崎山蒼志、“good people”との繋がりを体現した一夜 紫 今、原口沙輔らと響き合った復活のステージ

崎山蒼志が、6月12日に東京・Spotify O-EASTにてワンマンライブ『good life, good people』を開催した。4月にリリースされた2年8カ月ぶりのニューアルバムと同じタイトルを冠した同公演は、作品に参加した諭吉佳作/men、紫 今、Mega Shinnosuke、原口沙輔がスペシャルゲストとして出演。文字通り“good people”との繋がりを体現する一夜となった。
「崎山蒼志です。よろしくお願いします」というシンプルな挨拶とともに、崎山にとって昨年11月以来、約7カ月ぶりのステージが幕を開ける。弾き語りで届けられた1曲目は、「五月雨」。中学1年生の時に制作され、2018年の『日村がゆく』(ABEMA)出演時に披露された、彼の名を世に広く知らしめるきっかけとなった楽曲だ。降りしきる雨を表すような激しいストロークから放たれる音は、ギター1本とは思えないほど太く、力強い。間奏で音に身を委ねるように自らも体を揺らす姿からは、早くもこのステージを楽しんでいることが伝わってくる。終盤で彼がさらに激しくギターをかき鳴らした瞬間、フロアから大きな歓声があがった。あらためて、崎山蒼志というアーティストの原点を示す幕開けだった。

続いては、冨樫マコト(Ba)、高橋直希(Dr)を迎えてバンド編成でのステージへ。アルバムのオープニングを飾る「悪魔」から、「人生ゲーム album remix (prod. 原口沙輔)」のイントロを経て「Pale Pink」、「覚えていたのに」と続いていく。バンドメンバーが加わったことで、サウンドはさらに厚みを増し、鋭くも豊かなアンサンブルが会場を包み込む。久しぶりのステージに「楽しくなれたらいいなと思います」と観客に語りかけながらも、「(盛り上げようと)気負わせちゃうのは違うと思うんですけど」と続ける崎山。その謙虚で飾らない人柄もまた、多くの人を惹きつける魅力なのだろう。

TVアニメ『呪術廻戦』第2期「懐玉・玉折」(TBS系)のエンディングテーマとして話題を集めた「燈」をあたたかく届けると、ここからはアルバムを彩ったゲストたちとのコラボステージが繰り広げられた。最初に登場した諭吉佳作/menとは、まず2019年に発表された「むげん・ (with 諭吉佳作/men)」を披露。ふたりの歌声が柔らかく重なり合い、崎山のギターフレーズもまた、歌うように響く。続くアルバム収録曲の「ghost feat. 諭吉佳作/men」は、一昨年頃から制作していたという楽曲だ。どこか深い場所へ潜っていくような浮遊感のあるサウンドスケープのなかで、ふたりの声が静かに溶け合う。「むげん・ (with 諭吉佳作/men)」から時を経て、それぞれの歩みを重ねたふたりの現在地が感じられるパフォーマンスだった。

続いて迎えられた紫 今とは、彼女の楽曲「ウワサのあの子」を披露。しなやかな身のこなしでステージを歩き回りながら妖艶に歌う紫 今に対し、崎山は鋭いギターのカッティングで楽曲に彩りを添えていく。思春期の複雑な恋心をテーマにした本曲の世界観が、鮮やかに表現されていた。

そのままMega Shinnosukeも加わり、3人によるコラボ楽曲「人生ゲーム」へ。軽やかに飛び跳ねながら歌う紫 今と、観客を煽りながら巻き込んでいくMega Shinnosuke。崎山も途中でギターを置き、3人が並んで声を重ねていく。ときに悩むことも、立ち止まることもあるが、人生はなんだかんだで楽しい。3人の高揚感に満ちたステージからはそんなメッセージが伝わってくるようで、アッパーなサウンドも観客のボルテージをぐんぐんと引き上げていく。フロアは笑顔と熱気に包まれていた。
紫 今を見送ると、ステージに残った崎山とMega Shinnosukeは、2024年に発表されたコラボ曲「海をみにいこう」を披露。透明感のあるMega Shinnosukeの歌声と、温もりを帯びた崎山の歌声が重なり合い、穏やかで心地よい景色が描き出されていた。

そして、最後のスペシャルゲストは原口沙輔。まずはアルバム収録の「ending routine feat. 原口沙輔」が届けられ、ハイパーポップなサウンドが観客を揺らす。このライブの前に行われたインタビューで、崎山は「沙輔くんの曲も一緒にやれたらいいな」と語っていたが(※1)、当日は原口の楽曲「無-トピア」でのコラボも実現した。崎山はハンドマイクを手に、原口もラップトップから豪快に音を放つ。ふたりの自由に音を楽しむ姿が印象的なステージだった。

再びバンド編成に戻った後は「ダイアリー」を披露。日々の感情を丁寧にすくい取るような歌が、会場を爽やかに駆け抜ける。「eden feat. かもめ児童合唱団」を経て、本編ラストは「国」。穏やかな演奏から始まった楽曲は次第に力強さを帯び、最後には大きなうねりとなって会場を満たしていく。生きていくなかで抱える不安、葛藤、祈りが詰まったリリックをエモーショナルに歌い上げる崎山に、観客もまたそれぞれの思いを重ねるように耳を傾けていた。

アンコールでの「泡沫」は、ベースとボーカルのみのアレンジで届けられた。「楽しめましたか?」という問いかけに大きな歓声が返ってくると、「よかった!」と柔らかく笑う崎山。続く「I Don’t Wanna Dance In This Squall」ではハンドマイクでステージ前方へ進み、最後は再びギターをかき鳴らす。観客の熱狂とともに迎えたフィナーレ。衝動に身を委ねるようにして音楽を届ける姿は、彼が日々の感情や葛藤を音楽へと昇華し続ける表現者であることを、あらためて証明していた。
“good people”との共鳴によって生まれた音楽と、その根底に流れる崎山自身の“life”。アルバム『good life, good people』は、その両方が息づいている。今後も彼がどんな人々と出会い、どんな音楽を届けてくれるのか。そんな未来への期待を抱かせるライブだった。

※1:https://realsound.jp/2026/04/post-2380383.html


























