透色ドロップ 麻倉もな×有坂望由×卯野美琴 新メンバー初ソロインタビュー 三者三様の個性、思い描く理想のアイドル像

透色ドロップ、新メンバーインタビュー

有坂望由、実力主義なハロプロに憧れてアイドルに

透色ドロップ 有坂望由

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ーーまず、有坂さんがアイドルに興味を持ったきっかけから教えてもらえますか?

有坂望由(以下、有坂):大学受験の時、不安な気持ちになることが多くて、そんなときに元気をくれたのが、ハロー!プロジェクトのアイドルさんたちだったんです。特にBerryz工房さんの楽曲に元気づけられて。Berryz工房さんって、ちょっと“とんちんかん”な曲も多いんですけど、ステージでは本当に楽しそうにパフォーマンスされていて。その姿を見て、「なんで私はここにいないんだろう!」って、憧れというより、「私もここにいたい」って思うようになったんです。それでオーディションを受けて、アイドルになろうと決めました。

ーー元々アイドルの楽曲はよく聴いていたんですか?

有坂:日本のアイドルは幅広く聴いていました。カラオケでも、アイドルっぽい振りをつけて歌ったり、真似して遊んだりしていました。

ーーその中でも特にハロプロが好きだった理由は?

有坂:やっぱり、実力主義なところですね。もちろん、皆さんビジュアルも素敵なんですけど、何より歌もダンスも本当に上手な方が多くて。ファンの方も「この子、歌が上手いから推す!」っていう風に、スキルを重視する方が多い印象があって、そこに私はすごく惹かれました。そういう“中身で勝負”みたいなところが好きなんです。

透色ドロップ 有坂望由

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ーー有坂さんは、子どもの頃はどんな性格だったと言われることが多いですか?

有坂:小さい頃は「抜けてる」ってよく言われていました(笑)。両親からも「もうちょっと考えてから発言しなさい」って注意されることが多くて。別に嫌な意味じゃなくて、例えば自分でわかるようなこともすぐに人に聞いちゃうタイプなので、天然って言われることも多かったですね。

ーー麻倉さんは、有坂さんのことを真面目とおっしゃっていましたよ。

有坂:家ではリラックスしているので、抜けている部分が出やすいと思うんですけど、外ではすごく人との距離感を気にするタイプなんです。「今の発言、誰かを傷つけてないかな」とか、すごく考えてしまって。それが積み重なって、真面目になったというか、自分をさらけ出せなくなってしまった部分はあると思います。

ーー小学生の頃からそうだったんですか?

有坂:仲の良い友達には砕けた部分も見せていたと思うんですけど、基本的には「嫌われたらどうしよう」とか「これ言って大丈夫かな」とか、すごく気にする子だったと思います。

ーー習い事は何かされていましたか?

有坂:ピアノを12年、お琴とクラシックバレエを6年ずつやっていました。どれも小学校1年生から始めたので、同時並行でしたね。

透色ドロップ 有坂望由

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ーー小学生の頃、同時並行で3つの習い事というのは、かなり大変だったのでは?

有坂:今思うと大変だったのかもしれないですね(笑)。でも当時は夢中でやっていたので、辛いとは感じてなかったです。

ーー当時、どんな音楽を聴いていましたか?

有坂:K-POPから入りました。小学生の頃はTWICEさんがすごく流行っていて、よく聴いていましたね。そこからハロプロを好きになったきっかけは『きらりん☆レボリューション』で。モーニング娘。の久住小春さんが主人公の声を担当されていたんですよ。それを思い出してYouTubeで調べてから、どんどんモーニング娘。の動画を見るようになって、過去の映像からどっぷりハマっていきました。

ーーK-POPとハロプロ、どちらもスキル重視という点では共通しているかもしれませんね。

有坂:そうですね。でも、K-POPのアイドルって“雲の上の存在”って感じで、なかなか会えない印象があるんです。それに対して、日本のアイドルは距離感が近い。握手会があったりして、身近に感じられるんです。私はその点がすごく好きでした。

ーー中学校以降、部活などは入られていましたか?

有坂:中学校ではバレーボール部、高校では軽音楽部でバンドをやっていました。

ーー中学ではなぜバレーボールを?

