櫻坂46、新センター的野美青が分けるグループの命運 『Make or Break』フォーメーションを分析

 櫻坂46が2ndアルバム『Addiction』のリリースから間を置かず、12thシングル『Make or Break』を発表した。6月25日という発売日は、グループが7月に控える『BACKS LIVE!!』や夏の大型音楽番組シーズンといったイベントと重なり、露出のタイミングを計算し尽くしたリリースであるのだろう。

櫻坂46『Addiction』MUSIC VIDEO

 『Addiction』で示されたのは、一期生卒業後のグループの再定義だった。そこからほとんど間を空けずに届けられる『Make or Break』は、その歩みを一過性で終わらせず、進化を日常にするための意思表明とも言えるだろう。今作は、的野美青をセンターに据えた新フォーメーションとともに、グループにとっての勝負曲ともなりうる布陣が揃っている。

櫻坂46『Nightmare症候群』MUSIC VIDEO

 『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)で発表されたフォーメーションでセンターに抜擢されたのは、三期生の的野。高い身長と低音ボイスを武器に、加入当初から異彩を放っていた的野だが、これまで表題曲センターに立ったことはなかった。今回の抜擢は、『自業自得』で三期生として初めてセンターになった山下瞳月の系譜を継ぎ、三期生がグループの核として躍進する流れをさらに加速させる選択にも思える。

 注目すべきは、彼女の内面と表現に宿る、ある意味での“未完成さ”だ。フォーメーション発表後のインタビューでは、「まだ自分の強みがわからない」と語りながら、「少しでも頼れる存在に、このシングルでなりたい」と真摯な言葉を語っていた。それは裏を返せば、未完成であることを恐れず、自ら変化の象徴となる覚悟の表れでもあるのではないだろうか。

 『Make or Break』というタイトルは、「岐路」「命運を分ける瞬間」という意味合いを持つ。的野のように“これからを作る人”がセンターに立つという構図は、まさにそのタイトルとリンクしている。グループが変化を恐れず、新しいアイコンを打ち出そうとする意志が、今回の的野のセンター起用には反映されているようだ。

 的野をセンターに据えた1列目には、田村保乃と山﨑天という櫻坂46の双翼が名を連ねる。2列目には森田ひかる、藤吉夏鈴、守屋麗奈、山下といったセンター経験者が揃い、BACKSでのセンターを務めたこともある村井優も含め、実力と個性を兼ね備えたメンバーがフロントラインを支える。3列目にはキャプテンの松田里奈をはじめ、向井純葉、村山美羽、中嶋優月、谷口愛季、大園玲が並び、グループの基盤を担っている。特に三期生メンバーが全列に満遍なく配置されていることは、グループのフォーメーションの軸のバトンが本格的に三期生に渡ったことを示しているようでもある。

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