アメリカの“文化系男子”ラブコメ『LOVE』は、『電車男』や『モテキ』とどう違う?
そんなつかみどころのない主人公のたわいのない日常の中での恋愛ドラマからは、あることに気づかされる。そもそも人間は、“文化系”といってもいろいろなタイプがいるように、ひとつのイメージでとらえることができないものだし、恋愛関係とはいっても、それは他者との関係の一部でしかないということに。フィクションにも関わらず、そんな身もふたもない現実を突きつけるリアルな恋愛ドラマが、本作なのである。『電車男』や『モテキ』は、どこか応援するような気持ちで主人公の恋の行方を追っていたが、本作はもっと主人公との距離が近い。だからこそ、どこかに自身を投影してしまい、見ていて痛切な気持ちにさせられるし、お互いの中で、相手の不在が実は大きな欠損であることに気づき、分かり合おうとするシーンには、心躍らずにはいられなくなる。
■梅澤亮介
1988年生まれ。ネットニュースメディア勤務の兼業映画ライター。同人誌「ことばの映画館」でも執筆。クライムサスペンスが守備範囲。マシュー・ヴォーン信者。
■ドラマ情報
『LOVE』
Netflixにてオンラインストリーミング中
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