水樹奈々、かけがえのない居場所を語る 大切なツアー『PARADE』&『JUNGLE』とデビュー25周年への想い
“水樹奈々らしさ”にスポットを当てた『JUNGLE』
――一方の『JUNGLE』は2024年7月7日のツアーファイナル、Kアリーナ横浜公演が収録されています。
水樹:こちらもてんこ盛りな内容になりました(笑)。初のアリーナオンリーのツアーだったので、いろんな要素を入れたかったんです。何度も観たくなるようなステージにしたいと気合い満点で詰め込んでいった結果、情報量がとんでもないことになってしまって(笑)。本当に一度観ただけでは拾いきれないくらい、ステージのあちこちでさまざまなことが起きているライブになりました。
――細部までチェックできる映像作品としては、うってつけのライブと言えそうですよね。
水樹:そうだと思います。オープニングから左右違う映像が出てきますし(笑)。ステージ上でパフォーマンスをしている後ろでかなり凝った映像が展開されたりもしているので、ぜひ視点を変えながら映像で何度も楽しんでいただけたらと思います。
――ちなみに、『JUNGLE』というツアータイトルにはどんな思いを込めたんですか?
水樹:このツアーからマスクの装着が任意になり、ここから本当の意味で通常のライブに戻るんだと思った時に、 “水樹奈々らしさ”にスポットを当てたライブにしたいと思ったんです。開催が夏だったので、熱帯のイメージから『JUNGLE』というキーワードが浮かびました。ジャングルというと緑がいっぱいなイメージが最初に浮かびますが、コンクリートジャングルというイメージもあるなと。なので、古き良きものと新しいものが融合、共存するというテーマにしようと思ったんです。
――なるほど。
水樹:“共存”、“融合”というテーマは私自身にも当てはまるような感覚もあって。私は幼い頃から演歌歌手を目指して、演歌や歌謡曲にたくさん触れてきました。それを原点としつつ、そこにポップスやロック、ダンスといったいろんな要素が融合することで水樹ソングは生まれている。だから、今回はそういった水樹らしい楽曲を取りそろえ、そこにみんなの声が融合することで楽曲が完成していくということをあらためて感じられるようなステージにしたいな、と。そんな思いを込めて『JUNGLE』というタイトルを掲げました。
――ライブ中盤のブリッジ映像では、水樹さんがラボの研究員として登場していました。
水樹:今回、初めてドラマ仕立てのムービーにしたんです。これまではMV風で、無声映画っぽいショートフィルムだったのですが、今回は初めて台詞のある演技に挑戦して。自ら出演して演じるのは、18歳の時に出演した声優さんたちの戦隊モノ『ボイスラッガー』(1999年)以来なので、かなり恥ずかしかったです(笑)。
――そのストーリーは、どんなイメージだったんですか?
水樹:地球に似たどこかの星でラボの研究員として働いているナナが日夜、みんながよりよくなるためのエネルギーの研究に勤しんでいて。そのなかで特殊なパワーを解禁するために必要なパスワードを見つける――というストーリーになっていました。
――その解読できない文献が……。
水樹:“奈々語”なんです(笑)。私は、作詞する際に特殊な読みをする当て字をよく登場させるのですが、それが解読できないというストーリで(笑)。『JUNGLE』のテーマは“共存”と“融合”ですが、そこに、もうひとつ、「自分らしくいよう」というメッセージもありました。近年は多様化が叫ばれつつも、SNSの影響で周りに合わせることを強いられてしまうことも多いと思うんです。そのなかで、ブレることなく自分らしく生きること、自分を信じて生きていくことが大事なんだということを伝えられたらいいな、と。それを、水樹奈々の個性のひとつである“奈々語”を通して表現しました。
――ライブのなかで、特に印象に残っているシーンはありますか?
水樹:まず、ずっとやりたかったウォータースクリーンを導入できたことが嬉しかったです!
――ステージ上に本物の水が流れるという演出にはびっくりしました。
水樹:しかも、そこに文字や図柄まで出せるという。ライブの最後にはウォータースクリーンにナネットさん(水樹奈々公式キャラクター)がビューって流れ出てきて! あれは本当に感動的な演出でした。でも私、一度頭から水をかぶったんですよ(笑)。
――え! 立ち位置を間違えたってことですか?
