「創聖のアクエリオン」時を超え、新アレンジで響く　AKINO×福山芳樹が語る20年の重みとデュエットの挑戦

原曲の欠かせない部分と進化した部分が重なって新旧織り交ぜたVer.

――2人の声が重なった完成版を聴いた時の感想は？

AKINO：出だしの福山さんの声を聴いたとき、「かっこいい！」と思いました。激しいイントロの後で静かになり、そこからの優しい歌声は曲の雰囲気に合っていましたし、そこから徐々に盛り上がっていく感覚もありましたね。最後に、2人の特徴である高音で締めるところも盛り上がりますし、誰も想像しない形にもなっていると思うのでちょっとしたサプライズ感もあって、2人の良さが入っている曲だと思いました。

福山：僕は、最初にAKINOさんが出てくるところの高低の広がりがすごいと思いました。最終的に〈生まれてきた〉のところでいつものAKINOさんっぽくなるんですけど、そこまではグッと抑えていて。

AKINO：すごい！　私もそういうイメージで歌っていました。

福山：そうやってオリジナルとは別の工夫をされているのがすごく嬉しかったですね。僕の〈彷徨い行くの〉で一度トップまで上がるんですけど、そこからまたAKINOさんが優しさを作って、もう一度上げて……というストーリーができていますよね。で、最終的にサビで盛り上がる。

AKINO：うんうん。

福山：普通だったら一回でサビにたどり着く前に、高低を二つ作っているのが面白いですね。

AKINO：サビの後にも高音があるので。

福山：そうですね。「Hah～」というフェイクのところはオリジナルよりもキーが高くて。つまりオリジナルよりも低い曲なのに、結局は1オクターブ高く歌っているんですよ。でもあそこは、これこそが「創聖のアクエリオン」だよな、と思うところなので。以前、一度僕がアコースティックでカバーした時も、高くて苦労した場所でした。あのフェイク部分って自由に歌ってもよさそうなんだけど、やっぱりあのフェイクも楽曲の重要な要素なんですよね。

――当時のアコースティックカバーに際して、新たに気づくところはありましたか？

福山：歌ったのは1番だけだったんですけど、アコギ1本で弾くのがすごく難しくて色々と工夫しましたよ。転調があるとアコギでは弾きづらいですし。でもアコギでやっても面白いと思ったんですね、よくできている曲だと思いました。最初はすごく低いところから歌わないとのちのちすごく高くなってしまうことにも改めて気づきましたし。しかも、相当高いところまでさらっといくんですよ。

――では、ボーカル力が試される曲だと実感できた？

福山：そうですよ！　こんな難しい曲はないですよ！

――その歌い手として白羽の矢が立ったということは、福山さんの実力が見込まれたということですね。

福山：だといいんですけど（笑）。でも、オリジナルの方と歌えるなんて本当に光栄ですよ。

――いわゆる男女のデュエットではなく、ぶつかり合うようなバチバチのデュエットになりましたね。

福山：そうですね。バチバチのデュエットになれたのはすごく嬉しいです。この曲を長年歌ってきた人ならではのものになったんじゃないかな、なんて思ったりします。

――AKINOさんとしては歌い終えての感想は？

AKINO：やっぱり20周年だからこそというところで、今までこの曲を愛してくれている皆さんへの感謝の気持ちを込めて歌ったんですよね。今までは私1人でしたけど、素晴らしい仲間が増えたので、この曲の愛をさらに、もっと届けられれば、と思います。

――AKINOさんは今回、エンディングテーマ「告白」も担当されます。どんな曲になっているか教えてもらえますか？

AKINO：「創聖のアクエリオン」は自分の気持ちをストレートに「愛してる」と伝える楽曲ですけど、自分の気持ちを100パーセント出すって難しいことですよね。自分も初めて恋をした時、昂る気持ちとは反対の言葉を言ったり、恥ずかしさが勝ったり、ということがありました。「告白」はそういう複雑な気持ちを表現した曲ですね。出だしの〈どうして〉という部分では、葛藤する心の声を表現しています。あと、〈あたたかな腕で私を抱きしめて〉という歌詞にも、抱きしめてほしい、誰かにそばにいてほしいという気持ちや色々な感情を込めて歌っています。

