かりゆし58、母の日の大阪野音で“最幸出会大感謝”の宴 「宝物が年々増えていく20年でした」

かりゆし58が、母の日ワンマンライブ『かりゆし58 20th Anniversary 母の日のホームゲーム』を、5月10日に大阪・大阪城音楽堂で開催した。
同公演は、かりゆし58のデビュー20周年を記念し、母への感謝をまっすぐにつづった彼らの代表曲「アンマー」にちなんで母の日に行われ、チケットは見事ソールドアウトに。その模様はバンドのYouTube公式チャンネルでも生配信され、会場に足を運べなかったファン共々、多くの観客が活動の初期から縁ある大阪でのアニバーサリーライブを楽しんだ。


当日は日比谷花壇とのコラボレーションで、来場者に一輪のカーネーションが配られる何とも粋なプレゼントもあり、オープニングアクトとして前川真悟(Vo/Ba)と母親である前川正枝が、沖縄を拠点に活動する実力派ギタリスト前濱YOSHIROの伴奏をバックに「Unity -結仁庭-」を歌うサプライズもあり。「夢がかないました。また30周年のときに歌います(笑)」と早速、場を沸かせた母親と入れ替わり、いよいよメンバーがステージへ。「改めまして、ハイサイ~! ようこそいらっしゃいました」と前川がハンドマイクであいさつし、その名の通り「ホームゲーム」でついに幕開けだ。
だが、前川がアコースティックギターを手に取るも、思い通りに音が出ない……! 「父ちゃんの歌(=「まっとーばー」)もやろうかなと思ったけど、また今度ね(笑)。今日は何かが起こりそうだ~!」と、ハプニングにもまるで動じずに始まった「電照菊」では、早くも場内は総立ちに。そんな大阪城音楽堂を「ナナ」の小気味よい躍動感が包み込んでいく。
「おかげさまで20周年の大事な日を大阪で迎えさせてもらっています。20歳になったよ~!」と前川が言えば、「『母の日のホームゲーム』を大阪でやることができて気持ちが高ぶっています。最後まで楽しんで帰ってください!」と宮平直樹(Gt)。再び前川が「今日はせっかくの母の日というのもあるし、ホームゲームという看板を立てているので、家族歌をいっぱい持ってきました。息子に向けた歌を初めて人前でやります」と、ガガガSPの山本聡(Gt)と共作した「youth」へ。愛に満ちたミドルバラードがじんわりと胸に染みわたる。
その後も、満場の手拍子が巻き起こった「心に太陽」や、エイサーの掛け声で跳ねに跳ねた「JUMP UP!」、「かりゆし58の大事な一幕は大阪で迎えていることが多いです。そりゃそうか、だって大阪が大好きなんだもん!」と前川が叫べば盛り上がるしかない「ア・モーレ ア・モーレ」と畳み掛けていく。前川が「次はこのバンドの一番古い曲!」と告げた「恋人よ」も、今から20年前にリリースされた初音源の1曲目で表題曲という、原点にして、かりゆし58のうま味がギュッと詰まった楽曲だ。

新屋行裕(Gt)は「ここはホームです! やっと帰ってこれた気分で今日は楽しいです」と興奮冷めやらぬ様子で、中村洋貴(Dr/Per)も「皆さんありがとうございます! 今日はお母さんたちに優しくしなさいよ(笑)」と続ける。さらに前川が、「次は世に出ていない、1週間前ぐらいに出来上がった曲です。人と人の縁のおかげで、何よりも(フォーカル・ジストニアの症状により一時休養していた)洋貴がステージに立った状態で大きな節目を迎えられています」と述べ、未発表曲の「結縁音(ゆいえんね)」を。サポートドラムの柳原和也も含め5人全員で歌うドラマチックでスケールの大きな新曲に、じっと聴き入るオーディエンス。これからが楽しみな一曲がまた生まれた。


