青文字系モデル・青柳文子が恋愛群像劇『知らない、ふたり』に出演して気づいたこと

青柳文子、『知らない、ふたり』を語る

「後々になって思い出して、響いてくる言葉がきっとあるはず」

ーーお酒を飲んで酔っぱらっているシーンなどは、すごく堂に入っているというか、「普段からよく飲むのかな?」と思わせるようなリアリティがありました。いつもあんな感じですか?

青柳:あのシーンはリアリティを出したかったので、本当に飲みました。でも、あんなにガラ悪くは飲まないですよ。もう少し、お上品だと思います(笑)。小風は一見するとおしとやかな印象だけど、レオンくんの前ではぶりっ子しちゃうんですよ。

ーーただ可愛くておとなしいだけじゃないのが、キャラクターとして魅力的ですよね。

青柳:自分のことを好きな相手には、強く出てみたり(笑)。

ーーラブレターをもらうシーンも印象的でした。

青柳:職場のみんなの前で渡されたら、素直に喜べないですよね。よく、ショップで働いている子とかはお客さんから携帯電話の番号を渡されたりするらしいけれど、男性は相手のこともちゃんと考えて渡さないと。

ーー小風も困った顔をしていました。韓国の恋愛観だと、少し事情は違うのでしょうか?

青柳:でも、試写会であのシーンが流れた時、海外の方も笑っていたから、やっぱり万国共通して、あのアプローチは唐突すぎるんだと思います(笑)。

ーー韓国のキャストの方は、一緒に演じてみてどう感じましたか?

青柳:みなさん、すごくカメラ慣れしていてどう動くかをわかっていらっしゃるので、わたしより全然上手だったと思います。今泉監督の自然な演出にもうまく対応していて、ちゃんと日常の延長にある感じが出ていました。

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ーー全体として落ち着いているトーンは、見ていて心地よかったです。青柳さんが考える、今泉監督作品の魅力ってどういうところでしょう?

青柳:登場人物ひとりひとりのキャラが立っていて、それぞれにハッとさせられる台詞があるのは、すごく素敵なところだと思います。だから、ちゃんと言葉を聞きながら見てほしいですね。「あの人はこういう風に言っていたな」とか、「そういえばこういう意見もあったな」って、後々になって思い出して、響いてくる言葉がきっとあるはずなので。

ーー青柳さんの心に残っている台詞は?

青柳:木南晴夏さん演じる加奈子が、彼氏役の芹澤興人さんに「わたしの“好き”の方が、あなたより大きいんだけど、わかってる?」みたいなことを言っているのは印象的でした。芹澤興人さんは足が不自由で車椅子生活を送っているから、一見すると、加奈子が一緒にいてあげている、という風に映ってしまいがちだけど、そんなこと、本当は他人からはわからないですよね。やっぱり、恋愛は当事者にしかわからないものだし、そこに正しい答えはないんだと思う。

ーー恋愛に正解はないというのは、本作のテーマのひとつかもしれません。

青柳:ただ、自分が主体的にひとを好きになれるのは、それだけで素晴らしいことだと思いました。小風も片思いだけど、たぶん幸せなんだろうなって、演じていて思えましたから。この作品を見て、ひとを好きになるということがどういうことなのか、改めて考えてもらえたら嬉しいですね。

(取材・文=松田広宣)

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■公開情報
『知らない、ふたり』
2016年1月9日(土)新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
監督・脚本:今泉力哉
出演:レン、青柳文子、韓英恵、ミンヒョン、JR、芹澤興人、木南晴夏
製作:日活 ソネットエンタテインメント アリオラジャパン
配給:CAMDEN 日活
宣伝:CAMDEN
公式HP:http://shiranai.jp
公式Facebook:www.facebook.com/shiranai.jp
公式Twitter:@ShiranaiMovie
公式 Instagram:ShiranaiMovie
©2015 NIKKATSU, So-net Entertainment, Ariola Japan

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