星野源、『オールナイトニッポン』で築いてきた“繋がりの場” 名シーンと共にリスナーに届けられた笑いと勇気

不安な夜に届けてきた“一人じゃない”という感覚

 Podcastのアーカイブをスクロールしていった時、その日付に胸を締めつけられたのが、2024年1月2日放送回だ。能登半島地震の翌日。年始ということで当初は収録済みの放送を流す予定だったが、急遽生放送に変更し、星野は「一緒に不安になりましょう」とリスナーに呼びかけた。不安は無理に跳ね除けようとすると苦しくなってしまう。だから、同じ不安だと思う時間やくだらなさを共有することで同じ思いの人が一緒に聴いている、一人じゃないという感覚になることができる。この日、星野がかけたのは、金沢への一人旅での体験が元になっている「光の跡」、そして「くだらないの中に」だった。先日最終回を迎えた『星野源と松重豊のおともだち』(NHK総合)で、星野が松重豊とともに金沢と能登へ足を運んでいることもここに記しておきたい。

 2023年4月25日の放送回も忘れられない。入院中のリスナーたちと繋がる夜。明日抗がん剤を打つというリスナーからのメールに、星野は「このラジオを聴いているリスナーは、全員あなたのことを考えてます」「数万人の人が必ずあなたのことを思っています」とリスナー全員が“味方”だと励ましの言葉を送った。繋がる、それがラジオの力。リアルタイムはもちろん、あとからPodcastで聴いた人も、時を超えてその人を思い続けていく。

 星野は“場を作ること”や“器作り”が好きだと『星野源ANN』をはじめ、様々な場所で話している。それが『おともだち』であり、3月8日に開催される『星野源のオールナイトニッポン in 日本武道館』でもある。ゲストはなし。いつものように、いつものコーナーをあくまで“オンライン”イベントとして行うという。同時に電波を受け取れる――そこにあるのは繋がる、というシンプルなメッセージだ。

 『おげんさんといっしょ』(NHK総合)の最終回の中で、「曲は終わる。番組は終わる。人はいつか死ぬ! 今あるうちに一緒に歌うんだよ!」と呼びかけていたのを思い出す。『星野源ANN』は終わる。けれど、最終回のアナウンス後にかけられた「光の跡」の〈終わりは/未来だ〉〈出会いは/未来だ〉というフレーズに、たまらなく希望を感じずにはいられなかった。忘れたくない思い出を胸に、僕らはいつまでも思い、繋がっていられるのだと思う。

 
 
 
 
 
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