由薫、ワンマンライブ『After Sun』で咲かせた笑顔と未来 表現の広がりで予感させたステップアップ
本編は「ツライクライ」で締めくくられたが、観客の手拍子と掛け声に応えて行われたアンコール。新曲を初披露することが告げられると、会場は歓喜の声でいっぱいになった。「ブレイクスルーできた曲。どんどん前に進んで大きくなってやるんです!」と言いつつ歌い始めた新曲には、未来を力強く見据える姿が刻まれている。ラストを飾ったのは「もう一度」。〈So Sing along〉という一節が含まれているこの曲は、ライブでオーディエンスにも歌ってほしくて作ったのだという。「みんなの声をいっぱい浴びて帰りたいので、浴びせてください」という言葉に応えて、フロアは大合唱。届けられる歌声を全身で感じながら、彼女はとても幸せそうだった。
バンドメンバーの一人ひとりを改めて観客に紹介して送り出した由薫。知り合ってまだ1カ月も経っていない彼らと血の通ったサウンドを奏でられたことを心から喜んでいた。「音楽は時間も言語も関係なく繋がり合えるものだと感じました。私の音楽を聴きにきてくれたみんなに誇りに思ってもらえるように前を見ていたいです。またどこかで会えるのを楽しみにしています。きてくれてありがとうございました!」と挨拶をしてステージをあとにした彼女を拍手と歓声が見送った。
代官山UNITのフロアに降りる途中の階段の壁には、由薫が書き下ろした英語のメッセージと写真が貼られていた。終演後に地上へと向かいながら壁を眺めていた観客。穏やかな余韻を噛み締めながら、楽しかったライブのことを思い返していたのだと思う。さらにステップアップしようとしている彼女の姿も存分に感じることができるワンマンライブだった。
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