新着MVランキング:NiziU「♡Emotion」で見せたポップさと繊細さの両立 やわらかさで聴かせる歌声の進化
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。10月17日〜10月23日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:NiziU「♡Emotion」 MV
2位:timelesz「レシピ」MV
3位:Sakuzyo feat. 初音ミク「怪獣になりたい」MV
4位:Mrs. GREEN APPLE「GOOD DAY」from『CDTVライブ!ライブ!』
5位:TOMORROW X TOGETHER「Can't Stop」MV
6位:King Gnu「SO BAD」MV
7位:SixTONES「Underline」from『YOUNG OLD』
8位:HoneyWorks「ムカつく feat. 瀬戸口清武」MV
9位:TAK「PPPP feat. 初音ミク、重音テト」MV
10位:BOYNEXTDOOR「Hollywood Action」MV
今週ピックアップするのは、新着首位のNiziU「♡Emotion」。今年11月にリリースを控えた3rd アルバム『New Emotion』のリード曲となる楽曲だ。アルバムのトレーラーはメンバーのダンスを軸としたドラマチックかつシリアスなものだが、「♡Emotion」はNiziUらしいポップな仕上がりとなっている。
きらめくようなドリーミーなイントロは、少しレトロな印象も与えるメロディラインに彩られ、MVで披露されるカラフルなスタイリングは2000年代末を彷彿とさせる。スマートフォンのユーザーインターフェースを模したSFチックなギミックも、“今っぽい”というよりは“レトロ”の部類に入るだろう。一方、楽曲全体としてはノスタルジーの要素はそれほど強くなく、派手な展開を抑えたクールなテイストに仕上がっている。何より、ボーカルの見せ場となる高く張るような歌メロは控えめで、ハイトーンであっても力強さよりも繊細なやわらかさを打ち出すディレクションも興味深い。NiziUらしい快活さは残しつつも、メロディに寄り添うような歌唱が印象的だ。
NiziUは3月末に『LOVE LINE』で韓国でのカムバックを果たしているが、そちらの楽曲と「♡Emotion」は実に対照的。『LOVE LINE』のタイトル曲「LOVE LINE」はベースラインとキックドラムが牽引するややアップテンポな力強いビートに、ハリのある高音パート、メリハリの利いた展開……等々、NiziUの快活さを表現しつつ、K-POP的な作りにアジャストした楽曲だった。対して日本でのリリースとなる「♡Emotion」において、楽曲を牽引しているのはあくまで歌メロで、派手さこそないものの、楽曲の丁寧な展開にあわせて細かくニュアンスを移り変わらせていくことで、リスナーをその世界観に引き込んでいく。リード曲として考えると思った以上に繊細で、言葉を選ばなければ地味な楽曲でもあるのだが、パフォーマンス自体には明るくポジティブなNiziUらしさがしっかりと表現されていることはたしかだ。
アルバムには「LOVE LINE」の日本語版も収録予定。ほか、2月に発表されたミニアルバム『AWAKE』の冒頭を飾った渋いR&Bナンバー「YOAKE」や、タフなNiziU像を打ち出したシングルの収録曲「RISE UP」「BELIEVE」も収録が予定されている。カラーの異なる楽曲が並ぶ中、ほかの新曲とあわせてどのようなNiziUを見せてくれるか、楽しみだ。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly

