有坂:最初は吹奏楽部と迷っていて。でも仮入部でバレーボール部に参加してみたら、すごく楽しくて。ずっと音楽をやってきたので、スポーツは初めてだったんですけど、バレーボールって手で打つのが珍しいし、トスやスパイクの感覚も面白くて、すごく惹かれました。

透色ドロップ 有坂望由

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ーー実際、部活はどんな雰囲気でしたか?

有坂:結構ハードでした。外周を走ったり、週1で筋トレの日があったり、基礎体力もメンタル面も鍛えられましたね。バレーって1点1点がすごく大事なスポーツなので、自分のミスで流れが変わっちゃうこともあるし、責任を感じることも多かったです。

ーーそういう時はやっぱり落ち込んだりも?

有坂:落ち込みました。先生からも、友達の前で「そこ違うよ」ってはっきり言われることが多かったので、恥ずかしさもありましたし。でもその分、仲間から「気にしなくていいよ」って言ってもらえた時は、すごく救われました。

ーー高校ではなぜ軽音楽部を選んだんですか?

有坂:私の高校にはスポーツ課があったんですけど、そこまでバレーを極めたいわけではなかったので、元々中学の時に迷っていた吹奏楽に近い形で音楽にもう一度取り組んでみようと思って、軽音楽部に入りました。

ーーバンド活動への憧れもあった?

有坂:そうですね。ちょうどその頃、SHISHAMOさんの「明日も」や、Mrs. GREEN APPLEさんの「青と夏」などをよく聴いていて、バンドに憧れていたところがありました。音楽はずっと好きだったので、自然な流れで入りましたね。

透色ドロップ 有坂望由

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ーー有坂さんの担当パートは?

有坂:キーボードです。ピアノをずっとやっていたので、その経験を活かしてキーボードを担当していました。

ーー部活ではどんな曲を演奏していたんですか?

有坂:さっきのSHISHAMOさんやMrs. GREEN APPLEさんの曲のほかに、男女問わずボーカルの声に合った曲を選んで演奏していました。曲のジャンルも幅広くて、ボーイズバンドの楽曲にも挑戦しましたね。

ーー3年間活動して、どんなことを学びましたか?

有坂:私は部長を務めていたんですけど、メンバーをまとめることの難しさとやりがいをすごく感じました。部のことも管理しなきゃいけないし、バンド内で意見がぶつかることもあったので、その中でどうまとめるか、どんな決断が必要か、すごく考えて。責任感も感じましたし、完璧主義な自分の性格もあって、決断にはいつも悩んでいましたね。

希望を与えられる人になりたい

透色ドロップ 有坂望由

ーーそこから透色ドロップのオーディションを受けるに至るわけですが、合格したときは、どんな気持ちでしたか?

有坂:合格の連絡をもらったのが、ちょうどディズニーランドにいたときだったんです。夢のような空間にいたので、「えっ、これ現実!?」って、正直ちょっと混乱してしまって(笑)。家に帰ってようやく「あ、本当に合格したんだ」と実感が湧いてきて。嬉しかったのはもちろんなんですけど、「アイドルになりたい」って気持ちだけではやっていけない世界だとわかっていたので、気を引き締めなきゃって思いが強く芽生えました。

ーー今回一緒に合格した同期の2人は、有坂さんから見てどんな存在ですか?

有坂:まず、美琴ちゃんは一見するとふわふわしているように見えるかもしれないんですけど、実はすごく努力家で、ダンスも歌ももっと上手くなりたいって強い気持ちを持っているんです。元気なところも彼女の魅力なので、それを前面に出していったら、どんなファン層にも愛される存在になるんじゃないかなって思います。もなちゃんも、ふわっとした雰囲気が印象的なんですけど、本人は歌に少し苦手意識を持っていても、陰で努力をすごくしている子。家でも練習してきたり、自己プロデュース力が高いなって感じますし、彼女の成長速度には本当に感心しています。

ーーその3人の中で、有坂さん自身のどんなところを見てほしいですか?

有坂:同期のふたりと一緒にいると、すごく自信をなくしちゃうこともあるんです。ふたりとも明るさや雰囲気がぱっと華やかで、「アイドルらしさ」がわかりやすいと思うんですよ。でも私って、見た目からして真面目そうに見えがちで、もしかしたら、ちょっと話しにくそうとか、ファンの方に距離を感じさせちゃうかもって思うと、それが悩みで。でも、両親から「ちょっと抜けてる」と言われることもあるように、私自身では気づいてないけど、どこか抜けた可愛らしさが出てる瞬間があるのかもしれないと思って。そういう意外な一面も、これから少しずつ見せていけたら、自分らしい魅力になるのかなって思っています。

ーー「真面目そうだけど実は……」というギャップは魅力的ですよね。

有坂:はい、そうなれたら嬉しいです。「あ、この子、真面目に見えるけど、こんな一面もあるんだ」って思ってもらえたら、それが私の個性や武器になる気がしています。

ーー今回レコーディングした新曲についても伺いたいのですが、まず「ハジマル!!」はどんな楽曲になりましたか?

