藤井 風、Mrs. GREEN APPLE、BUMP OF CHICKEN……スタジオでの“裸の歌声”に宿る生々しい熱量
BUMP OF CHICKENが、新曲「I」のスタジオリハーサル映像の一部を公式SNSアカウントにて公開している(※1)。
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「I」はTVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』(読売テレビ/日本テレビ系)のエンディングテーマとして書き下ろされた楽曲で、先月配信リリースされた。SNSでは、11月頭にも藤原基央(Vo/Gt)と増川弘明(Gt)が「I」のイントロのギターフレーズを奏でる動画(※2)が公開されていたが、今回の映像は増川のギターの演奏に乗せて藤原がサビを歌い上げるもの。増川がコードを鳴らしたのちに、ふたりが呼吸をそろえるようにして、藤原が力強い歌唱を加える。彼の歌声は空気を揺らすようで、シンプルな空間だからこそ言葉の粒立ちの美しさも際立っている。スタジオならではのラフな雰囲気も特別感があり、音源ともライブとも異なる生々しい熱量に満ちているのだ。
藤井 風も、過去に「真っ白」のスタジオ映像をYouTubeショート動画にて公開していた(※3)。行われているのは、メインボーカルではなくコーラスのレコーディング。藤井は踊るように体を揺らしながら、リラックスした様子でサビのハモリやラストのフェイクを入れていく。その姿はとても自由かつ開放的で、彼が楽しくレコーディングに臨んでいることが感じられる。穏やかな雰囲気は歌声にも表れていて、伸びやかで非常に心地がよい。それがダイレクトに伝わってくるのも、エフェクトや調整がかかっていないスタジオ歌唱だからこそだろう。生の歌声を通して、藤井 風というアーティストの根底にある表現の楽しさが、より真っ直ぐに届く。
Mrs. GREEN APPLEも、公式YouTubeチャンネルで定期的にレコーディングの舞台裏を見せてくれている。たとえば、今年8月には直前にリリースされた「夏の影」のビハインド映像が公開された(※4)。アカペラ歌唱だけが響くボーカルレコーディング映像からは、ボーカリストとしての力量が如実に伝わってくる。大森のレコーディング風景からは、ピッチの正確さはもちろん、言葉の一つひとつに感情をしっかりと乗せているのがよく分かるのだ。特に、音源ではサウンドも盛り上がりを見せる〈過ごしていた/あの夏の思い出は/今でも瞼の裏で生きてる〉の部分のレコーディングは、こうして彼の歌声だけを聴いても切ない夏の情景が思い浮かんでくるから流石である。
10月に公開された「GOOD DAY」のビハインド映像(※5)でも、軽快なこの曲を試行錯誤しながら歌い上げていく大森の姿が見られる。「夏の影」とはまた違い、エネルギーをぶつけるようなハツラツとした歌声からは熱量が伝わってくるのだ。「夏の影」にしても「GOOD DAY」にしても、生の歌声だからこそ、彼の表現力の豊かさが際立っている。
こうした、スタジオで響くアーティストの“裸の歌声”。普段はなかなか見られない裏側に触れる楽しさはもちろん、彼らの歌声が放つ生々しい熱が感じられ、特別な高揚感をもたらしてくれるように思う。
※1:https://www.instagram.com/reel/DRHB9TnEvDG
※2:https://www.instagram.com/p/DQywLPjElru/
※3:https://www.youtube.com/shorts/k6lw6LwXA6Y
※4:https://www.youtube.com/watch?v=5HPbPN-YpE4
※5:https://www.youtube.com/watch?v=mcFP6qJNQIY

























