亀梨和也が語る独立後の自問自答 プレイヤーとして開く新境地と表現への愛、40歳で迎えるネクストステージ

亀梨和也、40歳で迎えるネクストステージ

プレイヤーに徹して得た表現、自分の可能性を試すレコーディング

——「WAVE」は、〈僕ら 揺れ動く日々の中で舞うように/近くて遠くてそれでも離れない〉という詩的な表現も印象的でした。作詞・作曲はpoint nemoさんが手掛けられていますが、歌詞のやり取りもあったのでしょうか?

亀梨:はい。ベースはクリエイターの皆さんに構築してもらっていますが、「このワードを変えたいんだけど、どうですか?」というオーダーを出したり、ニュアンスの調整みたいなこともやっています。自分の言葉を書かせてもらうこともあるんですけど、その辺りは柔軟に対応していただきました。クリエイティブの面白さもあるし、そうやって生み出していく過程でも自問自答しています。楽曲のことだけではなく、日々が決断、選択の日々ですからね。もちろん迷うこともあるし、かといって溺れたくもなくて。

亀梨和也 - WAVE [Official Music Video]

——なるほど。レコーディングはどうでしたか?

亀梨:1日1曲くらいのスケジュールで臨んでました。グループの時は1日に2〜3曲録ることもあったので、それに比べると普通のペースというか(笑)。もちろんもっと時間をかける方もいらっしゃると思いますが、その場で歌詞を少し直したり、テイクを聴きながら「どうだろう?」みたいなことも言い合いながら進めることができたのはよかったのかなと。ミックス、マスタリングと進んでいく中で、「なるほど、こういうバランスになるのか」と気づいたり、そこに対して意見を言わせてもらうこともあって。基本的には楽曲を作ってくださった方の意向を尊重しつつ、チームのメンバーとも話し合いながら、いろんな要素を自分に取り込んでいく作業でもありました。

——亀梨さん自身のやりたいことを具現化するというより、クリエイターの皆さん、スタッフの皆さんと一緒に作り上げていく。

亀梨:はい、たぶんそれが僕のスタイルなのかなと。新しい要素を欲している部分もあるんですよ、今の段階では。ここから3年、4年、5年と進んでいく中で僕のスキルみたいなものも上がるだろうし、感覚も研ぎ澄まされると思うんですよ。その時にどんなものができるのかはわからないけど、今はとにかく開いていくことが大事なのかなって。

——収録曲についてもいくつか聞かせてください。「Diamond」(作詞・作曲:友成空)は亀梨さんの主演ドラマ『ストーブリーグ』主題歌ですが、気鋭のアーティスト・友成空さんのセンスが活かされた楽曲だなと。

亀梨:そこはもう存分に。ドラマサイドの制作意図も踏まえながら、素晴らしい楽曲に仕上げてくださいました。「Diamond」は友成さんにボーカルディレクションをやってもらったんです。自分の感覚で歌ったらもっと強い乗せ方をしていたかもしれないけど、友成さんと話しながら、歌い心地や言葉の乗せ方、口の開け方や広げ方、発声などもいろいろ試して。基本的にはプレイヤーに徹しながら、すごく刺激になりました。

亀梨和也 - Diamond [Official Lyric Video]

——「POMPEII」(作詞・作曲:友成空)も友成さんの楽曲ですね。

亀梨:もう1曲提供していただけることになって、サウンドや歌詞についてもやり取りさせてもらいました。想像していた以上にドラマティックな曲になりましたね。歌詞は濃度が高いラブソングにしたかったんですよ。強めの言葉が欲しいですとお願いしたら、こうなりました。

——冒頭から〈もしもあんたが死んじゃって〉という。

亀梨:すごいですよね(笑)。この2曲だけじゃなくて、曲によって歌い手としての感覚が違っていたんですよ。芝居をしている感じというか、曲の世界に合わせて自分をどう作り上げていくか、という作業でもありました。僕も20年以上やってきて、自分のクセみたいなものがあると思っていて。それは良さでもあるし、自分の軸でもあるんですけど、このまま一本槍でいくのは違うんじゃないかなって。だからこそ、楽曲のエネルギーや色を取り込むことが大事だったんですよね。

——若いクリエイターのディレクションを受けるのも、自分自身の表現を広げるために必要だったと。

亀梨:良いものは良いというか、年齢や性別、キャリアは関係ないですから。俳優業の経験も作用しているかもしれないですね。監督とのやり取りの中で新しい表現方法を見つけたり、外から受け取ったものを自分のフィルターを通して形にすることを続けてきたので。たとえばですけど、幼稚園に行けば、子どもたちのエネルギーを受け取るわけじゃないですか。そこで生まれる発想もあると思うんですよね。

——そして「36度5分」は話題のユニット・名誉伝説のけっさくさんの提供曲。

亀梨:この曲に関してはスタッフの意見が大きかったかもしれないですね。自分ではチョイスできなかったし、サウンドや歌詞の世界観を含めて、これまでに接したことがない楽曲だし、まさに「プレイヤーとしてどう形にするか?」というところでしたね。けっさくさんの良さがすごく出ている曲だし、それをどうやって自分に取り込むか。歌詞の登場人物に寄り添ったり、一発録りでライブ感を狙ったり、歌の表現もそうですけど、アルバムの中で一番難しかったかも。結果的には音源としての完成度を追求しつつ、ライブでの伸びしろを感じる仕上がりになりました。

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