East Of Edenという稀代のバンドの“本当の強さ” ツアー東京公演で更新した圧倒的な一体感

しかし、この日はそのまますんなりとエンディングに到達することができなかった。「Red Line」演奏中、客席での異変に気づいた湊が「ストップ、ストップ!」とメンバーに呼びかける。しばらくして演奏が止まると、フロアに急病人が発生したことに気づく。メンバーがステージから心配そうに見守るなか、会場は一時緊迫した空気に包まれたが、ライブスタッフや近くの観客の協力もあり無事を確認。対象者を会場から運び出し、スタッフから意識もはっきりしていることが伝えられると、会場中があたたかな拍手で包まれた(その後、アンコール時にはAyasaから対象者が病院に搬送され、状態も安定していることがアナウンスされている)。
時間にして20分程度だっただろうか。思いもせぬアクシデントで中断したライブは、「Red Line」から再開することになる。ことがことだけに、演者もオーディエンスも気持ちをまた上げていくことは決して簡単なことではない。しかし、ステージに立つ5人は自分たちの役割を全力で果たそうと、中断前と変わらぬ熱量で楽曲を届けようとする。ところが、今度はYukiのギターサウンドが出ないというトラブルに見舞われる。この二度目の中断のおかげもあってか、会場はどこかホッとしたような明るさを取り戻す。すると、湊の「お前ら、やれんのかーっ!」という煽りもあって、会場の熱気は一段と高くなり、結果三度目の「Red Line」でライブはさらなる盛り上がりを見せることとなる。続く「花美」や「IKIZAMA」ではより一層大きなシンガロングも響き渡り、ライブ本編は最高のフィナーレを迎えた。

アンコールではもはやバンドの代名詞的楽曲となった「Judgement Syndrome」「Evolve」が連発され、東京初日公演は最高の一体感を作り上げたところで終了。思いがけないアクシデントこそあったものの、メンバーチェンジやレーベル移籍などを経たEast Of Edenは、Zepp DiverCity(Tokyo)というバンドのスタート地点で、ひとまわりもふたまわりも大きく成長した姿を我々に見せてくれた。
なお、翌20日の東京公演DAY2ではMINAの体調不良による休演が発表されるという、また別のアクシデントも発生。この日は前日19日公演でMINAが弾いたベース音源を同期させ、ライブを乗り切ったという。また、同日にはツアー追加公演として4月8日のKT Zepp Yokohama公演が開催されることも急遽決定。5人全員が揃う場となるこのライブをもって、Yukiは産休に突入するという。5月には初の『JAPAN JAM 2025』出演が控えているが、これ以降のライブをどのような形で乗り越えていくのかも気になる。

さまざまな困難を乗り越えながら、より強靭なバンド感を手に入れようと格闘し続けるEast Of Eden。MINAという新たな武器を手に入れた彼女たちの第2章はまだ始まったばかり……アルバム『The First Eden - Seeds Of Hope』と今ツアーでの経験をどのように活かしていくのかにも注目していきたい。
※1:https://realsound.jp/2023/10/post-1466485.html
※2:https://realsound.jp/2025/03/post-1956331.html

























