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根岸孝旨と長田進から成るDr.ストレンジ・ラヴ。彼らは"ロック界の裏番長"と異名をとるユニットだ。その先鋭的なサウンド・プロダクションは他アーティストからの信頼も厚く、ユニットもしくは個人としてプロデュース/ゲスト参加した作品は、列挙する暇もないほどの数に昇る。代表的なアーティストを挙げただけでも、サザンオールスターズ/奥田民生/藤井フミヤ/佐野元春/GREAT3/グレイプバイン/くるり、とさまざまなジャンルにまたがっていることがわかるだろう。
スタンリー・キューブリックの映画『博士の異常な愛情』から名を拝借し、89年に結成されたDr.ストレンジ・ラヴは、当初3人組としてスタート。95年インディーズ・レーベルより『Way Out』を発表した後、97年に『Dr.Strange Love』でメジャー・デビューを飾る。そして同年、古田たかし(dr)が脱退したことにより、以後2人組ユニットとなるのだ。
初期の作品は、緻密なアレンジを施したオルタナ・ギター・サウンドのイメージが強かったが、『Twin Suns』(99年)では、ミキサーにあのミッチェル・フルームとのコンビで有名なチャド・ブレイクを迎え、プログラミングを大胆に導入。ヒップホップを通過した埃っぽいブレイク・ビーツに、刺激的なサンプル・ノイズが飛び交う実験的な意欲作を完成させた。——実験的とはいっても、数々のヒット・ソングに貢献した2人のポップ・センスが随所で光り、実に聴きやすい。この辺のバランス感覚がDr.ストレンジ・ラヴ最大の魅力と言えるのではないだろうか。
同時代の空気感/レコーディング・スタイルを取り入れることに関しては、日本のロック・シーンで右に出る者はいない。課外活動も含めてこれからどのような進化をみせるか、要注目な存在だ。

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