有坂:「ハジマル!!」は、全体を通して“恋の始まり”のような、きゅんとする気持ちにあふれた曲だなと感じました。歌詞をひとつひとつ丁寧に読んでいくと、春、新しい出会いがあって、一目惚れして、ワクワクが止まらないーーそんな感情が込められているように思います。新学期や新生活を迎える中で出会った「君」が、今まで以上に輝いて見えて、自然と気持ちが惹かれていく。そんな恋模様が描かれているんじゃないかなと思います。

ーー歌っていても自然と気持ちが高まっていくような感じ?

有坂:はい、本当にそうです。歌っていると、自分がその主人公になったみたいな気持ちになって、自然と笑顔になれます。恋をしている時の、ふわっと浮き立つような明るさや可愛らしさがあって、歌っていてとても楽しいです。

透色ドロップ 有坂望由

ーーもう一曲、「未来は変えられるから」はどんな曲でしょう?

有坂:「未来は変えられるから」は、まさに私たち新メンバーに向けて書かれたような楽曲だと感じていて。特に印象的なのが、私たち3人で担当させてもらった落ちサビのパートにある〈繋いできたバトン〉というフレーズ。これまで透色ドロップを作り上げてきた1期生・2期生、そして卒業していった先輩方が託してくれたものを、これからは私たちが受け取って、さらに未来へ繋いでいく。その意思や責任感が、歌詞から強く伝わってきます。

ーー歌っていて、どういう気持ちが湧いてきましたか?

有坂:とても感情が入りました。もちろん「これから頑張ります」という気持ちもありましたけど、どこか「私たちで本当に受け継いでいけるのかな」という不安もあって。でもその不安も込みで、等身大の自分たちの姿を乗せて歌いたいと思ったんです。この曲は、先輩たちからの想いを受け取りながら、自分自身も変わっていこうという決意を込めて歌っています。

透色ドロップ 有坂望由

ーーお披露目ライブが近づいてきましたが、今の心境はいかがですか?

有坂:正直、焦りの方が大きいかもしれません。レッスン期間も長かったので、つい最近までは「デビューはまだ先だな」と、どこか余裕があったんですけど、「1カ月を切ったよ」と言われたあたりから、どんどん実感が湧いてきて。不安や緊張で、最近は常に手に汗をかいているような感覚です(笑)。立ち位置を間違えないか、振りを飛ばさないか、ちゃんと笑顔でステージに立てるか……毎日ずっと考えてしまいます。

ーー楽しみな気持ちもあるわけですよね。

有坂:もちろんあります! 何よりも、ファンの方と初めてお会いできる機会なので、そこはとても楽しみです。私のパフォーマンスを見て「この子、いいな」って思っていただけたら嬉しいですし、笑顔でニコニコとステージに立ちたいです。

透色ドロップ 有坂望由

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ーーこれから透色ドロップで活動していくうえで、「やってみたいこと」や「将来の夢」について教えてください。

有坂:一番大きな夢としては、透色ドロップって名前を誰もが知っているようなグループにしていきたい。今、有名なグループって、どれか1曲は誰もが知っているものがあるじゃないですか。透色ドロップも本当に素敵な楽曲がたくさんあって、儚さや切なさ、心に刺さる歌詞が魅力だと思うので、「あの曲って透色ドロップの曲だったんだ」って気づいてもらえるくらい、広く知られるグループにしていきたいです。

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ーー個人としての目標もあればぜひ聞かせてください。

有坂:個人としては、アイドルを続けていく中で、落ち込むことも増えていくと思うんです。そんな時でもファンの方から「応援しててよかった」「アイドルになってくれてありがとう」って言ってもらえるような存在になれたら嬉しいなって思ってます。そして、いつか自分の姿を見て「私もアイドルになりたい」って思ってくれる子がいたら、本当に幸せです。そういう希望を与えられる人になりたいですね。

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