稲垣吾郎とハリー・ポッター、『SMAP×SMAP』から続く縁? 一つひとつの出会いをライフワークにしてきた丁寧な歩み

「どうも、ハリー・ポッターです!」

 稲垣吾郎がパーソナリティを務める3月3日放送の生ワイドラジオ番組『THE TRAD』(TOKYO FM)にて、そう軽快に挨拶をしたのを聞き思わずニヤけてしまった。これは先日、TBS赤坂ACTシアターにてロングラン上演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に、稲垣が7月よりハリー・ポッター役を務めることが発表されたのを受けてのこと。

 「びっくりしたでしょう? そうなんですよ、僕もびっくりしましたよ。そんなハリー・ポッターの役を演じさせていただけるなんて」と声を弾ませる稲垣に、聞いているこちらまで心が躍る。「嬉しかったですよ。舞台は大好きですしね。また新しい舞台のジャンルというかね。偉大な作品でもありますし」と続け、オファーを受けた時の感想を語っていく。さらに、別の話題に移ったあとも「ハリーとしては楽しみ」なんて茶目っ気たっぷりに語る姿から、今回のキャスティングの嬉しさが伝わってくるようだった。

 稲垣とハリー・ポッターといえば、かつて『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で、パロディコント「ハリー・ポッチャリ」を演じていたことを思い出したファンも多かったはず。一報を受けて、SNSでは即座にトレンド入りを果たす盛り上がりを見せていた。クールで二枚目な稲垣が、ハリー・ポッチャリとしてキュートに振る舞っていた姿が、よほど多くの人の印象に残っていたのだろう。それから長い時を越えて、本当にハリー・ポッターを演じることになるとは。やはりスターというのは“もっている”のだと思わせられる展開だ。

 長い時といえば、『ハリー・ポッターと呪いの子』への出演が発表された際、稲垣が「回を重ねて自分のライフワークの作品にできたら嬉しいです」(※1)とコメントを寄せていたことに胸がはずんだ。振り返れば、稲垣はさまざまなジャンルの仕事を手掛けてきたが、長い付き合いとなる作品/番組との出会いも多かったからだ。

 今回、真っ先に『ハリー・ポッター』出演の感想を述べたラジオ番組『THE TRAD』も2019年9月末スタートと、気づけば5年以上愛されるおなじみの番組に。これがキャリア初の生放送ラジオMCとは思えないほどの安定感で、多くのゲストのトークを引き出し、上質な音楽に触れるチャンスをくれる。また、稲垣が単体でパーソナリティを務めるラジオ『編集長 稲垣吾郎』(文化放送)も、SMAPメンバーと入れ替わりで手掛けていた前身番組を含めると1991年から枠を守り続けてきたことになる。こちらも“雑誌”をテーマにさまざまな切り口で世界を広げてくれる番組だ。

 そして、すっかり季節の風物詩として定着しているテレビ番組『ほんとにあった怖い話』(フジテレビ系)も。稲垣が参加したのが2004年からだというから驚きだ。「はい、吾郎さん」のフレーズを発していた子どもたちが、今や立派な大人になる年月だと考えると、時の流れの速さと稲垣の変わらなさが怖いくらい。冷静な稲垣だからこそ、日常と不思議な体験とを繋ぐいいバランスを見せる。

 さらに、2015年から始まった舞台『No.9 -不滅の旋律-』は4度も上演された、まさに「ライフワーク」と呼べる作品。YouTubeの「厳選クラシックちゃんねる / Classical Music Guide」の単独インタビューに応えた際には、ベートーヴェン役を演じることが、クラシック音楽との出会いになったと話していた。

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