村井良大 × 武田梨奈『ドクムシ』特別対談
村井良大 × 武田梨奈が明かす、『ドクムシ』撮影現場の裏話 村井「梨奈ちゃんは肝が座っている」
武田「キスシーンは、今回の現場で一番大変だったかもしれません」
ーーロケはどんなところで?
村井:茨城県にある本当の廃校で撮影しました。窓をすべて閉め切って真っ暗にして、一週間かけて撮ったんですけど、太陽をほとんど見ないから、体調的にもキツかったです。
武田:空気も淀んでいる感じで、息苦しかったですね。
村井:とある部屋で鍋を煮込むシーンがあるんですけど、その臭いもキツかった。豚肉や血のりを一緒に煮込んでいたんですけど、翌日になったらその臭いが充満しちゃって。しかも換気もできないから、本当に苦しめられました。臭い対策で消臭剤を撒いたりもしたんだけど、余計に変な臭いになったりして。
武田:寝る時間もみんな、まちまちでね。教室を控室にしていて、自分のシーンがないときはその部屋で毛布にくるまって寝る、みたいな感じで、ほとんど合宿です。
ーーその圧迫感、閉塞感は画面からも伝わりました。監督の朝倉加葉子さんはどんな方でしたか?
村井:映画と真摯な姿勢で向き合っている方で、役者に対しての指示も的確にしてくださるので、すごくやりやすかったです。ただ、撮影の合間に乙女な部分が垣間見れることもあって、そこは親しみやすかったです。僕と武田さんは今回、キスシーンがあるんですけれど、なぜか監督は僕ら以上に恥ずかしがっていて(笑)。
武田:そうなんですよ、そこがまた可愛いかったです。
村井:でも、実際には僕らの方がずっと恥ずかしいことしてますからね。
武田:わたしが一番恥ずかしかったのは、キスシーンの音声だけを撮ったとき。後から重ねるために、音だけで演技してほしいって言われたんですけれど、まあ恥ずかしかったですね。カメラが回っているときは、必死でぶつかり合っているからまだ良いんですけれど、音だけとなると冷静になっちゃうから、かえって恥ずかしくて。今回の現場で一番大変だったシーンかもしれません。
村井:しかもそのシーンはトイレの個室で、音声さんと梨奈ちゃんと僕の三人で籠って撮ったので、完全に“変なプレイ”をしている感じでした。あのシーン、ちゃんと使ってくれたのかな。あそこまでやって使われていなかったら、どうしよう(笑)。
ーーあのシーンは音がすごくはっきり聞き取れたので、ちゃんと使われていたと思います。
村井:それはそれで恥ずかしい!
武田:音声さんも気まずそうでしたね。私たち以上に緊張していて。
村井:いけないものを撮っている感じがするもんね。盗聴っぽいし、その三人の中で誰が一番変態的な行為をしているかといえば、間違いなく録音している人ですよ。
ーー現場ならではの裏話だと思います(笑)。でも、作品はちゃんと緊張感漂う仕上がりになっていました。
村井:この作品はR15指定なので、目を覆うようなシーンも多いかもしれないけれど、女性監督ならではの繊細な描写もあるので、多くのひとに楽しんでいただけると思います。人間の弱さや狡さを描いた作品でもあるので、そういう部分にも注目してほしいですね。
武田:自分だったらどの立ち位置かとか、想像しながら観ても面白いと思います。人間の本性についてとか、いろいろと考えさせられる作品でもあるので、ぜひ映画館で観て体感してください。
(取材・文=松田広宣)
■公開情報
『ドクムシ』
2016年4月9日~劇場&ニコニコ生放送ネットシネマ公開予定
キャスト:村井良大、武田梨奈、秋山真太郎、水上京香、宇治清高、野口真緒、駒木根隆介
原作:合田蛍冬/八頭道尾「ドクムシ」(双葉社刊・E★エブリスタ)
監督:朝倉加葉子/脚本:黒木久勝
主題歌:Faint?Star「ネヴァエバ」(Faint Star Tokyo)
配給:松竹メディア事業部
制作プロダクション:ツインピークス/セディックドゥ
製作:「ドクムシ」製作委員会/R-15
(c)2016「ドクムシ」製作委員会 (c)合田蛍冬八頭道尾/双葉社・E★エブリスタ
公式HP:http://dokumushi.jp/
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