藤井 風、Mrs. GREEN APPLE、緑黄色社会、Ado……それぞれの“角度”から届ける珠玉の夏ソング

 季節はすっかり夏。うだるような暑さに悩まされる一方で、夏ならではの特別な空気感に心を躍らせている人も少なくないだろう。そんな“夏”を舞台にした楽曲はこれまでに数多く誕生してきたが、その描き方は千差万別だ。本稿では、異なる角度から夏を描いた楽曲を4曲紹介したい。

 Mrs. GREEN APPLEは今年、目黒蓮(Snow Man)や中条あやみが出演する『キリン 午後の紅茶』の新CMソングとして「夏の影」を書き下ろした。Mrs. GREEN APPLEの夏ソングといえば爽快なロックチューン「青と夏」も思い浮かぶが、「夏の影」は打って変わって素朴なバラードである。ゆったりとしたメロディが暑くて気怠い夏の午後を想起させる一方で、大森元貴(Vo/Gt)の繊細なボーカル、ストリングスを交えたバンドサウンドはどこか切なさも滲んでいる。長く続いていくようでいて、必ず終わりがやってくる“夏”。楽しい夏が少しずつ過ぎ去っていく儚さも感じさせるような、センチメンタルな楽曲だ。

キリン 午後の紅茶 「夏の影」篇 120秒

 穏やかな「夏の影」とは対照的に、まぶしい夏の日差しを閉じ込めたような楽曲が緑黄色社会の「サマータイムシンデレラ」だ。真夏の海を舞台にしたドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系/2023年)の主題歌として書き下ろされたポップチューンで、歌われているのは“恋の始まり”。胸のときめきを表すようなピアノの音色で幕を開け、ホーンを交えたにぎやかなサウンドが終始高揚感を誘う。夏は海水浴や夏祭りなど、普段とは異なるシチュエーションを楽しむことも多い。〈始まりは不意を着いた/それでもふたりは恋を取って駆け出した〉と、そんな非日常感の強い夏だからこそ生まれる衝動やピュアな恋心が、この曲には詰まっている。

緑黄色社会『サマータイムシンデレラ』Official Video / Ryokuoushoku Shakai – Summer Time Cinderella

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