日向坂46 一期生がグループに残してきたもの 存在意義を模索したけやき坂46時代からの歩み
2023年は『4回目のひな誕祭』を横浜スタジアムにて開催、佐々木久美が初のリード曲センターを務めた2ndアルバム『脈打つ感情』がリリースされるなど、グループとしての営みは成熟さを増していく中で、2024年にはグループ初の展覧会『WE R!』や宮崎県での『ひなたフェス2024』開催など、新たな試みに挑戦。グループ内部としてはアンダーグループとしてひなた坂46が誕生したり、髙橋未来虹が副キャプテンに就任するなど、後輩たちにもフォーカスが当たるようになる。11thシングル『君はハニーデュー』からは四期生もグループの主力として活躍し、徐々に世代交代の足音が聞こえ始めていた。
そうした状況の中で、一期生全員の卒業が発表されたのだ。公式YouTubeチャンネル「日向坂ちゃんねる」で行われた生配信で、佐々木久美は「東京ドーム公演を見てくださったおひさま(日向坂46ファンの呼称)ならわかると思うんですけど、後輩たちがめちゃくちゃ頼もしくて、この子たちなら日向坂46を任せても大丈夫と思ったんですよね。だからこのタイミングで卒業しようと決めました」と卒業の理由を明かしている。
全国ツアー『Happy Magical Tour 2024』東京ドーム公演での二〜四期生の頼もしい姿を見ると、一期生が積み上げ確立してきた日向坂46らしさが着実に継承されていることを実感させられた。それはひとえに、一期生が欅坂46との間で葛藤し、もがき、自分たちのアイデンティティを見出してきた、その過程なくしては語れない。草創期からグループを牽引してきたメンバーの卒業があっても、日向坂46の未来が明るいものであるというイメージを抱けるのは、一期生が築いてきた安定した土壌のおかげでもある。
日向坂46の5周年公式ブック『H46MODE vol.1』(光文社)の中で、佐々木美玲は一期生のメンバーについて「今では家族以上の仲です。お互いのことを全部わかっています!」と語っていた。確かに、日向坂46の一期生を見ていると、同期である以上に強い絆で結ばれているように感じる場面が多かった。日向坂46の“ハッピーオーラ”とは一期生のことなのだ、と。
2025年は五期生の加入も控え、日向坂46はまた新たなフェーズへと差し掛かる。一期生が歩んできた歴史を継承し、新たなエッセンスも加えながら、この先も日向坂46は時代を作っていく。

























