三代目 J SOUL BROTHERSは魂が尽きるまで挑戦し続ける MATEと作った最高のドームツアーファイナルを徹底レポート

三代目JSBドームツアーファイナルレポ

 11月16日のみずほPayPayドーム福岡を皮切りに4都市で全9公演行われたドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2024”ECHOES OF DUALITY”』が12月22日、京セラドーム大阪にて最終日を迎えた。

 三代目 J SOUL BROTHERSとしては6年ぶりのフルアルバムであり“PETAL & THORN"(花びらと棘)という物事の二面性をテーマに据えたコンセプチュアルな一作『ECHOES of DUALITY』。そのアルバムを携えた今回のツアーは新曲10曲を織り交ぜつつ、これまでにない挑戦的な演出も導入。15周年を控えたスターグループの進化形を示したライブとなった。

 重厚なコーラスが鳴り響く中、メンバーが多種多様な神々に扮したCG映像による壮大な世界観でライブは始まる。ステージに現れた7人が巨大スクリーンに映し出されるとたちまち歓声が鳴り、そのまま低音が響くアッパーチューン「DEVELOP」を青いレーザーの光と炎の特攻演出とともに聴かせ、一気に会場の熱を高めた。「いくぞファイナル! 準備はいいか!」というØMIのシャウトで始まったのは代表曲の一つ「J.S.B. DREAM」。息の合った掛け合いと手で示される“∞”のマークで、さっそく会場が一体に。そこから続けざまにエッジーなギターがかき鳴らされる「STORM RIDERS feat. SLASH」でそれぞれが広いステージを駆け回る。次いで最新アルバム収録の「CRAZY-CRAZY-CRAZY」では、ボーカルとパフォーマーが各々モニター越しのパフォーマンスで沸かせる。スタンドマイクを使ったパフォーマンスで人気の「Eeny, meeny, miny, moe!」では、途中のオーセンティックなダンストラックでも魅せる。そして最新アルバムからの「You got my mind」は洋画風に縦字幕の映像と女性ダンサーとのコラボでラブストーリーの世界観を表現。直後、スクリーンに流れ星が流れる。「アリーナ、スタンド、最上段の皆さん。そして配信をご覧の皆さん、誰も置いていきません。一緒に行こう!」と客席に投げかけるメンバーの姿がスクリーンに映し出される中、心温まるようなバラードのアレンジから始まる「R.Y.U.S.E.I.」が歌われる。輝く星々のような観客たちのライトに包まれ、いつまでも色褪せない大ヒットチューンを“今”の形で届けた。

 雷雲が唸る幕間映像が始まり、一人現れた岩田が水の中に飛び込むようにしてステージから倒れ込むと、次ぐ「LIT IT UP」ではモノクロに赤を差し込んだインパクトの強い映像とともに楽曲の世界を表現。そして次はELLYを中心に据え、大ヒット曲「Summer Madness feat. Afrojack」でさらに会場を一つに。「最高のファイナルにしよう」というØMIの呼びかけに温かい歓声が沸く。

 続いてメイクルームを模したセットで女性に優しく語りかける演出から始まる「Make up」は2色に分かれた光の中、ボーカル2人の艶やかな歌唱とバンドのグルーヴィーな演奏がしっとりと響く。そして2枚の白い羽根が舞い落ちる映像が流れると、純白の衣装で7人が再登場。美麗なメロディが胸を打つ「Baby don't cry」の恋心を儚くも美しく表現した。続いて会場ごとパフォーマンスする楽曲が変化するバラードコーナーでは名バラード「冬物語」に加え、来年1月からテレビ朝日系列で放送される岩田剛典主演ドラマ『フォレスト』の主題歌である新曲「What Is Your Secret?」がパフォーマンスされた。

 ツインボーカルによるMCタイムに入り、今市隆二は「遂にやってきました、ファイナル。自分達だけではこのツアーは成し得ず、サポートメンバー、ダンサー、ミュージシャン、スタッフの方々、そして今日この会場にいる皆さん、全国で配信をご覧の方々……皆さんのお蔭でこのツアーができていますし、皆さんの応援と支えがあって今日この日を迎えることができました。本当にありがとうございます。今日は感謝の気持ちを持ちながら、燃え尽きるところまでやりきりたいと思います」と思いを語り、ØMIも「今日でこのツアーは終わってしまいますが、最後まで僕らもこの景色を噛み締めて楽しみたいなと思います。皆さんもどうか最後まで楽しんで下さい」と伝えた。そして「この曲の歌詞や情景、聴いている方々それぞれの人生に重なって見える部分があるんじゃないかなと。学校のこと、仕事のこと……生きている中でやり甲斐みたいなものを一生懸命見つけて、それを一つの幸せとして感じながら、一日一日を生きていく。それは僕らもそうだし皆さんもそうなのかな、とこの曲を歌いながら感じていました。でもきっと、中には苦しいことや自分ではどうしようもできないこともたくさんあると思います。自分を守るために逃げる勇気や、休むこともすごく大切です。どうかその心を休める時、何かに支えられたい時に、この歌があればいいなと思います。それぞれの“Best Life”に僕らが存在している――そんなことを夢見て歌ってきた新曲です」と語られてから始まったのは「Best Life」。今を生きる人々への真摯なメッセージを歌った後、ØMIからの「ありがとう、MATE」という一言でアウトロが締め括られた。

 なお、当日の囲み取材ではNAOTOと今市が対応。最終日を迎えた心境について、NAOTOは「久しぶりにフルアルバムを出した後のツアーで新曲を10曲入れて、セットリスト的にも新鮮に感じてもらえる内容になりました。それは同時に、どうやって10曲を盛り込んだライブをするかという挑戦でもあり、でもその挑戦にやりがいと手応えを感じたツアーでした。今、一番フレッシュな形の三代目を見せられたと思っています」と語り、今市は「三代目のドームツアーの型というのももう結構できていて、一連の流れがあるんですけど、今回はそれを良い意味で崩して模索して、新しい形を提示させてもらいました。自分たち自身まだまだ挑戦者でありたいし次に進んでいきたいという思いと、6年ぶりのオリジナルアルバムを引っ提げたタイミングでもあったので、色々な面でトライできたツアーだったし手応えもありました。すごく充実した、意味のあるドームツアーだったと思います」と語っていた。

 ライブの後半戦は、各メンバーが自身でデザインをしたアニマルキャラ達によるCGアニメーションから始まる。パフォーマー達が荒野に広がる「JSB3PARK」へ意気揚々と乗り込み、波乱を経たのちに某ハリウッド映画のような展開で映像が締め括られると、ステージには三代目JSBパフォーマーの5人がポップアップで舞い戻り、ELLYのラッブとともに躍動感溢れるパフォーマンスを見せた後、各メンバーのソロパートがスタート。岩田は自身のソロ曲「MVP」を歌い、小林直己がPKCZ®feat.登坂広臣の「CHAIN BREAKER」で殺陣を披露するなど、各メンバーの様々なソロワークによる軌跡も垣間見せつつ、サポートダンサーとともに圧巻のショーケースを届けた。

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