2024.11.20 12:00

SIRUP「GAME OVER」はジャンルの先入観を飛び越えるラブソングに　2024年に再確認した自らの役割も語る

文・取材＝石角友香、写真＝『JAM JAM ASIA 2024』（臺北流行音樂中心）（メイン写真）

『POP YOURS』から『日比谷音楽祭』まで…自分にしかできない立ち位置

SIRUP『POP YOURS 2024』（Photo by Yukitaka Amemiya） — 『POP YOURS 2024』（Photo by Yukitaka Amemiya）

――国内に目を移すと、今年はかなり振り幅広くイベントやフェスに出演されて。それは意識的なものだったんですか？

SIRUP：今年の幅で言うと『POP YOURS』に呼ばれたことは一番大きかったです。自分のキャラとか自分にしかできない立ち位置、それが強みだと改めて思うきっかけにもなりました。去年『RedBull RASEN』（RedBullがキュレートするマイクリレー）に出演して、ヒップホップシーンに対して、中では言われていなかったことを指摘したり政治的なことも発言したのですが、それを受けてのブッキングだったのかなと思っていて。だから『POP YOURS』でも意識的にステージに立ちました。運営サイドにもこういうものを求めていたというようなことを言っていただいて。そもそも問題提起なんて僕がやることだとも思わないんですけど、ある種それが自分にしかできない立ち位置だったんだと思います。

SIRUP『POP YOURS 2024』（Photo by Yokoyama Masato） — 『POP YOURS 2024』（Photo by Yokoyama Masato）

　もちろんラッパーの友達もいっぱいいるし曲も一緒に作っているので、自分のルーツであるヒップホップやR&Bという部分で出演できたのは良かったし、引き続き続けたいし変わりたくないと思っているところなんですけど、それと同時に自分が持っているポップネスやキャッチーさ、キャラクターで広げてきた部分で、粗品さんがMCを務めるアイドルも出演しているイベント（『Yogibo BOOM TOKYO 2024』）に出たり、亀田誠治さんがプロデュースしている『日比谷音楽祭』では楽屋が小田和正さんと一緒だったり、2～3カ月の間ですごい振り幅があったのは今年の経験として大きいです。そこから『GMA』（台湾の音楽賞『金曲賞』）に行ったのも人生的にも濃かった感じがしますね。

――ジャンルやイベントのカラーありきではなくSIRUPという個として出ていける、それはすごい強みではあるけど、なかなかハートが強くないと大変そうでもあります。

SIRUP：はい。ハートの強さは実際あるのかなと思いますね。あまりにも気にしないみたいな。そこを言ってもらえるのは嬉しいです（笑）。

――では最後に、現時点で2025年のビジョンを教えていただけますか。

SIRUP：2024年はこれまでやってきたさまざまなことから生まれた自分の振り幅を主体的に広げた年だと思っていて。だからこそ2025年は、フルアルバムをリリースして全国ツアーを回って、アーティストとしての自分の発信を増やす年にして、ファンとのコミュニケーションも広げたいですね。アジアツアーも回りたいと思っています。