BLACKPINK、TWICE、Vaundy、HANA、SEKAI NO OWARI、Kroi……注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はBLACKPINK「JUMP」、TWICE「THIS IS FOR」、Vaundy「再開」、HANA「Blue Jeans」、SEKAI NO OWARI「図鑑」、Kroi「Method」の6作品をピックアップした。(編集部)
BLACKPINK「JUMP」
BLACKPINKがついにシーンに戻ってきた。その最初のアクションが、約2年10カ月ぶりとなる新曲「JUMP」だ。最初に聴こえてくるのは、古き良き西部劇のシーンを想起させるようなギターと超ドープなベース音、そして自由に飛び跳ねるビート。冒頭の数秒で一気に心を掴まれ、メンバー全員の意思と個性が強く反映されたリリックが次々と耳に飛び込んでくる。〈I'm not that easy to tame〉(私は簡単に飼いならされたりしない)という最初の一行から始まり、私についてきて、この場所を盛り上げて解放する、あなたを熱狂させる、システムを打ち破る――と、どこまでもアグレッシブなワードを力強く響かせているのだ。ハイパーポップをさらに進化させたトラックメイク、現在の4人のテンションが真っ直ぐに伝わるボーカルが一つになった理想的なカムバックソングだ。(森)
TWICE「THIS IS FOR」
ニューアルバム『THIS IS FOR DELUXE』の幕開けとなるタイトル曲。ユニゾンの掛け声で始まるオープニングはチアリーディング風だが、元気いっぱいに踊るカワイイTWICEは、途中からとろけるサウンドの中で微笑む大人カッコいいTWICEに変化する。始動からもう10年が経つので曲調や歌う内容が変わるのは当然。そのシフトチェンジが上手く進んでいることをさらりと伝える一曲である。また、歌詞に何度も〈All my ladies now〉が出てくるように、〈You〉はひとりの恋人ではなく、今を生きている女性たち全員を指しているように感じる。見る世界がより広くなり、テーマも自然とシスターフッド的なものにシフトしている。それが今のTWICEだ。(石井)
Vaundy「再開」
TVアニメ『光が死んだ夏』(日本テレビ系)オープニングテーマとして制作された新曲。煌びやかで鋭利なシンセのリフレイン、生々しいドラムのグルーヴ、骨太のベースラインを軸にしたトラックのなかで〈one more time/もう少しで起こすよmagic〉というフレーズが聴こえてきた瞬間、体感的なスピードがグッと増していく。サビのフレーズで一気に広がっていくメロディライン、抑制と解放を絶妙なバランスで対比させたアレンジを含め、Vaundyのサウンドデザインの素晴らしさを改めて実感できる楽曲と言えるだろう。もうここにはいない〈君〉への思い、「もしもまた会えたなら」という想像を行き来する歌詞は、アニメの世界観にしっかりとリンクしつつ、大事な人を失ったことがあるすべてのリスナーの心を強く揺さぶることになるだろう。(森)






















