ala、1stミニアルバム『Point of view』から20年 Riddim SaunterやFed MUSICらと築いたムーブメントとは何だったのか
2000年代に、ツインボーカルにアルト&テナーサックス、ギター、ベース、ドラムの7人編成でステージを埋め尽くしながら、スタイリッシュかつ親しみやすいパーティーチューンを連打し、フロア中のキッズたちをダイブ&ダンスに誘ったロックバンド・ala。その初の全国流通盤だった1stミニアルバム『Point of view』(2005年)のリリースから20周年という節目を記念し、同作と2ndミニアルバム『ORGANIZM』(2006年)、1stフルアルバム『Jam of the year』(2006年)という、これまで未配信だった3タイトル28曲が、7月6日にすべてデジタル配信されることが決定した。



このニュースを聞いたとき「あのalaが!?」と驚きと喜びが同時に去来したのち、「もう20年も経ったのか……」と感慨にふけってしまった。なぜならalaは、「今」を映し出しながら、常に「その先」を目指していたから。つまり、とても新しく瑞々しい存在だったのだ。そのうえ活動期間は長くなく、結成は2003年、解散は2011年。その間には新井祐樹(Vo)と佐藤誠士(Vo)の脱退からの活動休止、そして再加入からの活動再開という状況もあったので、トータルではもっと短い。よって彼らの存在は、音楽性も相まって「ひとときを駆け抜けた光のようなバンド」というキラキラした印象のままで真空パックされており、20年という数字を見て、初めてこんなに年月が経過したことに気づかされたのだ。今でも『Point of view』の表題曲であり1曲目のサビを、〈Point of view~〉と手を振りながら踊っているライブハウスのフロアの様子が、昨日のことのように思い出される。この楽曲を含め、キャッチーな中毒性のあるキラーチューンを数多く生み出していた彼ら。これからは不意に頭のなかで流れてきた楽曲を、手軽に配信で探せるようになる。あの時代を共に過ごしていた大人キッズたちが、再び踊り出すきっかけとなるに違いない。
そして、そんな大人キッズたちだけではなく、当時を知らない10代~20代にも注目してほしい、まさに“Point of view”=視点がalaにはある。たとえば「Point of view」、ほぼイントロがないのだ。タッタッタッタッタッタタタタタという2秒ほどのドラムのみで、あっという間に歌がはじまる。さらに、40秒もいかないあいだにサビに突入。めちゃくちゃコンパクトなのである。よく「サブスク時代になって楽曲のイントロが短くなった」と言われるが、alaは2005年にそれをやってのけていた。彼らが目指していた「その先」が時代と合致していたことが、20年後に証明されるとは! まあ、彼らはライブバンドでありパンクな血も流れていたので、その性急さはフロアを速攻で盛り上げるためだったのかもしれないけれど。それにしても、今の時代にも決して違和感のない楽曲の構成であることは確かだ。ちなみに「イントロが短い」「サビが印象的」だけでは、ただのポップスに落ち着いてしまうが、この楽曲はサックス&ギターソロに向かう展開や一筋縄ではいかない歌のラインなど、コンパクトななかに華麗なアレンジが凝縮されていることも特筆しておきたい。






















