サカナクション、山口一郎以外で食事会「4人でごはん食べに行ったんだ……」　活動再開ツアーの思い出も

　11月29日より全国公開された映画『SAKANAQUARIUM 2024 “turn”』の公開記念初日舞台挨拶にサカナクションが登場した。

　同映画は、サカナクションが今年開催したアリーナツアーのツアーファイナル、ぴあアリーナMM公演を収めたもの。まずは、今回映画化されたライブツアーについて山口一郎（Vo/Gt）は、「僕が病気で2年間、ライブ活動、音楽活動、サカナクション自体を休止しておりまして、それ以来のツアーということで、非常に心配な部分もありました」と語る。それを乗り越えるために大勢の助けを受けながら行い、バンドとしてもひとつの“turn”にもなったツアーだったことを振り返り、「サカナクションにとってターニングポイントのツアーだったので、たくさんの人に観てもらえて嬉しかったですし、こうやって劇場で観てもらえることが嬉しいです。ありがとうございます」と感謝を伝えた。

　岩寺基晴（Gt）はツアーの公演後によくメンバーとサウナに行くというが、「（山口）一郎から珍しくお誘いをいただいて」と今回のツアーならではのエピソードを明かす。それに対して山口は、「ステージで輝かしい照明の下で『行くぞー！』って盛り上がっていた我々が、（サウナで）全裸でファンに会うというのは恥ずかしさはあるよね」とコメント。続いてサウナ以外のエピソードを聞かれた江島啓一（Dr）は、福岡公演で山口を除いた4人で鯛茶漬けを食べたエピソードを語り始めた。しかし、山口が「いじめでしょ？」と差し込む。江島が間髪入れずに「違う違う」「（山口は）用事があったんだよ」と言うと、「あ、それもう最悪だわ」「福岡どんたく（福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり）と被ってて、チケットが売れなくて、俺がひとりでローカル番組とか公開収録のラジオとか、むちゃくちゃプロモーションを頑張ってる裏で、4人でごはん食べに行ったんだ……」と山口は不貞腐れ気味。江島は「違う違う！」「ありがとう、一郎」と感謝をあらためて伝えるが、山口は「悪いけど、あなたたちに奢ってもらったことないからね。なんか奢ってよ！」「とりあえず、誕生日おめでとうのメールしてよ！」と不満を爆発させていくのだった。

　山口は、今回の映画の音響については関わっていないとのこと。「みなさんと同じように自分でチケットを買って映画を観に行こうと思って」「すごくワクワクしてる」と語る。サカナクションの映画ならではの聴きどころについて、岩寺が「スピーカーにいっぱい囲まれていて、それをフルに使ってるのは中盤のDJコーナー。その時はすべてのスピーカーが音を出しているような使い方をしている」、草刈愛美（Ba）が「ドラムのタムの音」、江島が「今回いちばんこだわったのはギターソロ」と答えたところで、山口が「ちょっと待って。ボーカルは？」と再びご機嫌斜め。しかし、江島が「映画館でしか味わえないセンタースピーカーから流れる歌声に自信がある」と見どころを追加でアピールしていく。それに対して山口は、「心配よ」「すごく今センシティブだから」と観客の笑いを誘う。

　江島は「今回のツアーは、僕たちサカナクションにとってメモリアルな日になりました。それを皆さんがライブ会場で聴くパターンと、家でBlu-rayで観るパターンとは別の第3の方法で（映画を）楽しんでいただければと思っております」と今回の映画化について話すと、
岡崎英美（Key）は初めての映画に対して「こういう経験ができたことが嬉しい」と歓喜を窺わせる。草刈は「ミュージシャンが映画館での自分たちのライブ作品を作るというのは（今までには）なかったことだと思います」と感慨深げな様子。岩寺は、今回5.1chとDolby Atmosの両パターンを制作したことにつけ、「座ってる位置でも音量だったりが大きく変わると思うので、興味のある方はいろんな席で楽しんでいただけると嬉しいです」とポイントを口にする。

　最後に山口は、「音響のテクノロジーが進化していますし、どんどんどんどん新しい音楽コンテンツが生まれていくと思います。サカナクションもオンラインのみでのライブをやったりしているのですが、いつか映画館というものを使って、チームサカナクションとしての新しい音楽コンテンツを開発していく、これはひとつのきっかけになると思います」「これからもチームサカナクション一丸となりまして、音楽の発明、コンテンツの発見に挑戦していきたいと思いますので、ぜひお付き合いいただけたらと思います！」とメッセージを送った。