水樹:チームのきっかけ間違いでずぶ濡れになってしまって、ドリフのコントみたいでした。まるで滝行のような(笑)。その様子は特典映像に入っていますので、ぜひ観てみてください。ウォータースクリーンは最初に「ETERNAL BLAZE」で使ったのですが、あの曲は炎のイメージが強くて。でも、そこにあえて水の演出を用いることで、ライブのテーマである共存や融合をうまく表現できたと思います。新しいアプローチの演出だったので、すごく印象に残っています。あとは……ステージ上に本物の植物がたくさんあるステージだったので、喉の調子がよかったです(笑)。
――『JUNGLE』というタイトルに相応しく、緑が生い茂ったステージでしたもんね。なんなら本物の水も流れるわけだし。
水樹:もう潤っちゃって(笑)。全公演、喉の調子がすごくよかったです。もうひとつ、クレーンに乗って客席の真上を通りながら歌ったシーンも印象的でした。高いところは大好きなので、「気持ちいいなあ〜」と思いながら歌っていました。はしゃぎすぎてクレーンがすごく揺れてしまった時は、スタッフさんから怒られましたけどね(笑)。Kアリーナ横浜は縦に高く広い会場なので、クレーンを使うとレベル5の席のみんなと同じ目線まで行けるんです! それが嬉しかったです。
――ファイナルということでダブルアンコールが実現していましたが、そこで歌われた「SUPER GENERATION」ではちょっと感極まった瞬間もありましたね。
水樹:『JUNGLE』ツアーは8公演しかなかったので、「あっという間に終わっちゃったな」という寂しさと同時に、短期集中ツアーだからこそ体調管理などの面でも、今まで以上に緊張感があり、無事に最終日を迎えられた安堵感から感極まったところもありました。そして「SUPER GENERATION」は私が初めて作曲した曲で、久しぶりにみんなの声を聴きながら歌えたことが本当に嬉しくて。いろんな思いが巡ってじーんときてしまいました。みんなで大合唱できて、本当に嬉しかったです。
アルバム発売、アニメタイアップ……デビュー25周年イヤーの展望
――今回の2本のライブを観てあらためて感じたのですが、水樹さんのライブって大きな枠組みとして決まったフォーマットがありますよね。そのうえでセットリストやステージセット、演出でまったく異なるライブに仕上げている。そのスタイルがすごくいいなと感じました。決まったフォーマットがあることで、ファンはいつでも水樹奈々のライブに来たことを実感できる安心感があるし、それがかけがえのない居場所になると思うんですよね。
水樹:ありがとうございます。いつの頃からか、そのスタイルが定番になっていきました。初期の頃は直近でリリースしたシングルやアルバムのタイトルを冠にしていたのですが、いつしかリリースとは関係のないタイトルをつけ始め、それこそテーマパークを作るようにコンセプチュアルなライブをやるようになって。そのなかで、ひとつのフォーマットがきっちりできあがっていきました。
でも、それも20周年の節目を境に少しずつアレンジし始めていて。大枠は残しつつ、少しずつ変化させています。私のことを長く応援してくださっているファンのみなさんは、すぐに気づいてくださって「いいですね!」という声をいただき、嬉しかったです。
――新規ファンはその内容の濃さにまずびっくりしつつ、すぐにどっぷりとその沼に心地よく引きずり込まれてしまう感じなんでしょうね。
水樹:そうだと嬉しいです! 内容が目白押しですが、ぜひついてきていただけたらと(笑)! 今後も「水樹のライブといえば」といった定番のフォーマットを踏襲しつつも、さまざまなチャレンジをしていこうと思っていますので、ライブテーマごとに思いきり楽しんでいただけたら嬉しいです。
――水樹さんは来年で歌手活動25周年を迎えます。『JUNGLE』のMCでも予告されていましたが、大きな節目には様々な動きが予定されているようですね。
水樹:現時点で制作が佳境に差し掛かっていますが、来年3月にニューアルバムのリリースが決定しました。そこにはすでに発表されているアニメ『#コンパス2.0』(テレビ東京系)のオープニング主題歌「拍動」も収録されます。この曲はGigaさんとkemu(堀江晶太)さんに書いていただいたもので、すごくかっこいいダンスロックチューン。ラップもしています(笑)! まさに25周年イヤーにふさわしい、「ここからもまだまだチャレンジし続ける」という決意表明のような曲になっています。アルバムにはほかにも変態曲と呼べるような、個性的な曲が多々揃っていますので(笑)、ぜひ楽しみにしていてほしいです。それ以外にも、25周年をみなさんとお祝いできるような企画をたくさん考えていますので、発表までもう少し待っていてください!
