timelesz、演出ゼロで覚醒したバラエティのポテンシャル 『タイムレスマン』総合演出が語るメンバーの成長

『タイムレスマン』総合演出インタビュー

「木梨憲武さんの現場以来かも(笑)」――timeleszが生み出す自然体の面白さ

当麻晋三

――佐藤勝利さん、菊池風磨さん、松島聡さんの3人についてはいかがですか?

当麻:勝利さんは、お笑いが好きなんですよね。普段はお兄ちゃんのようにメンバーを見守っていたり、茶々を入れたりしているんですけど、企画によって自分がいきなりスポットライトを浴びた時の反射神経がすごいです。キャリアもあるので、しょんぼりしたり、ブチギレ返したり、いろんな方法でその場の正解を出す勝利さんはすごいと思いますね。松島さんは、周杜さん寄りの天才肌かなと思っています。爆発力がすごいというか。初回のMCをクジで決めた時の松島さんがすごく面白くて、あれですべて始まった感じがしていて、何事も松島さんから始まると勢いが付くイメージがあります。英語でロケをする企画(アーユーハングリーマン)の時も松島さんが引っ張ってくれたり、『タイムレスマン』に欠かせないキーマンなのかな、と。ちなみに、ゴールデンが放送される日の『相葉◎×部』(フジテレビほか)に“前哨戦”として松島さんに出てもらって、頑張ってくれています。

 風磨さんは、もう覚悟が別格ですよね。初めて会った時も、「何でも教えてください!」と言われて、スターなのにすごいなと思いましたけど、今も常にそのまんまのスタンスなんです。ボケたり、ツッコんだり、回したり、ひとりで何でもやって場を盛り上げる、とてつもないプロ意識を感じます。初めてのロケで腹筋運動を8人で合計450回達成できるかという企画を撮った時、途中で「達成は難しいかな」という空気になって……「減らそうか」という提案もしたのですが、風磨さんが「減らさない」と言ってくれて。時間はかかったんですけど残りの141回を彼ひとりでやり切って、度肝を抜かれました。ほかの7人もそうだし、僕ももちろん、現場のスタッフも、もっとギアを入れなきゃ風磨さんに置いていかれるという感覚になった。その感覚は今も番組には漂っています。『タイムレスマン』は、スタッフもまだ少人数なんですけど、ここまでみんな頑張っているのは全部風磨さんに魂を見せられたからかなと思います。僕も学ばせてもらっていますね。

timelesz(『タイムレスマン』より/Ⓒフジテレビ)

――演出する立場から見て、timeleszのグループとしての魅力はどういったところにあると感じていますか?

当麻:男子校の休み時間みたいな8人なんですよ。収録中も、休憩時間も、取材を受けてる時もずっとあの感じ。最初に会った瞬間から僕も大好きになっちゃって。かっこいいんですけど、かっこつけてないんですよね。

――作るよりも素を出してあげたほうがいいんですかね。

当麻:今のところはそれがいちばんいいんじゃないかなと思ってやっています。いろんな彼らの面が出るのが番組としては面白いと思ってるので、いろいろと試してはいるんですけど、とりあえず芝居の企画(名作ドラマ長ゼリフマン)はもう二度とやりたくないと風磨さんには言われました(笑)。またやる時は必ず説得したいと思いますが、8人がはしゃいでいるのが楽しいんでしょうね。初めてやる企画の時は大盛り上がりするんです。そこから2回目、3回目以降になると「あれね!」という大人の顔になってやってるんですよ。新しい遊ぶ場所を提供してみんなで「なんだ! これ、なんだ!」と新鮮にやっていくのが、彼らのよさが輝くのかなとは思っています。

 何かをやるたびに企画替わりでスターが出るんです。毎回将生さんで笑ってるわけじゃないんですよね。「今日は寺西さんがめちゃくちゃ言われてたな」とか「勝利さんがしょんぼりしてたのも面白かったな」とか。日替わりでスターが出てくる番組というのは、なかなかないんじゃないかなと思います。勝手にスターが生まれていく空気感が好きですね。高校生の休み時間って、そんなだった気がするんです。“立道”も当初はFODのプレミアム限定コンテンツとして、ファンの人が喜んでくれればいいかなと思い、演出ゼロの状態で彼らがキャッキャ楽しむだけの場を用意したら、それがとんでもなく跳ねて、地上波でオンエアされることになったんです。勝手にはしゃいでたら、めちゃくちゃ面白いという。これはすごいことなのかな、と。ほかの番組のディレクターからしたら「楽をしている」と思われるかもしれないんですけど、そんなつもりはなくて。こっちが何もしてないのにどんどん面白くなるのは、木梨憲武さんの現場以来かもしれません(笑)。

――今回、ゴールデン帯での放送となるわけですが、『タイムレスマン』が番組として目指すところはどこですか?

当麻:今回の放送がもし好評であれば、また『タイムレスマン』をゴールデンでチャレンジしたいですし、テレビである以上いろんな方に観ていただきたいと思って作っています。みんなの意識はそこにあるので、そのために頑張ろうと始めていますし、今回のゴールデンが決まった時も大喜びしていました。個人的には今自由にキャッキャやってる深夜が好きだったりするのですが(笑)、この成長の時間も楽しみながら。一人ひとりのバラエティ能力も初期とは比べ物にならないくらい面白くなってきてると思うので、こういうことが続けば彼らが普通にいろんなタレントさんと肩を並べたり、本当にゴールデンも夢じゃないのかなと。彼らのポテンシャルはすごいので、あとは我々が頑張って企画を考えて、ゴールデンを目指したいなと思っています。

■番組情報
土曜プレミアム『タイムレスマン』
フジテレビほか
9月27日(土)21:00~23:10

『タイムレスマン』番組オフィシャルサイト:https://www.fujitv.co.jp/timeleszman/

timelesz オフィシャルサイト:https://ovtp.jp/
X(旧Twitter):https://x.com/OVTT_official
Instagram:https://www.instagram.com/timelesz_official
YouTube:https://www.youtube.com/@timelesz_official
TikTok:https://www.tiktok.com/@timelesz_overthetop

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