きゃりーぱみゅぱみゅ×FRUITS ZIPPER 鎮西寿々歌&仲川瑠夏&真中まな 対談 “かわいい”の追求、SNSとの付き合い方を語る

 アソビシステムが主催するミュージック&カルチャーフェス『ASOBISYSTEM 18th Anniversary ASOBIEXPO 2025』が、2025年7月20日に幕張メッセ 国際展示場 展示ホール 9~11にて開催される。

 2010年代のカルチャーを牽引し、今なお国内外で高い支持を集めるきゃりーぱみゅぱみゅと、「原宿から世界へ」を合言葉に、SNSを武器に急成長を遂げるFRUITS ZIPPER。時代も活動の背景も異なる2組によるスペシャル対談が実現した。

 対談では、“かわいい”の概念、SNSによる自己表現、そして時に避けられない“炎上”との向き合い方まで語ってもらった。世代を超えて交差する言葉の端々からは、それぞれがどのように時代と向き合い、自分自身やグループをどう守ってきたのか。その姿勢と覚悟は、SNS時代を生きるすべての表現者にとってのヒントとなるはずだ。(川崎龍也)

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「夢のレールを引いてくれる存在」ーー“憧れ”としてのきゃりーぱみゅぱみゅ

きゃりーぱみゅぱみゅ

ーー正直、きゃりーさんにとっても今のFRUITS ZIPPERの勢いは想像以上なんじゃないかと思います。同じアソビシステムの先輩として、その状況はどう映っていますか?

きゃりーぱみゅぱみゅ(以下、きゃりー):最近はもうテレビで見ない日はないんじゃないかっていうくらい、すごく活躍されていますよね。この間も、エレベーター前で女子高生がFRUITS ZIPPERの話をしていたのを偶然聞いて、「ああ、もう本当にそういう存在になってきてるんだな」って実感しました。元々は原宿カルチャーやアイドル界の中でも人気のあるグループだったと思うんですけど、今はもう国民的な存在になりつつあるな、と。同じ事務所の人間として、すごくうれしい気持ちで見ています。

ーー2022年にFRUITS ZIPPERがデビューしてから、きゃりーさんは事務所の先輩として接してきたと思いますが、直接一緒になる機会も多かったのでしょうか?

きゃりー:私自身はあまり先輩って感覚はないんですけど(笑)。でもフェスで一緒になることもありますし、台湾のイベントでも共演したことがあります。そのときは同じ飛行機に乗って、朝ごはんの時間に、るなぴがひとりでご飯を食べてたので「一緒に食べようよ」って声をかけて、二人で朝食を食べたりしましたね。

仲川瑠夏(以下、仲川):一緒に食べてもらいました(笑)。メンバーみんな朝が弱いので、なかなか起きてこないんですよ。みんな朝ごはんへのモチベーションがちょっと低めなんですけど、私はその日けっこう元気だったので、きゃりーさんに声をかけていただいて、ご一緒させてもらいました。

真中まな(以下、真中):でも、同じ現場でご一緒することは、これまであまりなかったですよね。

きゃりー:なかったね。

鎮西寿々歌(以下、鎮西):以前、一度だけきゃりーさんのラジオに出演させていただいたことがあって、それくらいだったと思います。

ーーでは逆に、FRUITS ZIPPERのみなさんから見たきゃりーさんはどんな存在ですか?

真中:正直、今もこうしてお話ししている状況が信じられないんです。今日も番組の収録をご一緒させていただいたんですけど、やっぱり私たちが小さい頃からずっと聴いている楽曲を歌ってこられた方が、こうして隣にいてくださること自体が本当に不思議で……。それに、ただの憧れの存在というだけでなく、同じ事務所の大先輩として、こうして近くで接してくださることが何よりありがたいですし、すごく優しくて、温かい先輩で。こんな環境を作っていただいていることに、本当に感謝しています。

仲川:私はもうずっと、小学校の頃からテレビで拝見していましたし、自分の中では超・大スターです! 特に高校生の時は本当にきゃりーさんにどハマりしていて、ファッションを真似してた時期もあったくらい。文化祭とかってわりと自由にできるじゃないですか? そのときに「きゃりーさん風にしてみよう!」って、本気で再現していたんですよ(笑)。だからまさか、今こうして実際にお話できたり、ご飯に連れて行っていただいたりするなんて……本当に夢みたいです。

FRUITS ZIPPER 鎮西寿々歌&仲川瑠夏&真中まな

ーーラジオ出演のときはかなり緊張したとか?

