三代目 J SOUL BROTHERSが発揮するストリートマインド KM、GRP……敏腕プロデューサー陣を迎えた意義
BMSG所属のAile The Shotaが作詞、LDHアーティスト作品を多く手掛けるErik Lidbomが作曲、プロデュースはJ SOUL BROTHERS III & Aile The Shotaという形で制作された「DEVELOP」は、現在のダンス&ボーカルシーンの芳醇さや、大同団結して世界に向かう意思を感じさせる。そしてアルバムは、日韓米で活動するシンガーソングライターのVivaOlaとクリエイターコレクティブ w.a.uのプロデュースによるメロウなR&B「Make up」を経て、GENERATIONS「My Turn feat. JP THE WAVY」などを手掛けるJIGGのプロデュースによる「Best life」で幕を閉じる。
羅列的になってしまったが、上記のような敏腕のプロデュース陣が集結した本作。その意味でも「DEVELOP」や「TOKYO BLACK HOLE」のようなハードなダンスチューンから、「Baby don't cry」や「Best life」などメロウなものまでを分裂させずに連綿とつなぎ、非常にバラエティに富んだ形でアルバムに落とし込むことで、三代目JSBが求め、打ち出そうとするアプローチの貪欲さと、彼ら自身の好奇心を感じさせる構成となっている。そしてそこにストリート的な要素を取り込むことで、「LIT IT UP」での〈地位名誉金〉といった直截的でハードな、換言すれば“現代的”な歌詞もシームレスに織り込むことを可能にしている。一方で、ストリートの流れを汲んだり、ハードなアプローチを展開すると、独りよがりな着地になる場合もあるが、本作は過度にハードな方向には振りすぎず、全体的な聴感はポップな色合いで纏められ、リスナーを置いてけぼりにしないフレンドリーさもあり、それは三代目JSBが“ポップスター”である由縁とも言えるだろう。そのバランス感覚は非常に興味深い。
ストリートミュージックの隆盛、LDHがベースとする“広義のダンスミュージック”という音楽性、サウンドの潮流の変化など様々な要因が絡み合っているが、それでもLDHがJ-POPだけではなくヒップホップやR&B、ダンスミュージックに与えてきた功績はとてつもなく広範であり、大きい。それは三代目JSB「R.Y.U.S.E.I.」のヒットが、EDMをいわゆる“お茶の間レベル”まで拡大させたことにもつながるだろう。それと同様に、ストリートとの接着面の大きなプロデューサー陣が制作に参画し、新たな音楽的エッセンスを提示した『ECHOES of DUALITY』が、どのようなエフェクトを音楽シーンやJ-POPに、そして三代目JSB自身に起こすのか、期待を高めるに間違いないアルバムだ。
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