堂本光一が導く表現者としての進化 篠塚大輝、渡辺翔太、佐藤勝利、上田竜也……後輩たちを成長させる言葉と背中

 DOMOTOの堂本光一が、レギュラーラジオ『DOMOTOのどんなもんヤ!』(文化放送)6月16日放送回に出演。現在YouTubeで配信中の縦型ドラマ『記憶買収人』(エスドラ)で共演した、timelesz・篠塚大輝との舞台裏エピソードを明かした。

 “エスドラ”は、STARTO ENTERTAINMENTによる新たな取り組みで、『記憶買収人』はその第1弾作品として注目を集めているもの。堂本が演じるのは、各話の主人公となる人物の記憶を売買する謎の男・クロノだ。篠塚は、その最初のエピソードに登場する主人公として、就職活動中の大学生・小田悟という役柄に挑んだ。

堂本光一主演『記憶買収人』|ep1 消えた夜

 2025年に芸能活動未経験からtimeleszへ加入、デビューを果たしたばかりにもかかわらず、事務所にとっても前例のないチャレンジとなるシリーズ作品で、最初の主人公を務めることになった篠塚。これまで物怖じしない度胸のある姿を見せてきた彼にとっても、大きな挑戦だったことだろう。

 加えて、篠塚が演じた小田は、忘れたい記憶を手放すことで徐々に性格が変化していく人物。現実には経験できない“記憶を手放す”という選択に伴う不安や高揚感を表現するのは、簡単なことではなかったはずだ。そんな篠塚に対して、堂本がInstagramで2ショット写真を投稿し、「篠塚くん頑張っておりました!」(※1)と言葉を添えていたことも、ファンのあいだで注目を集めていた。

 この日、番組に届いたリスナーからのメールには、『記憶買収人』でメガホンをとった米倉強太監督のインタビュー内容が添えられていた。監督によると、現場で堂本は篠塚に「監督は細かく言ってくるけど、一回全部忘れて自由にやっていいよ」と声をかけていたのだという。それを受けて堂本は、「なんかちょっと失礼に感じられる? 大丈夫かな」と苦笑いしながらも、その言葉に込めた真意を語り始めた。

 現場に慣れない篠塚に監督は的確に指示を出していたという。しかし、その指示を受けて「こう動かないと」と意識している篠塚と、相手役として会話のシーンを演じてみると、堂本には少しイメージが違ってしまうような感覚があったそうだ。そこで堂本は、「監督の指示をちゃんと頭に入れながらも、心のままにセリフのままに、1回動いてみたら?」と声をかけた記憶があると振り返った。

 自身も演出を手がけてきた経験がある堂本は、「『こういうふうに動いたらいいよ』って、(他者の指示が)役者さんの頭に残りすぎると、あんまりいい方向にいかないことが多い」とも語る。まずは一度、自分の思うままの芝居を見せ、そのうえで演出家の指示を仰ぐ。それは、演じる側と導く側の両方を知る堂本だからこその、篠塚の芝居を縛らずに引き出そうとするまなざしだった。

 実際、これまで堂本が演出を手がけてきた作品では、多くの後輩たちがその言葉や姿勢に背中を押され、表現者としての幅を広げてきた。

 たとえば、舞台『DREAM BOYS』で主演を務めたSnow Manの渡辺翔太は、会見で堂本に「手取り足取り一から基礎を教えてもらいました」と感謝を伝えつつ、「僕はアドリブシーンがあまり得意じゃないもんですから」と、堂本にアドリブシーンを台本として用意してほしいと掛け合ったことをラジオで明かしていた。しかし、その頼みを堂本は「スパッと断った」のだという。

2024年『DREAM BOYS』プロモーション映像

 演出する側としては、事前に用意してそのとおりに動いてもらうほうがむしろ容易だったかもしれない。それでも堂本は、演じ手自身がその場で何を感じ、どう見せたいのかを大事にしたのだろう。そこには、後輩をただ導くだけではなく、自分の力で舞台に立たせようとする堂本の信念がにじんでいた。

 また、舞台『Endless SHOCK』でライバル役という大役を担ったtimeleszの佐藤勝利も、堂本の言葉に支えられたひとりだ。もともと同作に強いリスペクトを抱いていたことに加え、1カ月で本編とスピンオフの2作品を同時に稽古しなければならない状況に、不安に押しつぶされそうになっていたという。そんな佐藤に堂本がかけたのは、「勝利だったらできるよ」という言葉。佐藤はその言葉を受け、「光一くんが信じてくれるから」と思い奮起したという。

 さらに、同じく『Endless SHOCK』でライバル役を演じた上田竜也とのエピソードは、佐藤とはまた違った角度から堂本の向き合い方を感じさせる。かつて舞台中にもかかわらずKAT-TUNのメンバーと喧嘩をしたり、本気で取り組まずに失敗したりした上田。堂本は当時、そんな上田に「二度と舞台に出るな」と厳しい言葉をかけたという。それから17年という時を経て、堂本が上田をライバル役に抜擢した際には、「昔の、あの感じを出した方が面白い」とアドバイスしたそうだ。その言葉は、過去の振る舞いを反省しながらも「自分の持っている部分を素直に出せば、はまるのかな」と感じた上田の背中を押すものになった。

 もちろん、本番に向けて一丸となって稽古を重ねていく舞台と、それぞれが準備をして臨むドラマの撮影現場とでは、関わりの深さは異なるかもしれない。同じ演者として共演することと、演出家として作品に携わることはまた違う。

 それでも、後輩たちのポテンシャルを信じ、恐れずにありのままの自分を出していいのだと背中を押す堂本の姿勢には、一貫したものがある。堂本と作品をともにした後輩たちは、その言葉や経験を糧に、それぞれの場所で表現者として進化していく。そうしたリアルな成長の瞬間を、作品の内側にも外側にも生み出していくところに、堂本光一というエンターテイナーのすごみがある。

※1:https://www.instagram.com/p/DWlBnBGEROy

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