Base Ball Bear、結成25周年を前に魅せた現在地 特別なセットリストで届けた『SHIBUYA NONFICTION Ⅱ』

ベボベ『SHIBUYA NONFICTION Ⅱ』レポ

2026年は結成25周年とメジャーデビュー20周年、ミニアルバムリリースの発表も

 本編最後のブロックに入るところで、「次の曲をやる前に、去年の反省を」と、1年前の『SHIBUYA NONFICTION』で「非常に由々しき事態が起きた」ことについて、小出が話し始める。

 昨年の本編最後のブロックは、「changes」「カシカ」「Endless Etude」という曲順だったが、「changes」を終え、小出が「カシカ」のイントロを弾こうとしたら、堀之内がそれをすっとばして「Endless Etude」の頭のドラムを叩き始めたのだ。中継スタッフも照明スタッフも大慌ての中、やむをえずそのまま「Endless Etude」を演奏、「カシカ」はそのまま闇に葬られた。すごく練習したので心残り、だからその無念をここで晴らしたい、と。オーディエンスは大笑い&大拍手だったが、一部の人は「ああ、あれね」みたいな笑い方だった。というのも、この件は今年1月5日に東京・きゅりあんで開催された『新春ベースボールベアーちゃん祭り2025』でも、報告されたのだ。

小出祐介(Vo / Gt)(撮影=AZUSA TAKADA)

関根史織(Ba / Cho)(撮影=AZUSA TAKADA)

堀之内大介(Dr)(撮影=AZUSA TAKADA)

 その時もしっかり説明して爆笑をとり、しっかり「Endless Etude」を演奏してオーディエンスを熱狂させたが、この日も同じく、しっかり笑いを巻き起こしてフロアを盛り上げていた。小出と関根にとって、一度ネタにするだけでは収まらないくらい大きなアクシデントだった、ということなのか。それとも新春の時に大ウケだったので、もう一度こすりたかったのか。たぶん両方。

 サイケデリックな妖しさ漂うダンスビートで、オーディエンスからハンドクラップを引き出した「逆バタフライエフェクト」、続いて「part.2」と「part.3」の「海になりたい」二連続で披露。そして、関根がフロントに出てベースイントロを聴かせた「Stairway Generation」と、「オイ!」コールとハンドクラップとシンガロングが入り交じるカオス状態になった「PERFECT BLUE」、いつでもどこでもどんな時でも、オーディエンスを絶頂に導く鉄板の2曲で、本編が終わる。

 アンコールでは、曲に入る前に結成25周年とメジャーデビュー20周年にあたる、2026年の活動が発表された。1月28日にミニアルバム『Lyrical Tattoo』をリリースし、2月15日から2年ぶりの全国ツアー、それらの前に1月11日に東京・EX THEATER ROPPONGIで『新春ベースボールベアーちゃん祭り2026』を開催、などなど。

Base Ball Bear(撮影=AZUSA TAKADA)

 そして「何才」と「17才」を、40才ふたりと39才ひとりで披露。さらに、Wアンコールで追加になったのは、彼らが19才と18才の時にリリースした「SUNSET-KI・RE・I」だった。堀之内の低い唸り声がじわじわ高くなった末に雄叫びに変わり、それを拍手と歓声が包んでから、曲が始まった。

 そんなBase Ball Bearは、12月30日に幕張メッセ『COUNTDOWN JAPAN 25/26』と、31日には『LIVE DI:GA JUDGEMENT』、年内に2本のライブが控えている。

 また小出は、自身が主宰するバンド・material clubで、11月26日にビルボードライブ『物質的Ⅲ』も開催予定である。というアクションに関しては、3人ともアンコールのMCで触れなかったので、補足しておきます。とにかく、残り少ない2025年も、そして2026年も、目と耳を離せない状態が続いていくBase Ball Bearである。

Base Ball Bear(撮影=AZUSA TAKADA)

■セットリスト
『SHIBUYA NONFICTION Ⅱ』
2025年11月16日 東京・LINE CUBE SHIBUYA

M01.GIRL FRIEND
M02.「それって、for 誰?」part.1
M03.ランドリー
M04.動くベロ
M05.SAYONARA-NOSTALGIA
M06.抱きしめたい
M07.夏の細部
M08.LOVE LETTER FROM HEART BEAT
M09.The End
M10.カシカ
M11.逆バタフライエフェクト
M12.海になりたい part.2
M13.海になりたい part.3
M14.Stairway Generation
M15.PERFECT BLUE
<アンコール>
M16.何才
M17.17才
<Wアンコール>
M18. SUNSET-KI・RE・I

■ライブ情報
『Base Ball Bear Tour 「Lyrical Tattoo」』

2月15日(日)愛知 BOTTOM LINE  16:15/17:00
2月27日(金)大阪 BIG CAT 18:15/19:00
3月19日(木)東京 Zepp DiverCity(TOKYO) 18:00/19:00
5月15日(金)宮城 仙台darwin 18:30/19:00
5月16日(土)新潟 GOLDEN PIGS RED 16:30/17:00
5月28日(木)千葉 千葉LOOK 18:30/19:00
6月4日(木)京都 磔磔 18:30/19:00
6月6日(土)岡山 IMAGE 16:30/17:00
6月7日(日)愛媛 松山Double-u Studio 16:30/17:00
6月19日(金)石川 金沢AZ 18:30/19:00
6月20日(土)長野 ライブハウスJ 16:30/17:00
7月3日(金)北海道 BESSIE HALL 18:00/18:30
7月5日(日)青森 青森Quarter 16:00/16:30
7月10日(金)福岡 DRUM Be-1 18:30/19:00
7月11日(土)熊本 熊本B.9 V2 16:30/17:00

詳細はこちら:https://www.baseballbear.com/live/

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