Anonymouz、『3C不倫』主題歌でも注目度上昇中 時代を掴むシンガーが織りなす挑戦と歌声の魅力を紐解く

注目度上昇中 Anonymouzの歌声の魅力に迫る

 2023年2月にメジャーデビューを果たした23歳の次世代シンガーソングライター・Anonymouz(アノニムーズ)。センセーショナルなタイトルと衝撃的な題材で話題のドラマ『3年C組は不倫してます。』(日本テレビ系)に彼女が書き下ろした主題歌「ふたりじめ」が、今、SNSで大きな反響を得ている。

 ドラマの盛り上がりとともに注目度上昇中のAnonymouzのキャリアは、2019年から。多様なJ-POPの英語カバーをYouTubeに投稿し、その抜群の英訳センスと透き通るような歌声が評価され、メジャーデビュー前にもかかわらずソニー「Xperia 5 II」の全世界CMタイアップにオリジナル楽曲「Eyes」が抜擢されたのだ。フルアルバム『11:11』でメジャーシーンに出た後は、『ヴィンランド・サガ SEASON 2』(TOKYO MXほか)や『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』(テレビ東京系)といったTVアニメタイアップの歌唱で熱い反応を集め、TikTokで人気の歌い手・xeaや数々のヒット曲を生むシンガーソングライター・和ぬか、次世代マルチクリエイター・春野らとのコラボでも知名度を上げてきた。

Anonymouz - Eyes [Official Video] 《ソニーのXperia 5 II CMソング》

 現在、動画の総再生回数は4,000万回を超え、チャンネル登録者数は16万人突破中のAnonymouz。アイルランドハーフの彼女を初めて見る人は、まずその洗練された容姿に目がいきがちだが、昨年の夏まで、Anonymouzは俗に言う“覆面アーティスト”だった。素顔を晒さなかった理由を本人の発言を借りてまとめるなら「見た目でイメージを決めつけられてしまうのが嫌で、偏見を持たずに自分の歌を聴いて欲しかった」から。他人が見る“自分”と自身の心の中にいる“自分”にすれ違いを感じ、より自由に、大好きな歌を表現するために、Anonymouz(=匿名の)という名前も含めて“匿名性”を貫いていたのだ。

Anonymouz - あらいざらい feat. 春野

 しかしその後、様々な制作やライブ活動を通して前述の“すれ違い”をあまり感じなくなってきたことから“顔出し”のリブランディングを決意した彼女。筆者が担当した当時のインタビュー(※1)では「(ライブでは)みんなと目を合わせて、自分の表情なども含めて伝えたほうが、よりまっすぐに楽曲を届けられる」と明かしており、自分自身が納得できるタイミングで覆面のベールを脱いだ後の彼女は、のびのびと、また新たな表現の地平を歩み出したと言える。

 覆面時代もハスキーな中にチャーミングさが光る歌声と傑出した表現力にファンがついていたが、リブランディング後はよりダイレクトに、振り幅を広げて想いを届ける音楽で魅了することに。昨年11月配信のデジタルシングル「夜行性 (100回嘔吐Remix) feat. 和ぬか」は、デビューアルバム収録曲「夜行性」に和ぬかと100回嘔吐が大胆なリミックスを加えた作品で、劇的に変化した和テイストアレンジの上を気怠く踊るような彼女のボーカルがヤミツキになる1曲だ。当時、Amazon Music人気急上昇ランキングで1位を獲得、その中毒性の高さにYouTubeの再生回数はすでに50万回を超えている。

Anonymouz - 夜行性 (100回嘔吐Remix) feat. 和ぬか

 もう1曲、今年に入ってバズったのが4月に配信リリースしたシングル「なにする?feat.はしメロ」だ。Billboard JAPAN “TikTok Weekly Top 20”で1位を獲得するなどSNSで話題のシンガー・トラックメイカー はしメロをフィーチャリングに迎えた同曲は、“疲れた現実から抜け出して好きなように楽しもう!”という女の子2人のラップの掛け合いが最高のゆるふわポップチューン。MV含め、等身大かつ親しみやすいAnonymouzの一面が新境地で、 Instagramのリールでは100万回再生を突破した。

Anonymouz - なにする? feat. はしメロ

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