timeleszの“本気”が導く面白さ 『タイムレスマン』蜜谷浩弥Pが考える、アイドルの冠番組の形と愛される番組の条件とは?

『タイムレスマン』蜜谷浩弥プロデューサー インタビュー 後編
timeleszの地上波初の冠番組『タイムレスマン』(フジテレビほか)の企画・プロデュースを担当する蜜谷浩弥氏へのインタビュー後編。多くのファンから今後はゴールデン進出も期待されている同番組が、どのようにtimeleszの魅力を引き出していくのか――。『タイムレスマン』の構想や演出のこだわり、8人それぞれの成長に加え、6月22日に放送されるHey! Say! JUMPとの共演回の舞台裏まで話を聞いた。蜜谷氏が考える“アイドルの冠番組”、“愛される番組”の条件とは、一体何なのだろうか。(編集部)
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「彼らが失敗しても面白いのは“本気”だから」
――蜜谷さんはこれまで様々なバラエティ番組を手掛けてこられたと思いますが、中でも芸人さんが多く出演する、しっかりとしたお笑い番組が多い印象があります。その中で今回『タイムレスマン』を手掛けることになりましたが、“アイドルの冠番組”を作る上で大切にしていることはなんでしょうか?
蜜谷浩弥(以下、蜜谷):一番は「彼らが愛される存在になること」だと思います。今ももちろん愛される存在ではありますが、まだ世間には伝わり切っていない彼らの魅力があると思っていて。ファンには伝わっていても、一般の人たちには届いていない部分がある。それを広く知ってもらえるような、彼らが愛されるような企画が大切だと思っています。
たとえば、『SMAP×SMAP』(1996年~2016年、フジテレビ系/以下、『スマスマ』)の料理コーナー「BISTRO SMAP」。あのコーナーのおかげで、SMAPの皆さんってすごく料理が上手いイメージがあると思うんですよ。でも、最初は「ジャガイモってどうやって皮を剥くの?」くらいのところからスタートしたらしくて。だから『タイムレスマン』でも、料理企画をやろうとなった時に、「BISTRO SMAP」みたいに「全員が上手に料理しなきゃいけない」と考えるのは間違ってるな、と。「できないところから、できるようになる姿を見せること」が、愛される存在になるための道筋でもあると思っています。つまり、彼らの“そのままのよさ”をどう引き出すか、それが何より大切で。今いろんな企画をやってますけど、別に何をやったっていい。その中で彼らがどう活きるか、どう輝けるかが重要だなと。
――しかも、それを積み重ねていくことで、メンバーの変化や成長も見守れますしね。
蜜谷:初回から観ていると、最初の「立道」(たてどう/ペットボトルを投げて回して立たせるという新競技/6月1日放送)ぐらいから橋本(将生)くんがすごく成長しているのがわかると思うんですよ。一度「反省会」(5月18日・25日放送)を挟んだことでめちゃくちゃ反省して、しっかりと殻を破ってる。今は2週間に一度ぐらいのペースで収録しているんですけど、その中で毎回どんどん変化しているんです。その変化をカメラでしっかりととらえてあげられたらいいなと思っています。

――その成長こそ、ファンにとっても大きな楽しみですよね。放送開始から約2カ月ほど経ちましたが、見逃し配信も好調ですね。
蜜谷:嬉しいですね。この番組ではまず、“timeleszの魅力を引き出すための企画”をやろうと決めたのですが、その方向性が間違ってなくてよかったなと。『タイプロ』(『timelesz project -AUDITION-』/Netflix)を観ていた人も引き続き楽しんでもらえるように、「オーディションを経て彼らがどう成長していくか」ということにフォーカスして作っているので、その点が(見逃し配信の再生数が多い)要因のひとつかなと思っています。
――放送を観ながらSNSに感想を投稿している視聴者も多いと思いますが、視聴者の方からの印象的な声はありましたか?
蜜谷:たくさんの方がポストしてくださっていますが、やはりまだ全国放送ではないので、「早くリアルタイムで観たい」と思ってくださっている声も多く見られますね。『ドッキリGP』(『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』/フジテレビ系)からずっと観てくれてるんだなとわかる感想を見つけると、個人的にも嬉しかったりしますね。
――シソンヌ・長谷川忍さんが出演された「反省会」の回(5月18日・25日放送)も、見逃し配信がかなり再生されていたとか。
蜜谷:そうなんです。初回(4月20日放送)の見逃し配信が約120万回再生だったんですけど、「反省会」の前編はそれを抜いて159万回再生を記録しました。普通は初回が一番注目されるじゃないですか。でもその記録を更新できたのは嬉しかったですね。「反省会」を観てもらうとわかりますが、彼らが失敗しても面白いのは、“本気”だからなんですよね。なんとなくやっていて失敗したら面白くならないけど、彼らが本気でやっていて、本気で番組をよくしたいと思っているからこそ、結果的に面白くなる。8人全員が本気で取り組んでいるからこそなんですよね。