Fujii Kaze、Mrs. GREEN APPLE、米津玄師、ONE OK ROCK……“ライブ”で振り返る2025年の音楽シーン

 2025年も、1年を通して大規模なライブが多数行われた。本稿では、なかでも象徴的なライブをピックアップしながら、2025年のシーンを振り返っていきたい。

 Mrs. GREEN APPLEは、デビュー10周年を迎えた7月に神奈川・山下ふ頭特設会場にて『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD~』を開催。10年間の軌跡をたどるセットリストで、アニバーサリーイヤーらしい祝祭感のあるライブを届けた。10月から12月にかけては初の5大ドームツアー『Mrs. GREEN APPLE DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”』も開催し、自身最大規模となる55万人を動員。2025年も音楽シーンで圧倒的な存在感を示した。

映画 『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD~ ON SCREEN』【本予告】11月28日(金)より映画2作品 全国同時公開!

 キャリア初のドーム公演を行ったのが、米津玄師だ。1月から2月にかけて、全国8都市を巡る『米津玄師 2025 TOUR / JUNK』を開催。東京・東京ドームにてファイナルを迎えた後、3月から4月にかけて上海、ソウル、ロンドン、パリ、ロサンゼルスなど計7都市を巡るワールドツアーも展開された。国内公演と海外公演をあわせて計44万人を動員する自身最大規模のツアーとなり、彼の音楽が海を越えてより広がっていく1年となった。

Kenshi Yonezu - Plazma(Live)

 Creepy Nutsも、2月に初の東京ドーム公演『Creepy Nuts LIVE at TOKYO DOME』を開催。同月に配信リリースされたアルバム『LEGION』の収録曲を中心に構成されたライブを届けた(公演の最後に披露されたのは同アルバム収録の「通常回」)。その後は、全5都市7公演にわたる初のアジアツアー『Creepy Nuts ASIA TOUR 2025』も開催したCreepy Nuts。「通常回」で歌われている通り、規模が大きくなっても今までと変わらないスタンスで音楽を届ける彼らの姿勢が伝わってくる1年間だった。

【Live】Creepy Nuts - オトノケ(LIVE at TOKYO DOME)

 5月、6月に、初のスタジアムツアーを行ったのは、Official髭男dism。『OFFICIAL HIGE DANDISM LIVE at STADIUM 2025』は、4公演で約25万人を動員する自身最大規模のツアーとなった。ライブでは、彼らを一躍国民的バンドへと押し上げた「Pretender」のほか、島根のライブハウスで活動していた頃から歌われてきた初期の名曲「異端なスター」も披露。バンドの歩みを感じさせる公演となった。

Official髭男dism - 50% [Official Live Video]

 SUPER BEAVERも、同じく初のスタジアム公演を開催。6月に千葉・ZOZOマリンスタジアムにて行われた『都会のラクダSP at ZOZOマリンスタジアム』は、今年結成20周年を迎えた彼らにとってのアニバーサリーライブだ。バンドは年々スケールアップしているが、ライブの会場が広くなっても彼らのスタンスは変わらない。目の前の“あなた”一人ひとりに向けて音楽を届け、ライブハウスで生み出される熱気と同じエネルギーを生み出している。

SUPER BEAVER「美しい日」【「都会のラクダSP at ZOZOマリンスタジアム」 2025.06.21】

 Fujii Kazeは、7月に自身初のヨーロッパツアー『FUJII KAZE EUROPE TOUR 2025』、8月からは北米ツアー『FUJII KAZE NORTH AMERICA TOUR 2025』を開催し、今年はキャリア史上最大数の海外公演を行った。9月には、全編英語詞のアルバム『Prema』がリリースされたことも大きな話題に。新たなフェーズを感じさせるとともに、彼の音楽が国境を越えてより多くの人の心に届いていく1年となった。

Fujii Kaze - Prema [Official video]

 ONE OK ROCKは、今年2月にアルバム『DETOX』をリリースし、4月に南米ツアー、5月からは北米ツアーを開催した。8月からスタジアムとドームを織り交ぜながら日本の各地を巡り、10月からは過去最大規模のヨーロッパツアーを開催。アルバム『DETOX』を携えて、国内外で大きな活躍を見せた1年だった。

ONE OK ROCK - Tropical Therapy [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

 Adoは、4月から8月にかけて2度目のワールドツアー『Ado WORLD TOUR 2025 “Hibana” Powered by Crunchyroll』を開催。日本で開幕した本ツアーは世界33都市を巡り、計50万人以上を動員した。日本人アーティストによるワールドツアーのなかでも過去最大級の規模を誇ったツアーを経て、11月には国内ドームツアー『Ado DOME TOUR 2025「よだか」』も開催。世界への挑戦と国内での大舞台を経て、アーティストとしてさらなる成熟を見せた1年となった。

【Ado】MAGIC

 振り返ってみると、こうした大規模ライブを通して各アーティストが積み重ねてきた時間やスタンスが鮮明に浮かび上がったことがよく分かる。2026年もどんな伝説的なライブが生まれるか、楽しみにしたい。

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