連載「lit!」第150回:Mrs. GREEN APPLE、RADWIMPS、back number……バンドの“覚悟”が刻まれた最新5曲
King Gnu「TWILIGHT!!!」
「ねっこ」以来およそ半年ぶりのシングルは、これまでに数々の名曲を生み出してきたシリーズの新作、劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』の主題歌。曲自体も、過去のリリース作品とはひと味違う浮遊感のあるエレクトロなサウンドに仕上がっており、バンドにとって転換点とも言える作品になりそうだ。タイトルの“TWILIGHT”は、日没後の薄明りや黄昏を意味する言葉。昼と夜が交わる時間であり、古くから他界と現実を繋ぐ時間の境目とも言われていることから、失った人ともう一度巡り会う夢を歌っているのでは、というのがこの楽曲の個人的な解釈である。タイアップに絡めて、『コナン』で使用される扉の開閉音を取り入れて場面の変化を表す演出もユニーク。
SUPER BEAVER「まなざし」
SUPER BEAVERの新曲は、刑務所や拘置所への差し入れを代行する家族に焦点をあてた映画『金子差入店』の主題歌として書き下ろされたもの。映画のあらすじだけを聞くと攻撃的なロックナンバーも想像してしまいそうだが、楽曲は全体を通して人間味にあふれたあたたかさが感じ取れ、「まなざし」という平仮名のタイトルからも優しさが見えるようだ。歌われているのは、〈騙し絵みたいな今日に/足りていないのは愛だよ〉〈強く優しくなりたい〉というストレートな願いだ。SUPER BEAVERの楽曲は、人と人との繋がりについて歌われていることが多い。バンドは4月1日に結成20周年を迎えたが、それはきっと何年経っても変わらないだろうと、この曲を聴きながら思う。

























