ポルノグラフィティ「あなた方はわしらの力です」――未来へと上げた革命の狼煙 歴史をたどるカウントダウン公演

「ポルノのふたりからパワーをもらっている。ポルノと一緒だと、年を取るのも悪くないなと思える」。ポルノグラフィティの約7年ぶりのカウントダウンライヴで、バンドメンバーの皆川真人(Key)が語った言葉だ。客席にいるファンの多くが、この言葉に大きく頷いていた。この日のライヴは、まさに客席とエネルギーの交換をしながら、ポルノグラフィティのたどってきた道のりを噛み締めるような一夜となった。
12月28、29、31日に神奈川・ぴあアリーナMMにて行われた『みなとみらいロマンスポルノ’25 ~THE OVEЯ~』。ポルノグラフィティにとって約7年ぶりのカウントダウン公演となった31日はファンクラブ「love up!」会員限定公演で、会場には立ち見も含めて多くの“ラバッパー”が集まった。岡野昭仁(Vo)は「この規模でラバッパーが集まっていることってない」と声を弾ませていたが、その安心感からか、ポルノグラフィティのふたりはこの日、2026年への決意を刻みつつも、アットホームな和やかさで新年を迎えた。
開演前、注意事項等のアナウンスが終わるとそのまま「声出せますか? おそば食べましたか? 最高の2026年迎えられますか?」と粋な影アナで盛り上げられ、観客の高揚は最高潮に達する。そして暗転すると、真っ暗になったぴあアリーナを切り開くように青い光が広がる。同時に岡野の〈目の前を遮る 壁のようなREAL WORLD 深い森に分け入るよりも 危険な香りのTHE WAY〉という歌声が響き渡り、新藤晴一(Gt)のギターも静かに寄り添う。ステージ横のビジョンに『THE OVEЯ』とライヴタイトルが大きく映し出されると、テンポが上がりシームレスに「THE DAY」へ。今年、『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』(読売テレビ/日本テレビ系)オープニングテーマ「THE REVO」を11月にリリースしたポルノグラフィティ。そんな今年の勢いを示すかのように、彼らは2016年放送の『ヒロアカ』第1期のOPテーマでライヴをスタートさせた。

未来へ走り出す姿を綴った「Search the best way」を爽やかに届けたあとには、プリズムのような照明のなかソリッドに「Montage」を届ける。始まって20分たらずで、さまざまな表情を次々と見せていく。岡野が「大晦日、2025年最後の年……“最後の年”じゃない、最後の日」と言い間違えれば、新藤も「大晦日ですよ」という言葉を噛んでしまったり、新藤が「しばらくしゃべってないから口が回らない」と言い訳すると、岡野に「もうおネムの時間だから」と言われたりと、タイトな演奏とは正反対の自然体な会話が繰り広げられ、カウントダウンライヴ特有のソワソワしたムードは、徐々にゆるんでいった。
「ヴィヴァーチェ」「Shake hands」を続けたあと、岡野が「僕たちにとって、とっても大切になった曲をお届けしたいと思います」と前置きしてから始まったのは、NHK広島放送局の被爆80年プロジェクトのテーマソングとして今年リリースされた「言伝 ―ことづて―」。原爆投下の3日後に走り、広島の人々を勇気づけた“一番電車”について歌った同曲へ込めたメッセージをしっかり伝えるべく、アニメーションと歌詞を映し出しながら届けられた。この曲は〈「明日が来る」ことがいつも嬉しいと/隣の誰かと言い合える世界でありますように〉と結ばれる。これを、日を跨ぐカウントダウンライヴで歌っているという光景に、今この瞬間が奇跡であることを、あらためて感じさせられた。歌い終えると、岡野は胸に手を当て「この先までずっとずっと大切な曲になりますように」と祈りを込めた。


『THE OVEЯ』というライヴタイトルは、2025年にポルノグラフィティが発表した楽曲「THE REVO」を反転させたもの。ということで、ライヴのテーマも“反転”。ボコーダーによるハーモニーが幻想的なムードに誘った「空想科学少年」、レーザーが怪しく飛び交った「惑星キミ」でサイバーな世界観に染め上げたかと思えば、場面を反転させ「夕陽と星空と僕」「風波」でオーガニックに情景や物語を紡ぐ。さらに、ヘヴィなギターをきっかけに「ラック」を荒々しく鳴らすと、「悪霊少女」でダークファンタジーへ。「鉄槌」では赤い照明が客席へ差し込み観客から一気に当事者へ変えるなど、世界観は濃度を増していく。この“反転”というコンセプトは、「THE REVO」を反転させると「THE OVER」になるとあとから気づいて決まったそうなのだが、その“反転”をライヴで実現させるだけの楽曲の幅と、どんな楽曲もポルノグラフィティらしくなるように耕してきた、彼らのスキルと個性があるからこそ実現できるもの。そこにポルノグラフィティの凄さと、ふたりが26年間持ち続けてきた矜持がある。


ラバッパーとともにカウントダウンをして迎えた2026年は午年。ということで、2026年1曲目は「ハネウマライダー」。観客はタオルを回し、会場には金テープが噴射されるなど、場内は祝福ムードに。華やかな空気にあてられたのか、岡野はカメラに向かって積極的なファンサービス。新藤もステージの端から端まで駆け抜けるなど、ふたりもハイテンションになっていく。さらに「スロウ・ザ・コイン」「極上ランディング」「Century Lovers」「幸せについて本気出して考えてみた」と幸福感あふれる楽曲でハッピームードに追い討ちをかけた。
「貴重な時間をわしらと一緒に過ごすことを決めてくれてほんまにありがとう」と客席への感謝をあらためて伝えた岡野。「あなた方はわしらの力です。原動力です。これからもあなたの力をもらって、大きな革命なのか、小さな革命なのか、起こしていこうと思いますので、これからもよろしくお願いします」と告げ、ふたりは「THE REVO」で本編を締めくくる。岡野は最後に、〈始まる2026 あなたとこうして おんなじメロディ 歌える喜び〉と歌い上げた。


