木村拓哉、背中で見せるスターとしての信念 『タイプロ』サプライズ出演に隠された本当の狙い
木村拓哉が3月2日放送のラジオ『木村拓哉 Flow』(TOKYO FM)にて、Netflixで世界独占配信された『timelesz project -AUDITION-』(以下、『タイプロ』)へのサプライズ出演を振り返った。木村が『タイプロ』に姿を現したのは、2月7日に配信されたepisode15。最終審査に向けて、菊池風磨、佐藤勝利、松島聡の3人と候補生がともに「Rock this Party」のダンスレッスンをしているときのことだった。
「もう1回、もう1回見せてもらっていい?」と、さり気なく登場した木村に「えー!」と一同騒然。予想外の出来事に、スタジオ内の空気が一気に張り詰めるのを画面越しからも感じることができた。候補生はもちろんtimeleszの3人にも知らされていなかったサプライズ出演。しかし、木村はそんな彼らのリアクションも想定内と言わんばかりに「お願いします。水とか大丈夫ですか?」と淡々とダンスレッスンの見学を続けた。
このときのことを振り返って、木村は「timeleszの3人も『前もって知っておきたかったです』って言われたんだけど、『いやいや、それだとそもそも候補生のみんなとtimeleszのメンバーで差ができちゃうから、それいらないよ』って思ったんですよ」と心境を明かした。たしかに、最終審査直前となれば、いよいよtimeleszと肩を並べてパフォーマンスをしていた段階。「選ぶ側」と「選ばれる側」という境界線を徐々にならしていき、ひとつのグループとして活動できる「仲間」を探すフェーズに入っていた。だからこそ、「大先輩の木村拓哉が来る」という展開を、「仕掛ける側」と「仕掛けられる側」ではなく、一緒に体験するべきだと考えたのだろう。
菊池・佐藤・松島がラジオ『木村拓哉 Flow』にマンスリーゲストとして出演したのが、今年の1月のことだった。事務所としては前代未聞のチャレンジとなった『タイプロ』を始めた3人を「すげーことするな」とリスペクトし、その後の展開を楽しみにしていると話していた木村。最後に「『観るんだったら、お前、現場行けよ!』って(笑)」なんて自分でツッコんで笑いを誘っていたが、多くの人がそんな木村の言葉に「この人なら一肌脱いでくれるのでは?」と予感していたはず。しかし、それがこんなにもtimeleszのメンバーと候補生たちを取り巻く状況を汲み取って、本質を突いた形での登場の形になるとは。
「でも決まってよかったね、timeleszの新メンバー5人、決定したということで。寺西拓人、原嘉孝、橋本将生、猪俣周杜、篠塚大輝」と、改めて5人をフルネームで紹介するところにも、木村の気遣いを感じた。今回はオーディションでの加入というジュニア時代を経験していないメンバーがいることを考えると、事務所の大先輩である木村に名前を呼んでもらい、認識してもらえたと感じることが、どれほど今の彼らにとって心強いことか。