音楽大手4社合同プロジェクト『ENT NEXT class~好きを未来に~』始動 DJ KOOも登場――中学生への特別授業で伝えるメッセージ

音楽大手4社による中学生への特別授業レポ

 株式会社アミューズ、エイベックス株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ポニーキャニオンは、エンタテインメント業界におけるサステナビリティアクションを活性化することを目的にした合同プロジェクト「ENT NEXT ACTION」を発足。その第1弾アクションとして、「次世代を担う子どもたちに、将来を明るく思い描いてほしい」という思いのもと、9月30日に東京・多摩市立和田中学校でキャリア教育プログラム『ENT NEXT class~好きを未来に~』を開催した。

 各社から職種/経歴/年齢が異なる社員が1名ずつ登壇し、「普段どんな仕事をしているのか」「なぜエンタメ業界の仕事を選んだのか」といったテーマをもとに、将来を考えるきっかけとなるようなメッセージを届けたり、各社合同でのトークセッションが行われ、エイベックスからはDJ KOO(TRF)が登壇し、「やりたい!を叶えるために大切にしていること」をテーマに、体育館に集まった全校生徒を前に特別授業が行われた。

『ENT NEXT class~好きを未来に~』

 まず各社1名ずつ登壇し、普段行っている仕事を紹介。アミューズで新人発掘オーディションや俳優のマネジメントに携わる依田剛大氏は、アミューズの紹介に続き、マネージャーの仕事について、「マネージャーの仕事の本質は人のプロデューサーです。その人がどう輝くか、輝かせるかを考えて考えて、それを支えていって、人をプロデュースして表に出すという仕事になります」と説明。アミューズでは、「感動だけが、人の心を撃ち抜ける」というスローガンを掲げており、表に出ている役者やアーティストだけでなく、マネージャーも同じ思いを持って活動していることを語り、「少しでもエンタメ業界に興味を持ってもらえたらいいなと思います」と思いを伝えた。

 ソニー・ミュージックエンタテイメントで音楽配信を軸にアーティストの海外進出に携わっている増田雅子氏は、同社がさまざまなエンターテイメント事業を展開していることを解説。「皆さんも今得意なこととか、興味があることがさまざまあると思うんですけど」と前置きしたうえで、「ソニーミュージック一社だけでも、特技だったり、経験が活かせるお仕事がたくさんある」と話し、「絶対に皆さんが『面白いな』と思うお仕事がエンタメ業界にあると強く思っておりますので、今日をきっかけに興味を持って、ぜひ調べてみてもらえたら嬉しいです」とメッセージ。

 ポニーキャニオンでアニメ制作や声優プロデュースに携わる鎗水善史氏は、自身が上京してからアニメ音楽の仕事に携わるまでの経緯や、原作がある作品と、オリジナル作品のアニメ制作の流れの違いを説明。プロデューサーという職業については「時間とお金とクオリティの管理。アニメって本当にたくさんの方が力を合わせて作っているので、みんなの協力を得て、何とかするというのがプロデューサーの仕事です」と紹介した。

 3名によるトークセッションでは、「なぜエンタテイメント業界を選んだの?」「“仕事”ってどうしてやるの?」といったテーマについて体験談が語られたのち、生徒たちからの質問コーナーへ。「エンタメ業界の仕事でこだわっていることはありますか?」「失敗していちばん怖かったことはありますか?」、また「今まで会った芸能人のなかでいちばん面白かった人は?」など中学生らしい質問なども飛び交った。

『ENT NEXT class~好きを未来に~』

 後半はエイベックスの会社紹介のあと、同社の第1号アーティストであるTRFのDJ KOOが体育館の後方入口から登場。学生たちから歓喜の悲鳴が響くなか、DJ KOOは「YO YO YO YO!」と音楽に合わせて声を出して学生たちを煽り、手拍子をする学生たちのなかを通っての登壇。体育館は大盛り上がりに。挨拶を経て、DJ KOOは「みなさんリラックスしていいですよ。みなさん! リラックスして! いきますかー!」と煽ると、学生たちが「イエーイ!」と返すなど、即座に学生の心を掴んだDJ KOO。DJになったきっかけや最も影響を受けたという小室哲哉との出会いについて語った。

 また高校時代は厳しい体育会系のラグビー部で、先輩の言うことは何でもやったと語り、不条理なこともあったが、当時の「どうなるかわからないけどやってみる」というマインドが、現在の自分のエンタテイメントのスタンスにも繋がっていると話した。さらに「エンタメには点数がない」と持論を展開し、「あるのは“最高”だけですから。“最高”の更新をどんどんしていくのがエンタメだと思います」とその大変さも訴えた。

『ENT NEXT class~好きを未来に~』

 生徒からの質問コーナーに入り、“人との繋がり”の広げ方について質問が投げかけられると、DJ KOOは「やっぱり挨拶ですね」と答え、現場にいる全員に挨拶をすることの大切さを熱弁。エンタメはワンチームで作るものだということを強調しつつ、「とにかくみんなに笑顔で挨拶をしていく。それが今後に繋がっていくと思います」と答えた。最近はバラエティ番組などで多くのタレントと仲良くなるために「一緒に写真を撮ってくれますか」と声がけをして繋がりを作っているという。

 最後に出演者が全員登壇し挨拶。DJ KOOは「ENT NEXT classは皆さんの好きと未来を全力で応援します!」とメッセージを送り、最後はDJ KOOの掛け声で、「和田中、サイコー!」と全生徒で声を上げた。

 今回の企画は、さまざまな裏方の仕事があってエンタテイメントが成り立っていることや、業界で働くのにも多くの選択肢があることを知ることができる機会となっただけでなく、これからの人生を楽しく生きていくヒントを学ぶことができ、生徒たちの心に何かを残した貴重な授業だったように感じた。「ENT NEXT ACTION」が全国に広がっていくことに期待したい。

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