GANG PARADE、遊び人と交わす大切な約束 ここから始まる"最後”までのカウントダウン――『THANK YOU, PARADE』レポ

GANG PARADE『THANK YOU, PARADE』レポ

 2025年12月16日にZepp Shinjukuで開催された『GANG PARADE 10th YEAR SPECIAL LIVE “THANK YOU, PARADE”』。10周年イヤーを記念したステージは、活動の軌跡と最新の姿を鮮やかに示す新旧の曲で構成されていた。すでに発表されている通りGANG PARADEは2026年内に解散する。そのことにメンバーが初めて自らの口で触れる場でもあった。2025年最後のワンマンライブ、チケットがソールドアウトしたこの公演の模様をレポートする。

 SEが鳴り響き、ライトで照らされたステージ。背景に掲げられたGANG PARADE10周年ロゴが目を引く。そして、上手袖からヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、キャ・ノン、チャンベイビー、ナルハワールド、アイナスターが登場。「GANG RISE」がスタートするや否や、いきなり最高潮の盛り上がりへと到達した。全力で歌い、パフォーマンスを繰り広げるメンバーたちはもちろん、フロアからコールを送り、激しく手拍子をする遊び人(ファンの呼称)のパワーもものすごい。

GANG PARADE

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 1曲目のこの時点で早くもたくさんの人々が肌を紅潮させていた。続いて「don’t forget me not」も披露されたのちに迎えた最初の小休止。11人それぞれの自己紹介、「外は寒いけど、今日ここで死ぬほど汗かけるかー!」というアイナスターの煽りを経て、「ブランニューパレード」「Happy Yummy Lucky Yummy」「パショギラ」――強力な曲たちが連発された。3曲を一気に駆け抜けたメドレーで沸き立つ遊び人。10年の歴史があるギャンパレだが、2020年3月から2021年末まではふたつのチーム、GO TO THE BEDSとPARADISESに分裂して活動していた。PARADISESの「BRIGHT FUTURE, YOUR SMILE」が始まった瞬間、フロアからあがったどよめきのような歓声。続いてGO TO THE BEDSの「マジ神」が飛び出したのも予想外だったはず。この2曲を経て「グッドラック・マイフューチャー」へと突入する展開は、コロナ禍の期間も前向きに進み続けた彼女たちの姿を思い出させてくれた。

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 「ギャンパレは10年続いてきて、楽曲が150以上あるんです。全部がギャンパレを作ってくれた宝物です」と語ったキャ・ノンが、「私がギャンパレと出会って、ずっと聴いていた大好きな歌です」という言葉を添えた「Beyond the Mountain」。歌詞の一節〈愚連隊行進〉を体現したワイルドな群舞が繰り広げられた「GANG PARADE」。懐かしい2曲と、昨年6月にリリースされたアルバム『GANG RISE』に収録されている「アンビバレント」と「イマヲカケル」に続いて届けられた「ラビバアソビバ!!」は、このライブが初披露の場となった。ドラマチックな展開、哀愁のメロディ、スリリングなビートが融合しているこの曲を手掛けたのは、9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎と滝 善充。刺激的な要素が凝縮されたサウンドを浴びた遊び人が、興奮を露わにする。

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 歌い終えた直後に「卓郎さんが作詞、滝さんが作曲をしてくださっています。2マンをさせていただいた時に『ライブを観て曲を決めたい』とおっしゃったんです。ライブのあと、こんなにも遊び場(ライブ)のことを想って作ってくださった曲をいただきました。遊び人と作る遊び場が9mmさんに刺さらなかったら、この曲は生まれなかったので、遊び場って最高だなとあたためて思いました」と語った月ノ。そして、振り付けを担当したマイカが「最初のところ何だかわかりました? 卓郎さんが歌詞でステージを宇宙、惑星に喩えているんだけど、ウチらが宇宙人っていうことなの。最初のところは『宇宙船で現れた』みたいな感じで、『我々はここで遊び場を作ってますよ』っていう感じの振り付けにしてみました」と解説を加えた。メンバーたち曰く、勢いよく回転する動きが取り入れられているため、踊っていると遠心力で吹き飛ばされそうになるらしい。

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 「ENJOY OUR PARADE」「Träumerei」「FOUL」で構成されていたふたつ目のメドレー。サビでの一斉のエビゾリダンスが迫力満点だった「pretty pretty good」、疾走するサウンドが爽やかな盛り上がりを生んだ「WINTER SONG」、倒れたメンバーに手を差し伸べる振り付けなどを通して支え合う11人の姿が伝わってきた「CAN’T STOP」、そしてあたたかなムードを醸し出す曲を聴いて感極まった遊び人のあいだからステージに向かって送られた拍手――。

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 するとココが突然「以上!」と言ったので、「もう本編終了なの?」というどよめきが起こりかけたが、「とでも言うと思ったかあー!」という言葉が続く。「新旧、いろんな曲をやってきましたけど、やらずには帰れない曲、まだまだあるんですよ。しっとりしてんじゃねえ!」というココの激しい煽りとともになだれ込んだ本編終盤は、強力なサウンドの連発だった。キラキラしたメロディとデスボイスの併せ技で盛り上げまくった「Peace☆超パニック」、ミラーボールが放つ光が踊る遊び人を神々しく彩った「Gang Gang Disco」、遊び人の歌声が加わるとメンバーたちが心底嬉しそうに笑顔を浮かべた「ROCKを止めるな!!」、高速展開を遂げながら絶頂の限界突破を何度も重ねた「Happy Lucky Kirakira Lucky」……。聴きながら喜びを全身で表現する人々の存在が、各曲を輝かせる大切な要素となっていたのが思い出される。ギャンパレと遊び人が10年をかけて築き上げてきたものの大きさを実感させられた。

