Like-an-Angel、トリビュートの域を出て“唯一無二”な存在へ 初のオリジナル曲も披露した『Angel beside yoU』

Like-an-Angel『Angel beside yoU』レポ

 tetsuya(Ba)率いるL'Arc-en-Cielのトリビュートバンド Like-an-Angelが、『Like-an-Angel LIVE 2025 Angel beside yoU』を4月26日に東京 EX THEATER ROPPONGIにて開催した。

 2023年5月に代官山UNITで行われたライヴから活動をスタートさせた彼らは、同年10月に日比谷野音(日比谷公園大音楽堂)で2ndライヴを開催。2024年には初のツアー『CLUB CIRCUIT 2024 L'Arclassic』で全国を巡るなど、着実にステップアップしながら、トリビュートバンドの枠に収まらないLike-an-Angelというバンドが持つポテンシャルの高さを見せつけてきた。

 そんな流れを汲んで開催された本公演では、ついに彼らの初めてのオリジナル楽曲「Angel beside yoU」を解禁。jekyll(Vo)が作詞作曲を手掛けたという今作で、Like-an-Angelは完全な唯一無二の存在へと歩み始めたことになる。その記念すべき公演の模様をレポートする。

tetsuya

 5人を待ちわびる観客でフロアは満員。ステージ袖から気合い入れをするメンバーの声も聞こえ、極限まで期待が高まったところで、ライヴはスタートした。

 ソルジャーに扮した彼らが荒廃した世界を救いにやってくるという高揚感あふれるオープニング映像に沸くフロア。その歓声をかき消すように切ないピアノの音色が響き渡り、1曲目の「Fare Well」が始まった。天まで突き抜けていくようなreno(Gt)とsaki(Gt)のギター、息づかいやアクセントのつけ方など細部までhydeに似たjekyllの歌声に、観客は一瞬で心を奪われていく。紗幕越しに5人のシルエットが浮かび上がる演出もあいまって、現実世界から切り離されたような幻想的な空間へと誘われていった。

jekyll

 間髪入れずに投下された「SEVENTH HEAVEN」で紗幕が上がり、メンバーの顔が見えるとフロアは早くも熱狂。tetsuyaのダンサブルなベースラインとダイナミックなコーラスが疾走感を加速させ、観客はhibiki(Dr)の刻む軽やかなリズムに乗って飛び跳ねる。ステージ上ではtetsuyaがsakiと一緒にターンを決めたり、renoと向かい合わせでプレイしたりと、自由に楽しむメンバーの姿が輝いていた。

 さらに、「夏の憂鬱 [time to say good-bye]」「さようなら」と1990年代にリリースされたL'Arc-en-Cielの名曲たちを惜しげもなく披露。曲が始まるたびにフロアからは歓声や感嘆の声が沸き起こり、多くの観客が食い入るようにステージを見つめながら、貴重な演奏に夢中で耳を傾ける。その期待を軽々と上回るよう、5人は美しくも儚く切ない楽曲の世界観を存分に表現し、極上のパフォーマンスを届けた。

hibiki

 MCパートでは、満員のフロアを見ながら「いい感じだね!みんなと一緒に作り上げていく空間っていいよね。いつも以上の力が出る」と嬉しそうな笑みを浮かべるtetsuya。その様子を見たrenoが「tetsuyaさんがこれだけ楽しんでくれて僕らは何よりです」と返すと、tetsuyaは「いや、僕は僕抜きで、みんなが楽しんでいるのを見ているのが楽しい」と最年長らしい風格を漂わせた。その後も、リハーサル中にjekyllがドラム、hibikiがヴォーカルにパートチェンジして遊んでいたという話が飛び出すなど、メンバー間の仲も深まっていることが窺える。

 微笑ましいMCの空気をがらりと変えたのは、ハードなロックチューン「The Rain Leaves a Scar」。距離の近いライヴハウスならではのL'Arc-en-Cielの楽曲のパワーを存分に味わわせ、フロアの熱量は一気に跳ね上がる。

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