稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾、NHK教育バラエティー『ワルイコあつまれ』が果たした役目 番組が教えてくれたこと

 最終回では、テレビプロデューサー・佐久間宣行をゲストに招いて子どもたちが率直な質問をぶつける「子ども記者会見」コーナーも行われた。子どもたちに説明しようとすると、大人なら言わずとも伝わるだろうという部分まで、かなり咀嚼をして言葉にしていかなければならない。しかし、だからこそ通常のトーク番組よりもゲストの考えをさらに深く聞けるようにも思えた。

 どこかネットの勢いに押されている印象のあるテレビ。だが、興味のあることをどんどん追求できるネットに対して、テレビには偶然の出会いがあると佐久間プロデューサーは語った。だからこそ、まだまだ面白くできる可能性があるのだとも。そんなふうに語った佐久間プロデューサーの言葉は、この『ワルイコあつまれ』が果たした役目ともリンクしているような気がした。

 「世界は思わぬタイミングで広がる」ということも、この番組が教えてくれたこと。急に化学反応を解説するコーナーが始まったかと思ったら、人間国宝のありがたいお話が聞けたり、かと思えば俳句や習字などの斬新な楽しみ方に触れることも。振り返れば、番組開始当初は自由に外出することもままならないコロナ禍だった。それが今では、また世界への扉が開いている。もしかしたら、この最終回は自分の足で外に踏み出していくための一区切りなのかもしれない。

 また突然、宣伝も予告もなしにフラッとオンエアされるような気がしてしまう。そんなライトな終わり方も『ワルイコあつまれ』らしさではないかと思えた。いつかまた私たちが少しだけイイコの枠の中にとらわれそうになった頃、3人が「思い切り遊ぼう!」と舞い戻ってきてくれるのではないか。そんな期待をせずにはいられない。

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