ZIGGYが示した“挑戦者”としての矜持 新旧の魂を込めた『For Prayers』横浜公演の熱狂を振り返る
アンコールでは、ここ数年の間に亡くなったかつての旧友たちの話題に触れ、「大切な人を失いながら、それでも音楽はこういう形で残っていく。今回、このメンバーで録れたことが何よりも嬉しいです」と口にしてから、ニューアルバムにも収録された結成初期の楽曲「追いかけて」をプレイ。モダンなバンドアンサンブルに乗せて奏でられるメランコリックなメロディや、サビで披露される森重とカトウの掛け合いボーカルなど、聴きどころの多いこの曲でフロアは再び活気を取り戻す。さらに、インディーズ時代から長きにわたり演奏し続けられてきた「FEELIN' SATISFIED」、ZIGGYというバンドの存在を今日まで長く広く知らしめてきた名曲「GLORIA」を連発すると、観客はこの日一番の笑顔で大合唱。こうして幸福感に満ち溢れたステージはエンディングを迎えた。
前述のとおり、このツアーではニューアルバム『For Prayers』に収録された全10曲すべてを披露している(公演により日替わり曲があるため、実際には各日8曲をプレイ)。活動歴が長くなればなるほど、新作を披露してもライブで演奏する新曲数を限定するアーティストも少なくないが、こうしてZIGGYは新曲を通して現在進行形のバンドとしての姿を我々に見せ続けているのだ。常に挑戦者としてシーンと対峙する彼らの姿勢に、改めて拍手を送りたい。
この日の公演中、森重は「(AEROSMITHの)スティーヴン・タイラーがステージから引退すると聞いて、俺がやってやる! と思った」と口にしたが、その発言もリップサービスではなく本心なのだろうと、この日のステージを見れば納得できるものがあった。派手ながらも決して歌を邪魔することのないCHARGEEEEEE…のドラム、堅実なプレイでバンドの土台を支えるToshiのベース、歌心の強いギタープレイと心地よい音色で楽曲に彩りを与えるカトウのギター、華やかさや煌びやかさを与える佐藤のピアノ、そして今の森重の歌があればZIGGYはこの先も進んでいける……そう思わずにはいられない、胸がスカッとする一夜だった。このツアーを通して得た手応えが、ファイナルのVeats Shibuya公演でどのように発揮されるのか。ぜひ会場で見届けていただきたい。
■『ZIGGY TOUR 2024「For Prayers」』
2024年11月11日@新横浜 NEW SIDE BEACH!!
<セットリスト>
01. ROSARIO
02. LET'S DO IT WITH THE MUSIC
03. 翼があれば
04. 涙の雨に打たれながら
05. SWING, DRIVE, ROCK'N'ROLL
06. 真夜中のルート16
07. 闇を転がり続けろ
08. 崖っぷちの夜でさえ
09. BELIEF
10. 何一つ思い通りに行かなくても
11. 12月の風になりたい
12. SWEET SURRENDER
13. I'M JUST A ROCK'N ROLLER
14. WONDERFUL FEELING
15. また雨が降り出したみたいだ
16. I'M GETTIN' BLUE
17. DON'T STOP BELIEVING
18. EASTSIDE WESTSIDE
アンコール
19. 追いかけて
20. FEELIN' SATISFIED
21. GLORIA
■ライブ情報
『ZIGGY TOUR 2024「For Prayers」』
12月13日(金)Veats Shibuya
開場 18:30/開演 19:00
(問)DISK GARAGE :https://info.diskgarage.com/
『Blue MUSE presents Immersive EnTaMe 「ZIGGY SPECIAL NIGHT」』
2024年12月31日(火)品川プリンスホテル クラブ eX
開場 15:30/開演 16:00
(問)DISK GARAGE:https://info.diskgarage.com/
■関連リンク
ZIGGY OFFICIAL WEBSITE:https://morishigejuichi.jp/