水樹奈々、全力で走り続けた20年 “休息”の大切さなどコロナ禍では気づきも

水樹奈々、全力で走り続けた20年

 年明けにさいたまスーパーアリーナで2年ぶりの有観客ライブを行う水樹奈々。それに先駆け、今年の掉尾を飾る配信シングル「Red Breeze」をリリースする。韓国で人気を呼んだモバイルゲーム『COUNTER: SIDE』の主題歌。ゴリゴリのギターサウンドにエッジの効いたシンセが絡むサイバーロックで、不穏な空気と熱さが交錯している。デビュー20年を経て声優アーティストのトップを走り続ける水樹は、さらにその先へと向かう。(斉藤貴志)

歴代の激アツ水樹ソングとの差別化を目指した「Red Breeze」

『カウンターサイド』プロモーションムービー2「Red Breeze/ 水樹奈々」

ーー「Red Breeze」は『COUNTER: SIDE』のテレビCMでサビ部分が流れていますが、イントロやAメロはその印象と違って、不穏な感じがします。

水樹奈々(以下、水樹):『COUNTER: SIDE』は世界が侵食されていくのに立ち向かうストーリーで、禍々しさや切迫感をサウンドの中でも感じてもらえるようにしました。

ーーオフィシャルコメントでは、曲について「作曲の上松さんがいつものように変態魂を炸裂させて」と言っていましたが、上松(範康)さんには、水樹さんが言う“変態感”を求めて(笑)、発注したのですか?

水樹:そうです(笑)。作品の概要を読ませていただいて、絶対に上松さんの楽曲がハマると思いました。制作スタッフの方からは、韓国版で使用されている音源とは「まったく違う方向性にしたい」というお話があって。そして水樹らしいロックで、ゴリゴリのバンドサウンドに情熱的で激しい楽曲というリクエストをいただきました。歴代の激アツ水樹ソングとは差別化した個性を持つものを作れたらと上松さんに相談しました。

ーー「ありそうでなかった曲」というコメントもされていました。

水樹:デジタルサウンドと融合したサイバーロックは、これまでにも色々ありましたが、今回は、ともすれば不協和音に聴こえるようなコード進行をあえてぶつけています。不安や恐怖を煽る音がゲームにフィットするんじゃないかと。『(戦姫絶唱)シンフォギア』シリーズのデジタルロックでは、聴くと華やかな気持ちになるストレートな熱さを表現していたのと違って、ねじれたようなメロディラインになっていたり。

ーー特にAメロは気持ちいいところに行かないというか。

水樹:アレンジでバッチリ当たる音をあえてハメていない部分もあります。「何が起きてしまったんだろう? どんな事件に巻き込まれるんだろう?」という胸騒ぎを表現できたらと思いました。Dメロで急にスローになって優雅に歌い上げる構成も、少し違和感がありますよね。主人公の葛藤を描くために、全体の流れとは乖離していて。そういう、一瞬「あれ? 少し不思議かも」と耳を取られる心地いい違和感みたいなものが、今までありそうでなかった部分かなと思います。

ーー確かに。

水樹:でも、サビは直球でいつもの水樹らしく、自分を信じて前に進んでいこうというストレートさが出てくる。不安と安堵感という真逆なものの組み合わせが面白い構成だと思います。

ーーボーカル的には、そういう表現はサラッといけましたか?

水樹:曲に誘われた感じがあります。藤林(聖子)さんの歌詞が秀逸で、メロディの抑揚やアレンジとシンクロするように書いてくださって。あれこれ考えなくても、瞬発的に出てきたものをそのままぶつけたら自然と曲に乗っていけました。

ーー歌詞のイメージとしては、圧倒的に不利な状況の中での戦い、といったところでしょうか?

水樹:そうですね。世界が侵食される大変な状況で、その最前線で戦わなければいけない……それはすごい精神状態だと思います。そこで自分が存在する意味を見つけて、前に進んでいく。それは今のコロナ禍の状況に重なるところもあって。ゲームを知らない方が聴いても不安を抱えたり苦境に立たされた時、諦めずに立ち向かう気持ちを鼓舞できるような曲にしたい。そう藤林さんともお話ししました。

ーー詞にも水樹さんの意向は反映されたんですね。

水樹:はい。藤林さんはこれまでも詞をたくさん提供してくださっていて、水樹といえば応援ソングというイメージを持っていらっしゃってくださっていて。私から初めに、どんな逆境に立たされても強い信念を持って立ち向かう歌詞にしたいとお話しして、その後『COUNTER: SIDE』のシナリオを読まれた藤林さんから、作品世界やキャラクターと水樹がシンクロする部分を抽出してくださった要素を基軸に構成しますと提案いただいて。

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