他にも、「快晴の大阪で、母の日に、同級生と一緒にやれるライブは最高だ」と前川がかみ締めた「青春よ聴こえてるか」や、「皆さまにお土産代わりのやつを」と贈ったファニーな「そばの唄」に加え、美空ひばりの「愛燦燦」のカバーも、かりゆし58にかかればラテンファンクなライブの鉄板曲にさま変わり。さまざまなルーツミュージックを飲み込んだ多彩なビートで聴かせ、「母の日なので母ちゃんの好きな曲を」と前川がいざなったのは「オリオンビーチ」。軽快なロックンロールナンバーが満員の大阪野音にどこまでも広がっていく。続いて、「さっき「まっとーばー」をやれなかったから代わりに」と前川が提案し、急きょ披露されたのは「夏草恋歌」。セットリストの変更までほんの数秒。何事もなかったかのように即座に対応できるアンサンブルは、20年の絆がなせる業か。
ここで、「横を見たら友達、向かいを見たら人生の恩人。宝物が年々増えていく20年でした。父親になって何がうれしいかというと、自分の奥さんに息子と一緒にありがとうと言える。なので母の日が2倍幸せなものになりました。うちの妻も子どもも今日は後ろの方にいます」と前川が知らせると、大いに沸く客席。臆することなく大切な人へとささげた「愛を編む」が、心地よい残響と余韻を見る者に刻み込む。そして、やんちゃだった幼少期を振り返った前川が、「どんな状況になっても応援してくれて、今日も大阪まで見に来てくれてありがとう」と母に送った名曲「アンマー」が、心を震わせないわけがない。そこにいる全ての人が、それぞれのアンマーを思い浮かべ共に歌ったことだろう。


気付けばすっかり日も落ち、「20年間で一番楽しい日にするつもりでステージに上がらせてもらっています。過去の自分に負けないためにあるのがライブです。関西の兄弟、家族、ライブをしましょう」と前川が語り、「ウクイウタ」へ。かりゆし58からの熱いエールが、今日も人生を一歩前に進めてくれる。
ライブも終盤となり、普段は寡黙な新屋も「楽しくて時間が過ぎるのを早く感じる。20年積み重ねてきた感謝の気持ちが止まらなくて、溢れ出てしまって……今日はいっぱいありがとうを言って帰りたい」と高揚する気持ちを抑えられない表情。前川も「ライブは生きているヤツらの営みです。でも、天国に行った人のことも思いながら、今日一日を音楽に溶かしましょう」と、これまでに出会ってきた多くの仲間たちの顔を思い浮かべる。「オワリはじまり」をみんなで切々と歌い上げた幸福な景色が、忘れられない記憶をまた一つ残した。

やまないアンコールの声に応え、新屋の渾身のギターソロでも魅せた「手と手」では、「仲間、家族、恋人と過ごす時間がお金よりも価値があるんじゃないかと思っている人! 子どもに将来の夢を描けよとか言う前に、大人が本気で遊んでいる姿を見せる方が話が早いと分かっている人! 今日、人生最高記録を巻き起こすんじゃないかと期待している人!」と前川があおれば、野音を埋め尽くす幾千もの手が揺れる。
ラストは「ユクイウタ」。背中を押し送り出すだけじゃなく、迎え入れ受け止める。人生のいろいろな分岐点に寄り添ってきたかりゆし58の20年を感じさせるエンドロールで、中村は「10年前の洋貴、10年後は楽しいぞ!」と自らに呼び掛け、「これから先も、かりゆし58を好きで良かったと思える場面をいっぱい作っていきたい。またこのバンドを愛してください!」と新屋。舞台上に掲げられた巨大なフラッグには、「最幸出会大感謝」の文字。最後まで温かな空気が流れた素晴らしき母の日となった。

なお、今後のかりゆし58は、秋に約3年ぶりのオリジナルアルバムをリリース予定。同作を携えた全国15公演の『かりゆし58 ホールツアー2026』を、11月12日北海道・共済ホールを皮切りに、12月29日東京・LINE CUBE SHIBUYAまで開催する。
■関連リンク
【かりゆし58 20周年特設サイト】
https://kariyushi58.com/feature/20th
【かりゆし58 公式HP】
https://kariyushi58.com/
【かりゆし58 公式X(旧Twitter)】
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【かりゆし58 公式Instagram】
https://www.instagram.com/kariyushi58_official/
























