the god and death stars、なぜ今新メンバーを迎えたのか? 音楽への敬意とバンドの真実――『林檎に剃刀』を語る

「パッと前見たら『ギター、いるじゃん!』みたいな」――新メンバーの加入と変化

――そして今回、ずっとスリーピースだったバンドにもうひとりのギタリストが加入します。
間瀬:kazuくんが「もうひとり、ギターか鍵盤入れない?」って。それはわりとずっと言ってたことで。
kazu:ちょうど10周年が見えてきた頃にそんな話をしてたよね。10周年でひと区切りというか、ここでまた新しいことをしたいなって。
間瀬:フェーズ2に行く感じ?
kazu:いいきっかけがあればバンドをリフレッシュしたいなと思ってて。でも、その10年目が2020年、ちょうどコロナ禍の始まりで。結局新体制にしようって話もなんとなく流れていって……そこからさらに5年が経ってた(笑)。コロナ禍以降はCDを出すことすらも止まっちゃってたし。そしたら去年、たまたまいい出会いがあったんですね。
マヤママユ(Gt/以下、マヤマ):去年の春に、僕がやってるDaizyStripperってバンドと、deadmanが同じタイミングでツアーをまわってて。
間瀬:たしか博多で会ったんですよ。博多が同じ日で、deadman飲んでるところに遊びにきて。「このツアー、次の北海道も日程同じなんですよ」「じゃあ北海道でまた飲もうよ」って。それで北海道でまた飲んで。そこでまたkazuくんと俺で「どうする? ギターもうひとり入れます?」みたいに話してて……パッと前見たら「ギター、いるじゃん!」みたいな。
kazu:Daizyの最後のツアーだったんだよね、休み前の。「終わったら何すんの?」って聞いたら「なんも決まってないっす」って言うから。
間瀬:「やる?」。
マヤマ:「押忍」って。
kazu:即答してた。

間瀬:そこもデカいよね。「えー、ちょっと考えていいっすか?」だったらこうなってないし。「やる?」「押忍」だったから。俺もkazuくんも帰り道「……あれ、ほんとかなあ?」って言ってたくらい(笑)。
マヤマ:別の宿に帰りながら俺も思ってました。「大丈夫かな? 俺、普通に『入る』って言っちゃったけど」みたいな(笑)。
――マユさんはgodの存在を昔から知っていたんですか。
マヤマ:2015年くらいですかね、aieさんとたまに飲んだりしてる時にCDもらったりして。普通に聴いてたし、かっこいいなってずっと思ってた。俺が思うかっこいいバンド像っていうか、常に音楽と本気で向き合って楽しんでる感じ。そのスタンスが自分のなかで勉強になることがいつもあって、いいなあと思ってたんで。だから、言われた時も「いいんすか?」って感じでしたね。
kazu:話が決まったのが去年の春だったんだよね。で、僕ら毎年7月には周年のライブをやってるから「じゃあそこに出ちゃえば?」みたいなノリだったんですけど、「いや、どうせだったら、ちゃんとやったほうがいいのかな?」って。今までのノリだったらすぐ出させてたと思うんだけど、これはちゃんと本気でやろう、と。その感覚を5年くらい忘れてた(笑)。
間瀬:そうだね。だから、もう一回ちゃんとやるチャンスだった。ほんとはバンド名も変えたかったんですよ。結局いいのが思いつかなくて変えてないけど。
――生まれ変わるような感覚ですか。実際、4人になって曲の作り方って変わりました?
間瀬:まだ、このアルバム自体はオケをほぼ3人(間瀬、kazu、大嵩)で作ってるから。だからこれからっすね、4人でイチから作っていくのは。
マヤマ:でも、面白かったですよ。スタジオでプリプロ入るの。もらった曲に対して「こうかな? こうかな?」とか考えていったり。スタジオ入るまでは自分のなかでも確証が持てなかったけど。

間瀬:いや、でも4人で鳴らした時は感動したよね。
大嵩:わかるわかる。今までの曲にもうひとりが入ってきて。「すごい! かっこいい!」って自分でも思った。
kazu:「この曲の正解ってこうだったんだ」って思う。前のアルバムの曲とかも初めてツインギターでやってみると、感動するよね。
間瀬:いい意味でマユくんのギターは正統派なんですよ。この3人にはなかった音が入ってくることによって、歪なものに美しいものが入ってきた感じ。
kazu:俺はaieさんの曲がすごいなって思うようになった。作り方は前とそんなに変わってないんだけど、ギターのアレンジャーがひとり入っただけでこんなに聴こえ方が変わるんだ、と思って。面白い。
マヤマ:俺もやってて面白いっす。「このフレーズ弾いてみたらこの曲こんなふうになるんだ!」って。今、ライブのリハーサルに向けていろんな過去の曲を弾いてますけど、aieさんと同じことをやるんじゃなくて、「こんなフレーズはどうだろう?」っていろいろ考えて。それで表情が変わるから。
間瀬:スリーピースっていうバンドの性質上、音に隙間は多いから。ギターが入る余地はある。あとは相性がよかったんだと思う。
――ちょっと話はズレますけど、全員インタビューでこんなふうにメンバー全員がポンポン喋ること、実はあんまりないんですよ。
間瀬:みんな仲悪いから?
――いや(笑)。仕切るスポークスマンがいて、ほかのメンバーはなんとなく黙っていることが多い。でもこのバンドは、メンバー同士楽しくやれる関係性がいちばん大事なのかな、と思います。
間瀬:うん。結局は人だから。音楽性は何も変わってないし。
マヤマ:ほんと、それでしかないと思うんですよね。世のなかは流行り廃りもあるから、自分らがドシッと構えて「俺らはこうだから」ってやるのがいいなと思いますね。あとは常にベストを尽くすだけじゃないですか。純粋にそれだけでいられるっていうの、すごく居心地好いです。
間瀬:……まだ一回もライブやってないけどね、俺たち。
マヤマ:ははは! そうだった!
間瀬:一年後は電気消して、みんな膝抱えてるかもしれない(笑)。



















