M!LKの可能性は無限大 み!るきーずと共に作り上げる結成10周年を祝う初のアリーナツアー

M!LK、さいたまスーパーアリーナ公演レポ

 今回の衣装についてのトークを中心としたMCに続き、5人のダンスをフィーチャーするダンスリミックスから中盤がスタート。「MAGIC CARPET」「Kiss Plan」「energy」の3曲で構成され、振り付けというよりも内側から溢れ出る感情をぶつけたようなパフォーマンスが印象的だった。次の楽曲「Bad Liar」もライブ初披露。炎が吹き上がり、怪しげな赤い照明がゆらめく中でのパフォーマンスでも、これまでにないM!LKの新しい魅力が引き出されていた。

 インタールードの映像に続いて披露されたのは、塩﨑のソロ曲「マッちょっちょ!」。独特な世界観が爆発しているこの曲を、普段からライブの演出を手掛ける塩﨑がどうパフォーマンスするのか楽しみだったが、ステージ上の本人と、映像で映し出された無数の塩﨑との共演(!?)という斬新なアイデアに爆笑。インパクトなんて言葉では言い表せないほどの衝撃を残すパフォーマンスが繰り広げられた。

 「先に進みたいのに進めない。そういう誰もが経験したことのあるような気持ちを軽くできるように」と、自ら作詞・作曲したソロ曲「カーテン」に込めた思いを語ったのは吉田。アコースティックギターを弾きながらひとり歌うその姿は、ここがさいたまスーパーアリーナという巨大な会場だということを忘れさせるほど、一人ひとりの心に寄り添うような温もりを感じさせるものだった。

 次のMCのコーナーでは、「エビバディグッジョブ!」のコールについてトーク。初日の模様を映像でチェックしたところ、メンバーの歌が聞こえなくなるくらいコールがすごかったらしく、佐野が「俺、ちょっとウルッとしたもん」と本音を漏らす場面もあった。また、コール動画を出したことで「エビバディグッジョブ!」のMVの再生回数がぐっと伸びていることにも触れ、「みんな練習してるね(笑)」と嬉しそうな5人。公演直前ではあったがコール部分のカンペを用意してもらえることになったということで、その映像を流しながらの「エビバディグッジョブ!」本番は、この日ももちろん大成功。一致団結、ピッタリ息の合った掛け合いで完遂した。

 記念すべきメジャー1stシングル曲「Ribbon」を華麗なパフォーマンスで届け、「かすかに、君だった。」をエモーショナルに歌い上げる。2015年3月にM!LKの1stシングル曲として発表された「コーヒーが飲めません」は、当時の懐かしい映像をバックにパフォーマンス。ここでもみ!るきーずのコールは万全だ。インタールードとして流れてきた映像には、M!LKの歴史を写真で振り返っているメンバーの姿が。あどけない表情ややんちゃな笑顔が映った写真を、嬉しいような恥ずかしいような様子で眺めている。その場の会話や笑い声までもが聞こえてきそうな、ナチュラルな5人の空気感が印象的だった。

 後半は、このツアーのタイトルにもなっている新曲「I CAN DRINK」から。「コーヒーが飲めません」に〈(I Can't Drink)〉というフレーズがあったが、自分たちの信じる道を進みながら、不可能をひとつずつ可能に変えてきたM!LKの現在地を示すような1曲だ。み!るきーずへの感謝と愛を込めた歌を丁寧に届け、「テレパシー」では山中の頬に曽野と佐野がキスするなど、メンバー間の仲の良さを感じさせるシーンがあちこちで繰り広げられていた。そんな5人が心をひとつにして歌詞を書き上げた「夢路」を思い出が詰まった映像をバックに歌い、それぞれの直筆メッセージが映し出された「ERA」では10年という節目を迎えたM!LKとしての決意と覚悟を歌に乗せる。そして本編は、ここからまた未来へと突き進む強い思いを歌う「Winding Road」で締めくくられた。

 5人並んでトロッコで登場したアンコールでは、カラーボールを投げながら会場を一周した後、塩﨑からメンバー挨拶へ。M!LKを結成して最初の頃はとても楽しかったけど、たくさんのことを経験する中で、急に高い壁がどんどん出てきてしんどくなったこと。M!LKでいる必要があるのか、M!LKを辞めようとまで考え始めた時に、「俺らなら絶対にやれる」と前を向いていた4人の姿を見てずっと一緒にいたいと思えたことを語り、メンタルを保ってくれてるのはみ!るきーずがいるからだと感謝を伝えた。時折笑いも挟みつつではあったが、塩﨑の話を横で聞いていた佐野や曽野は早い段階から号泣。塩﨑の気持ちの変化に気づいていたという山中は、同じくその様子を感じ取っていた佐野と話したこともあったと言い、支え合って今があることや、いかにこのメンバーのことが大好きかという思いを語った。話し出す前から号泣していた曽野は、自分はこれからもみんなに“おんぶに抱っこ”だと思うけど、M!LKでいられることがどれだけ幸せかということを素直な言葉で吐露。佐野は、芸能界で10年ちょっと活動してきて9割は苦しいと感じているけど、このメンバーがいて、み!るきーずのみんながいてくれるから頑張れているんだと伝え、改めて「俺はこの5人でドームツアーがしたい」と宣言した。

 ここまで4人の挨拶を聞いていた吉田は、リーダーとしてではなく、最近は自分の感情が素直に出せるようになったと心境の変化を語る。笑いも涙も本音も素直に曝け出しながら思いを伝えた5人はハグをし、〈可能性は無限大さ〉と歌われる「Now Story」を披露した。エンディングは、恒例となっているバラエティコーナー。粉の中に隠された飴玉探しに挑戦し、曽野が敗者となったが、罰ゲームとして用意された熱湯風呂には結局全員が落とされ、全身ずぶ濡れでステージを後にしていた。

 その後、『10th Anniversary M!LK ARENA TOUR 2024「I CAN DRINK!」』は、12月22日の大阪・大阪城ホール公演でファイナルを迎えた。

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