仲川:はい、めちゃくちゃ緊張してました(笑)。ガチガチでほとんど喋れなかったくらいです。でも、その後もご飯に連れて行ってくださったり、気さくに話しかけてくださったりして、本当にフレンドリーに接していただいて……。私たちにとってきゃりーさんは、ずっと夢を見せてくれる存在なんです。海外はもちろん、バーチャルの世界にも出ていたり、新しいことに挑戦し続けていたり、そういう姿が本当に励みになります。アソビシステムの一員として頑張ろうと思えるモチベーションを、きゃりーさんが示してくれているというか。想像もしなかったような夢のレールを引いてくれる存在です。

きゃりー:そんなふうに思ってもらえて、すごくうれしいですね。

ーー普段あまり緊張している様子を見せない仲川さんがそこまで緊張されるというのは、相当なことなんだろうなと。

仲川:そうなんです(笑)。ほんとにドキドキしてました。

鎮西:私も本当に、るなぴと同じで、学生時代からきゃりーさんの大ファンでした。私、当時『天才てれびくん』(NHK Eテレ)に出演していたのですが、その頃に書いていたブログにも、きゃりーさんのことを紹介していました。その後に『天てれ』の番組で一度だけ共演させていただいたことがあったんですけど、当時は完全にファンの気持ちでご一緒していて、まさか自分が将来、事務所の後輩として活動することになるなんて、本当に想像もしていませんでしたし、きゃりーさんがずっと発信してきた「かわいい」という世界観に私たちも少しでも関われていることが、本当にうれしいです。

FRUITS ZIPPERへ“親目線”でのアドバイス

きゃりーぱみゅぱみゅ×FRUITS ZIPPER

ーーお互いに刺激を受け合う瞬間や、意識することはありますか?

きゃりー:私はすごくありますよ。妊娠中でライブを控えていた時期にSNSでFRUITS ZIPPERのみなさんの活動を見ていて、ライブや出演の多さに驚かされました。「今、伝説を残しまくってるな」って。だからこそ、無理しすぎていないか心配になることもあるんですけど。

仲川:でも私たちが今こうして忙しくさせてもらっているのも、きゃりーさんが頑張ってきた時代があるからだよと、よく社長から聞くんです。

きゃりー:自分の活動がみんなの力になれてたら嬉しいな。でもFRUITS ZIPPERのみんなと一緒に現場にいて思ったのは、みなさん本当にスタッフさんへの対応が丁寧で、感謝の気持ちを忘れていないこと。私は忙しすぎた若い頃、そういう部分が抜け落ちてたなって今なら思うんです。だからみんながそれを自然にできてるのがすごいなって。

仲川:いえいえ、まだまだ足りないです。でも、きゃりーさんみたいになりたいという思いがあるから、今求められていることにはちゃんと応えたい。今は頑張る時期だと思っています。

きゃりー:人って気づかないうちにキャパオーバーしてしまうことがよくあるし、経験上でも心が疲れるのが一番よくないことだと思うので、休める時にはちゃんと休んでね。なんだか親目線みたいだけど(笑)。

仲川瑠夏

ーー(笑)。ここ10年、SNSを取り巻く音楽の広がり方は大きく変わりましたよね。きゃりーさんはいわゆるブログからTikTokまで横断してきた立場ですが、その変化をどう感じていますか?

きゃりー:たしかに、ここ10年でSNSの形は大きく変わりましたよね。特にTikTokの登場はすごく大きかったと思います。今って、見たいものがどんどん表示されて、ひとつの動画を長く見れば似たような動画が次々出てくる。昔は自分から検索してたどり着く必要があったけど、今はスマホを通じて自然と出会える時代になっているんですよね。自分の「好き」を、より深く、自由に追求できるようになったなと感じます。

ーー実際に、その最前線で活動されているFRUITS ZIPPERのみなさんから見ると、SNSやTikTokはどういう存在なんでしょうか。

きゃりー:私の時代とは違って、今はファンのみなさんが自発的に楽曲を使って広めてくれることが多いよね。

真中:そうなんです。私自身、アイドルを始めるまでSNSをやったことがなかったので、最初はバズるってどういう仕組みなんだろうって、まったくわかっていなかったんです。でも、実際にFRUITS ZIPPERとして活動して、自分の中で「ここが一番かわいい!」っていう部分がバズった時に、「これがSNSの力か」って驚きました。今は、SNSから音楽を知って、そこから深掘りしていく時代なんだなって。TikTokやSNSを通して音楽に出会って、聴く、広める、また新たに出会うっていう、すごく自由な循環があるなと感じています。

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