JIJIM、EP『化色』で描いた感情の濃淡 シンジュにとっての希望と東京――今見えている景色を語る

パウロ・コエーリョから受けた影響と言葉の魅力

――「トレンド」「ブルジョワジー」など、タイトルの付け方も独特ですよね。
シンジュ:カタカナが多いとはよく言われます(笑)。言葉を探すのが好きで、広辞苑をランダムに開いて気になる単語を拾ったり、意味を調べたりするのが最近の趣味です。移動中もメンバーと言い換え遊びをしたり、サビだけの言葉でAメロ、Bメロを作る即興遊びをしたり。そういう日本語遊びがそのまま曲名や歌詞の語彙にも繋がっているのではないかな、って。語感のよさやちょっとクセのある響きに自然と惹かれるというか、届けた時にささやかに心が動く言葉でありたいと常に思っていますね。聞いた人たちが「このタイトルってさ」と話題にしたくなるような、静かな広がりを持つ言葉に魅力を感じます。
――“言葉”の面で、特に影響を受けた存在というと?
シンジュ:パウロ・コエーリョさんですね。『アルケミスト 夢を旅した少年』や『ベロニカは死ぬことにした』でも知られる作家さんですが、海外作家ならではの比喩表現や言葉の使い方がすごく魅力的で、日本語にはあまりない発想が多いんです。もちろん日本語も大好きですが、歌詞は短い文章だからこそ、限られた言葉でどれだけ豊かな情景を作れるかを常に考えています。歌詞カードを見た時に「この言葉いいな」と感じてもらえるフレーズを残したいんです。
――日本語や英語だけでなく、さまざまな国の言語をよく使いますよね。ツアータイトルの『カンカ ノ カンカ』もブルガリア語で“一滴一滴”という意味だと、先日のライブでもおっしゃっていました。
シンジュ:エラ・フランシス・サンダースさんの『誰も知らない世界のことわざ』という本があって、そこに載っていた“カンカ”という言葉に惹かれたんです。自宅の本棚に置いてあって、タイトル候補を探している時に出会いました。昔から本を読むのが好きで、文章から情景を読み取ったり、作者の心を想像するのが好きで。父も母も本が好きなので、その影響も大きいと思います。実は子どもの頃、短い小説を書いて賞をいただいたことがあって……タイトルも覚えていないんですが(笑)。でも、誰かに創作を評価してもらうという経験は嬉しかったですね。
――『カンカ ノ カンカ ツアー 2025』を終え、2026年はどんな一年にしたいですか。
シンジュ:音楽の輪をもっと広げていく一年にしたいです。『化色』と一緒に全国を巡り、そこで見える景色をたくさんの人と共有したい。僕自身も上京して2年目になるので、「上京したてだから」という言い訳はもうできない。東京で自分と向き合いながら、自分をより深く愛せる一年にしたいですし、JIJIMとしても、この“東京”という街に感謝しながら、多くの人に認めてもらえる音楽を作りたいと思っています。
■リリース情報
EP『化色 - KESHIKI -』
配信中
配信URL:https://orcd.co/jijim_keshiki
<収録曲>
01. メトロ
02. スターリースターリー
03. レンズ
04. トレンド
05. ブルジョワジー
■出演情報
FM FUJI『JIJIMのBest of Luck!!!』
毎週日曜17:00〜17:30
JIJIM オフィシャルサイト:https://lnk.to/JIJIM_info
X(旧Twitter):https://x.com/jijim_official
Instagram:https://www.instagram.com/jijim_official/
YouTube:https://www.youtube.com/@jijim_official





