――楽曲を手がけた菅野よう子さんとはレコーディングでどのようなやり取りがありましたか？

AKINO：最初に通して歌った時に、菅野さんから、出だしはもう少し強めに歌った方がいいと言われたんですね。「全力のFullで」みたいに。なので最初から魂を込めている曲ですし、1曲歌い終わったあとにはすごく疲れて、力が抜けきったことを覚えていますね。1番から2番にかけてのフェイクは、菅野さんから「即興で歌ってみて」と任された部分でした。自分としてはちょっとオペラっぽく歌ってみたかったので、森や海の中にいる妖精みたいなものを想像しながら歌ってみて……そうしたら結構いい感じになったと思いますね。レコーディングが終わった時に、菅野さんから「歌、全然衰えてないね」「良くなったね」と言っていただけて、本当に嬉しかったです。日々頑張ってきてよかったと思いましたし、もっとレベルアップを目指して頑張りたい気持ちになりました。

――苦労した部分はありましたか？

AKINO：それこそ菅野さんから、〈魂が〉にはもっとアクセントを入れてほしいと言われたんですけど、私自身アクセントやスタッカートがあまり得意ではないので、「もっとかけて、もっと」と何度も指導していただいたことを覚えています。でも、硬くしすぎるとロボットみたいになるので、包み込むようなあたたかさもありつつ、でもスタッカートやアクセントを入れないといけない、というのはすごく難しかったですね。

――最後に改めて、「創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver.」を歌った感想を教えてください。

AKINO：オリジナルの「創聖のアクエリオン」を初めて歌ったのは私がまだ14歳の時で、めちゃくちゃ未熟で覚えも悪くて、本当にシャイで。でも私を信じてくれた皆さんがいて、そこからの出会いでこの曲はいろんなところに広がっていき、20年経っても多くの方々が愛し続けて、歌ってくれていることはすごく嬉しいことです。当時は生まれていなかった人も、お父さんやお母さんに勧められて聴いたり、SNSを通じて知ってくれたりして、本当に幸せな楽曲だと思います。アニメも曲もレベルアップして、今回こうして福山さんとデュエットできることがとても嬉しいので、これからも“愛”をどんどん届けたいですね。

福山：今回の作品は舞台が江の島ということで、鎌倉が地元の僕には見慣れた景色がよく登場するので、アニメに登場する実際の場所も回ってみたいなと思っています。それにしても、20年という長い歴史がある作品／楽曲のチームに加えていただいたことは本当に光栄ですね。「新参者ですけれどもよろしくお願いします」という気持ちです。

AKINO：こちらこそ、お願いします！

福山：数々あるバージョンにデュエットも加わったので、このバージョンもカラオケでぜひ歌ってもらえたら！　（カラオケ画面の文字の色が）赤と青で彩られると思うと嬉しいなと思ってもいます。

――デュエットバージョンを歌う際のアドバイスはありますか？

福山：難しいですよ！　本当に難しい！

――（笑）。やめておいた方がいいと？

福山：いやいやいやいや（笑）。頑張ってあなたの「創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver.」を目指してください。今回は〈愛してる〉にバックコーラスが入っていないので、そこはそれぞれの形で歌ってほしいですね。「オレモー」とか。盛り上がってくれたら嬉しいです。

AKINO：デュエットするならガチで歌ってもいいかもしれないです。愛する人のことを思って丁寧に歌ってみるとか。でもパーティ気分で歌ってももちろんOKです！

■リリース情報
TVアニメ『想星のアクエリオン Myth of Emotions』主題歌シングル
『創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver.／告白』
2025年2月19日（水）リリース
CD：￥1,430（税込）／VTCL-35381

＜収録曲＞
M1. 創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver.
歌唱：AKINO from bless4、福山芳樹
作詞：岩里祐穂　作曲：菅野よう子　編曲：CHOKKAKU、鷺巣詩郎
M2. 告白
歌唱：AKINO from bless4
作詞：菅野よう子、糸曽賢志　作曲：菅野よう子　編曲：菅野よう子
M3. 創聖のアクエリオン 私立江ノ島学園Ver.
歌唱：オオトリサッコ（CV：花守ゆみり）、アマハモモヒメ（CV：和氣あず未）
作詞：岩里祐穂　作編曲：菅野よう子
M4. 創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver. (Instrumental)
M5. 告白(Instrumental)

■イベント情報
『創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver.リリース記念リスニングパーティー Day2』
配信日時：2025年1月27日（月）21:00～
※AKINO from bless4、福山芳樹両名のトーク出演を予定

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■関連リンク
福山芳樹 公式サイト：https://www.fukuyama-yoshiki.net/
bless4 オフィシャルウェブサイト：https://bless4.jp/
『想星のアクエリオン Myth of Emotions』公式サイト：https://aq-moe.com/