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 「まだ足りない! まだ足りない!」という激しいコールと手拍子に応えたアンコールは、MCから始まった。ギャンパレの前身グループ・POPにミキと加入した頃のことを振り返りつつ、想いを語ったユア。「活動を始めた当時は、日々、一日一日を生き延びることに必死で、いつどうなっちゃうのかわからないなか、試行錯誤をしながら進むチームでした。だけど、活動をするなかで素敵な仲間たちが入ってくれて、GANG PARADEがどんどん進化していって、みんながいてくれて10周年を迎えられるのを嬉しく思っています。どの時代にも私たちの目の前には遊び人がいてくれました。遊び人の力ってすごいんです。どんな時も全力で私たちに向かってきてくれて、今日もいろんな形で熱量を伝えてくれて、みんなで繋いできた10年間だなと思います。ここまで一緒に歩んでくれてありがとうございます。 こうしてみんなと遊べて、一緒に過ごすことができる時間をとても愛おしく大切に思っています。私たちGANG PARADEに出会ってくれてありがとう!」――。

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 彼女が伝えてくれた想いは、新曲「KIMI☆NO☆OKAGE」に漲っているのを感じた。「ありがとう!」という言葉は、彼女にとってメンバーにも遊び人にも伝えたくて仕方がない気持ちそのものなのだと思う。差し出した小指を掲げる振り付けが盛り込まれていたが、大切な約束を遊び人と交わすかのような11人の姿は、とても胸打つものがあった。

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 「私たちGANG PARADEは、2026年に解散します」とミキが言った瞬間、静寂で包まれた会場内。所属事務所WACKの元代表・渡辺淳之介のインタビュー(※1)ですでに発表されてはいたが、メンバーがこのことに触れるのは初めてだった。「いつか終わりはくるって、そう思いながら活動してきたけど、本当にその時がくるってなると、ふとした時に胸が苦しくなります。それでもこの事実を受け入れて、理解して、納得して、今ステージに立っています。みんなもすごい衝撃的で、きっといろんな感情を抱いたと思うし、今日までの時間ももどかしかったんじゃないかなと思うし、今、私が口にしたことできっと新しくまたみんなのなかで感情が生まれたと思うんだけど、その感情、どれも間違いじゃないから。あなたの感情は、あなた自身で、あなただけのものだから大事にしてほしいです。その全部を私は、私たちは、受け止めて、抱きしめて、最後の一秒までギャンパレらしく走り続けていきます。そばに……その時までずっとそばにあなたがいてくれることが、今のいちばんの願いです。何よりも大好きで愛おしい遊び人たち。あなたがいれば、いつだって、どんな時だって最高の遊び場を作り続けられます。どうか最後の最後まで、GANG PARADEと歩んでください。よろしくお願いします!」と胸の内を伝えたミキが深くお辞儀をする。

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 その後のひと時も印象的だったので触れておきたい。「今日は10周年イヤー、今年最後のワンマンです。次はラストの曲です。ここはみんなの遊び場ですよね?」とミキが問いかけたところ、遊び人からは何の反応も起こらない。静まり返ったままだ。ミキが取り残されたような形となってしまった予想外の状況を収拾するために、「もう一回訊こう(笑)」とメンバーたちが提案。そして、「ここはみんなの遊び場ですよね?」と再度問いかけると、フロアからはしっかり歓声が返ってきた。「みんなの遊び場って、笑顔がいちばん合うと思うんです。最後の一曲は、みんなが笑顔で思いっきり飛んでる姿が見たいです。涙を流していてもいいし、今あなたのなかにあふれている感情を抑え込まなくてもいい。でも、やっぱり私は遊び人の笑顔が好きだし、遊び人には笑顔がいちばん合うから、最後はみんなに笑顔でいてほしい。君がいない未来なんてありえないから。だから、最後は一緒に笑ってくれますか? 一緒に飛んでくれますか? 思いっきり思いっきり飛んでくれますか? 全員、誰よりも高く高く飛んでくれますか?」――。そしてスタートした「Plastic 2 Mercy」。シンセサイザーのイントロが鳴り響いた瞬間、遊び人の心拍数の上昇が伝わってきた気がした。メンバーたちが肩を組みながら飛び跳ねるのに合わせて、フロア内でも大規模な肩組みダンスが発生。ギャンパレと遊び人のエネルギーによって会場が震えるのがとても心地好く感じられた。

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 「以上、私たち!」とチャンベイビーが言ったのに続き、「エンジョイプレイ! みんなの遊び場、GANG PARADEでした! ありがとうございました!」とメンバー全員が声を響かせて迎えた終演。「今年イチの遊び場がここにあったんじゃないですか?」(ドクソン)、「まだここで終わりじゃないですから。最後まで高みを目指し続けて頑張っていきますので、遊び人のみなさん、ひとつでも私たちと一緒に思い出を作ってくれたら嬉しいです。2026年もよろしくお願いします!」(ココ)とメッセージを届けたのち、手を振りながらステージを後にしたメンバーたち。もちろん寂し気な様子は含まれていたが、会場内を圧倒的に満たしていたのは明るい余韻であった。

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※1:https://natalie.mu/music/column/650008

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