疑問を放置していました。
そして先日、いくつかのアイドル映画を手がけている監督に話を聞く機会があり、疑問を投げかけてみたところ、「女優は目立つから」と、即答されました。たしかに、ライブでは舞台の隅っこにいる子でも、映像なら彼女だけを映すことができます。現に私は映画を観て、ノーメイクスを好きになりました。目立つって、そういうことでしょうか。ずっと生身の人間が目の前にいるライブでしか活動をしてこなかった私には、映画で目立とうという発想がありませんでした。
また、返り咲きや、一発逆転を狙って、映画で濡れ場に挑戦したがるアイドルの子も多いと聞きました。女優志望のアイドルの中にも、純粋に表現することが好きな子と、目立ったり愛されたりしたい子がいるのかもしれません。
ライブアイドルの話をしていると、いつも承認欲求の問題から逃れられません。そして、欲求をこじらせて失敗してしまうライブアイドルの子が多いのも事実です。私も、舞台女優の仕事を受けてから、女優に転向しようとしてライブの本数を減らし、女優としての仕事も減って、そのままフェードアウトしてしまうライブアイドルの子を、何人か目にしてきました。
しかし、ずっとインディーズアイドルを見てきて思うのは、女の子達が、自分なりの表現を模索して悩むのも、承認されたくてもがくのも、インディーズアイドル文化の醍醐味であるということです。その、胸がざわつくようなインディーズアイドルの愛おしさを、切り取ってくれる映画が増えることと、地下アイドルに興味のない映画ファンの人が、恋に落ちることを願っています。
■姫乃たま(ひめの たま)
地下アイドル/ライター。1993年2月12日、下北沢生まれ、エロ本育ち。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで開始した地下アイドルを経て、ライター業を開始。アイドルとアダルトを中心に、幅広い分野を手掛ける。以降、地下アイドルとしてのライブ活動を中心に、文章を書きながら、モデル、DJ、司会などを30点くらいでこなす。ゆるく、ながく、推されることを望んでいる。
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[ブログ]姫乃たまのあしたまにゃーな
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