■リリース情報
『NANA MIZUKI LIVE JUNGLE × PARADE』
発売中
Blu-ray Disc
・盤種:Blu-ray(5枚組)
・品番:KIXM-599~603
・価格:¥13,200(税込)
・初回特典:SPECIAL BOX
DVD Disc
・盤種:DVD(6枚組)
・品番:KIBM-1122~7
・価格:¥13,200(税込)
<収録内容>
・『NANA MIZUKI LIVE JUNGLE』2024.7.7 Kアリーナ横浜
・『NANA MIZUKI LIVE PARADE』2023.9.3 有明アリーナ
・SPECIAL FEATURE
*NANA MIZUKI LIVE JUNGLE(2024.7.6 Kアリーナ横浜公演の一部)
*NANA MIZUKI LIVE PARADE([DAY1] 2023.9.1 有明アリーナ公演の一部)
*NANA MIZUKI LIVE PARADE([DAY2] 2023.9.2 有明アリーナ公演の一部)
*making of LIVE JUNGLE
*making of LIVE PARADE
*making of LIVE JUNGLE −OPENING&SHORT MOVIE−
*making of LIVE PARADE −OPENING&SHORT MOVIE−
*LIVE JUNGLE SHORT MOVIE「code:7」
*オーディオコメンタリー
※2024.5.5 丸の内ピカデリー『水樹奈々 LIVEオーディオコメンタリー公開収録』の模様を収録(音声のみ)
※LIVE PARADEのみの収録となります。
15thアルバム『CONTEMPORARY EMOTION』
2025年3月19日(水)発売
初回限定盤 CD+Blu-ray
品番:KICS-94190
価格:¥6,600(税込)
初回限定盤特典:Blu-ray+スペシャルフォトブック+特製BOX仕様
通常盤 CD
・品番:KICS-4190
・価格:¥3,300(税込)
限定バンドル版 初回限定盤+ Vocalless CD(キンクリ堂限定商品)
・品番:ECB-1758
・価格:¥7,777(税込)
<CD収録内容>(初回限定盤/通常盤共通)
「拍動」(TVアニメ『#コンパス2.0』オープニング主題歌)
*作詞:堀江晶太/作曲:Giga×堀江晶太/編曲:Giga×堀江晶太
「Sugar Doughnuts」(TVアニメ『でこぼこ魔女の親子事情』オープニングテーマ)
*作詞:藤林聖子/作曲:サカノウエヨースケ(Blue Bird's Nest)/編曲:渡辺徹×日比野裕史(Blue Bird's Nest)
「Turn the World」(TVアニメ『SHAMAN KING FLOWERS』オープニングテーマ)
*作詞:ヨシダタクミ(saji)、水樹奈々/作曲:サカノウエヨースケ(Blue Bird's Nest)/編曲:日比野裕史×渡辺徹(Blue Bird's Nest)
「ADRENALIZED」(TVアニメ『HIGHSPEED Étoile』オープニングテーマ)
*作詞:水樹奈々/作曲:光増ハジメ/編曲:光増ハジメ
他収録予定/曲順不同
<Blu-ray収録内容>(初回限定盤のみ)
・『NANA MIZUKI LIVE HOME』2022.7.30 日立市池の川さくらアリーナ
・オーディオコメンタリー
※2024.5.18 なんばパークスシネマ『水樹奈々 LIVEオーディオコメンタリー公開収録』の模様を収録(音声のみ)
<限定バンドル版 Vocalless CD>(キンクリ堂限定販売のみ)
・アルバム収録楽曲と同内容のVocalless ver.を収録予定
※追加情報は随時HPにて公開いたします。
※収録内容は変更となる可能性がございます。
水樹奈々 オフィシャルサイト:https://www.mizukinana.jp/
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