三代目 J SOUL BROTHERSは魂が尽きるまで挑戦し続ける MATEと作った最高のドームツアーファイナルを徹底レポート


その後は怒濤のダンスチューン攻勢へ。まずは迫力の映像表現とともに都市に渦巻く欲望を歌う「TOKYO BLACK HOLE」、輝く赤色に染まった空間に燦然と輝く楽曲「SCARLET feat. Afrojack」。次いで「Lucky」と最新曲でもバッチリ会場を盛り上げてから定番キラーチューン「Rat-tat-tat」でさらに観客を踊り狂わせ、最後は生きる歓びを歌うポップアンセム「Yes we are」の大合唱でドームを一つにした。

そして巨大スクリーンに音ゲー風の凝った映像が流れると、ライブはこれまでの曲をマッシュアップしたメドレーへ差し掛かる。色とりどりのレーザーが余すところなく浴びせかけられる中「Movin' on」「RAINBOW」「GOLDEN」、さらにもう一度「Rat-tat-tat」。「まだまだまだ踊っていきましょう!」と、とことん音の中で酔わせてくれる。EDMで隆盛を築いた三代目JSBならではの贅沢な楽しませ方だ。

いよいよライブは終盤。「さあ、一緒に歌おう!」という声とともに始まった往年の名曲カバー「銀河鉄道999」。メンバーとファンが笑顔を交わし合った後は、代表曲の一つ「O.R.I.O.N.」のコールアンドレスポンスで盛り上がりの最高点へ。J-POPシーンに燦然と輝く楽曲の強さを見せつけた。

その後は、和気藹々と和やかな空気なMCタイムに。今市からバトンを渡された山下健二郎は何故か突然のノリからTRFの「EZ DO DANCE」を歌い出し、客席との完璧な掛け合いまで見せた後「有馬記念も気になるでしょう! 帰ってすぐM-1も観たいでしょう! でもそんな忙しい中、俺達を選んでくれて本当にありがとう!」と大いに笑わせた。ELLYは「ラスト3Daysでしたけど、毎日ライブが出来て本当に楽しかったです。楽しかったのに、NAOTOさんがいっぱい振りを間違えて、本当にすみません」とメンバーの振りミスに触れて客席を楽しませつつ「三代目だからこそこうしてドームでライブができていると思うので、これからも一生懸命、グループにできることを頑張っていきたいと思います。今日はツアーのラストになりますが、また皆さんに会えるのを楽しみにしています。ありがとうございました!」と締めた。続けて小林は「無事にファイナルに辿り着くことができました。全国から応援してくださった皆さんのおかげで、最高の締め括りになるんじゃないかと思っています。お陰様で2025年も気合入れて、どんどん皆さんにお届けできるものがあると思います。ぜひ楽しみにしていて下さい! 本日はありがとうございました」と、来年に期待感を抱かせた。そしてNAOTOは「2024年、楽しかったですか? 今日は僕らにとって2024年最後のライブになるんですけど、一体感もあり、スーパー盛り上がり、俺も完璧!」とボケた後に「本当に一瞬で終わってしまったツアーで、ちょっと寂しいんですけど、安心してください。来年も俺達バチバチ活動しますよ!」と頼もしい一言で沸かせた。そして岩田は「まだまだ声、出し足りないんじゃないですか?」と観客を煽り、約1分超の間コールを交わしてメンバーに「しつこい!」と突っ込まれる一幕もありつつ「全9公演、本当にあっという間だったんですけど、こうして2024年もMATEの皆でこうして集まることができて本当に幸せでした。15周年ももちろん期待していて下さい。今年一年ありがとうございました!来年も会いましょう!」と呼びかけた。
そしてボーカルにバトンが戻ると、まずØMIが「皆さん今日は本当にありがとうございます。huluでご覧の皆さんもありがとうございます。……そして今日は、TAKAHIROさん、大阪までありがとうございます」と、本公演を観覧していたEXILE TAKAHIROについて言及。客席上段で姿を表したTAKAHIROは驚きと喜びの歓声に包まれながら、投げキスとランニングマンを連打するファンサービスを見せてくれた。
最後に、ØMIから「皆さん今日は本当にありがとうございました。今メンバーも言ってましたように、僕らは次なるステージに進むべきタイミングが来たと思っています。自分達が目指す場所を――もしかしたら誰も挑戦したことのない場所になるかもしれないし、どんな景色が待っているかわからないですけど“MATE達が居れば大丈夫だ”と僕達は思っています。その景色を皆と一緒に見たいなと思うので、どうかこれからも温かい応援をよろしくお願いします」と、グループとしての展望が語られた。やがて長い年月を経て朽ちた遺跡がスクリーンに映し出されると、ステージにたたずむ7人の姿が映像と重なる。ラストに歌われたのは「この宇宙の片隅で」。切なくも優しいバラードと壮大な映像美に包まれて、本編が終了した。

そして、最終盤のアンコールは圧巻の一言だった。水が湧き緑の生い茂る大地やその果てでそびえ立つ巨大なモニュメントなど示唆に富む映像の後、燃え上がるような赤の衣装にチェンジした7人が再登場し「ツアーファイナル、アンコールいくぞMATE!」という今市の力強いシャウトから「Awakening Light」がスタート。炎とともにいっそう激しく歌い踊り、そのまま「大阪、そして全国の皆、燃え尽きる覚悟はあるか?」という今市の声が響く中、このツアーの正真正銘のラストソング「BLAZE」へ。
「これがJ SOUL BROTHERS、俺達がJ SOUL BROTHERSだ!」「俺達の魂が尽きるまで一緒に行くぞMATE!」全身全霊で魂を込めたØMIと今市の熱いシャウトが響き続ける。そうして最後までドームの観客全員を巻き込み、その熱を刻み込むようにして、渾身のパフォーマンスが終演した。

そして最後にスクリーン上で2025年の新章を知らせる告知テロップが映し出された後、熱気冷めやらぬ観客の叫びが響く中で、満を持して新たなドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2025 "KINGDOM"』の開催が発表された。早くも届けられたネクストステージの報により、会場中の大歓声でファイナル公演の幕が下りた。
なお当日の取材では、来年のドームツアーについても所感が語られていた。「今回のツアーから半年を待たずに次のドームツアーがスタートしますが、ツアー開催中にもう次のツアーのロゴまで決まっている、ということは今までになかったので。今のツアーの手応えを踏まえてもう次の準備に取り掛かれている、というのはすごく良い状態だと思います。もちろん今からしっかり模索していくんですが、新しいエンターテインメントを届けられるのは間違いないと思います」と今市。そしてNAOTOは「来年は15周年の記念すべき年。僕らとMATEの皆さんで掴んだ15周年ですから。昨日(大阪公演2日目)、隆二がMCで『自分達のことを誇ってください』と言ってましたけど、それがすごく好きだなと。僕らも自分達グループを誇りに思っていますけど、僕らをここまで連れてきてくれたのはファンの皆さんなので。一緒にお祝いして、ファンの人達が“応援してきてよかったな”と思えるような、15周年に相応しい集大成にできたら」と語った。
新しいコンセプトを掲げ、かつてないほど様々なクリエイターが参加し話題を呼んだアルバム『ECHOES of DUALITY』と、その世界観を様々な挑戦的演出とともに表現した同ツアー。そして記念すべき15周年を控えた、新たなシーズンの幕開け。三代目JSBは歩みを止めない。それどころか新たなる挑戦と進化を貪欲に求め続ける、未だに底知れないグループなのだ。

