「『ポルノ! チャチャチャ』(手拍子)が揃いすぎてるんだけど! なんか異常な団結力だよね」とラバッパーの団結力や勢いに驚きつつも喜び、再びステージにやってきたポルノグラフィティ。TVアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(CBC/TBS系)オープニングテーマ「はみだし御免」(新藤いわく「発音が大事」「切捨御免の“御免”だから」とのこと)を1曲目に選曲し、2026年のスタートを担う新曲を迫力満点に披露した。
2025年、TVドラマ『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)の主題歌として「アゲハ蝶」が再びフィーチャーされた。これにちなんで、「良いこと悪いこと」を巡る小競り合いも挟みつつ、岡野が「20数年前の楽曲があらためていろんな方に認知されることはラッキーなこと。自分たちの活動にまた違う風が吹いてありがたい限り」と振り返る。そしてニヤリと客席を見ると「すごいクラップと歌声が聞けるんだろうな」とつぶやいて、「アゲハ蝶」へ。岡野の期待を超えるほどのクラップとシンガロングが会場を揺らし、ふたりはうれしそうに、普遍的な魅力を持った同曲を2026年に鳴らした。ラストは「ジレンマ」。この曲でステージ上も客席も、岡野いわく「すべてを凌駕するアホ」になり、熱さと温かさを持ち合わせた約7年ぶりのカウントダウン公演は幕を下ろした。

この日、岡野は何度もエゴサーチをするというエピソードを明かしていた。そのエゴサ結果を見て、「予想を上回ってやろうとか、予想を覆してやろう」と考えるといい、そんな日々を「皆さんと切磋琢磨している感じ」だといった。そんなポルノグラフィティの2026年は、2月にEP『種』を配信リリース、同月からは全35公演を巡るツアー『20thライヴサーキット“水”』がスタート、そして秋には13thアルバム『果実』がリリースされる。ライヴで、ファンやバンドメンバーと、楽曲を育てて“果実”を作るのだそう。2026年のポルノグラフィティが、ラバッパーとともにどんな革命を起こすのか。動き出すその日は、もうすぐそこだ。
■公演情報
『20thライヴサーキット“水”』
2026年2月27日(金) 千葉・市原市市民会館 大ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年3月3日(火) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年3月5日(木) 鳥取・米子コンベンションセンター 多目的ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年3月6日(金) 島根・島根県芸術文化センター 「グラントワ」大ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年3月19日(木) 静岡・アクトシティ浜松 大ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年3月23日(月) 大阪・フェスティバルホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年3月24日(火) 大阪・フェスティバルホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年3月27日(金) 新潟・新潟県民会館 17:30開場 / 18:30開演
2026年4月2日(木) 京都・ロームシアター京都 メインホール17:30開場 / 18:30開演
2026年4月4日(土) 福井・フェニックス・プラザ エルピス大ホール 16:30開場 / 17:30開演
2026年4月6日(月) 石川・金沢歌劇座 17:30開場 / 18:30開演
2026年4月10日(金) 香川・レグザムホール 大ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年4月13日(月) 愛媛・松山市民会館 大ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年4月18日(土) 北海道・帯広市民文化ホール 大ホール 16:30開場 / 17:30開演
2026年4月20日(月) 北海道・札幌文化芸術劇場hitaru 17:30開場 / 18:30開演
2026年4月21日(火) 北海道・札幌文化芸術劇場hitaru 17:30開場 / 18:30開演
2026年4月24日(金) 東京・府中の森芸術劇場 どりーむホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年4月26日(日) 茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール 16:30開場 / 17:30開演
2026年5月6日(水) 東京・SGCホール有明 16:30開場 / 17:30開演
2026年5月8日(金) 広島・広島文化学園HBGホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年5月9日(土) 広島・広島文化学園HBGホール 16:30開場 / 17:30開演
2026年5月15日(金) 秋田・あきた芸術劇場ミルハス 大ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年5月17日(日) 岩手・トーサイクラシックホール岩手 大ホール 16:30開場 / 17:30開演
2026年5月19日(火) 宮城・仙台サンプラザホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年5月20日(水) 宮城・仙台サンプラザホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年5月29日(金) 三重・三重県文化会館 大ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年5月30日(土) 岐阜・長良川国際会議場 メインホール 16:30開場 / 17:30開演
2026年6月9日(火) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年6月10日(水) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年6月14日(日) 長崎・アルカスSASEBO 大ホール 16:30開場 / 17:30開演
2026年6月16日(火) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年6月17日(水) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール 17:30開場 / 18:30開演
2026年6月20日(土) 沖縄・沖縄コンベンションセンター 劇場棟 16:30開場 / 17:30開演
2026年7月7日(火) 東京・東京ガーデンシアター 17:30開場 / 18:30開演
2026年7月8日(水) 東京・東京ガーデンシアター 17:30開場 / 18:30開演
※開場・開演時間は変更になる場合がございます
<チケット料金>
指定席:¥11,000(税込)
<プレイガイド先行受付(抽選)>
https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=295206
■リリース情報
EP『種』2026年2月配信リリース予定
13thアルバム『果実』2026年秋頃リリース予定
特設サイト:https://sp.pornograffitti.jp/13thal-20thlc/
■関連リンク
公式サイト:https://www.pornograffitti.jp/
YouTube:https://www.youtube.com/user/pornograffittiSMEJ
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