THE RAMPAGE 武知海青、プロレス第2戦で示す情熱と覚悟 パフォーマーとレスラー、二刀流への挑戦

武知海青、プロレス第2戦で示す情熱と覚悟

 様々な団体がしのぎを削り、盛り上がりを見せているプロレス界。なかでもDDTプロレスリングは、エンタテインメント感のある試合で名を馳せているが、近年では本格的な闘いを追求したスタイルにも力を入れており、鍛えられた肉体を持つレスラーたちによる華麗で激しい試合が繰り広げられている。

 そんなDDTに、THE RAMPAGEのパフォーマー・武知海青が参戦するというニュースは、まさにサプライズだった。ただ、いままで数々の芸能人をリングにあげてきた実績を持つDDTだけに、「また、どこかのアイドルを引っ張り出してきたな」と軽めに受け止めたプロレスファンが多かったのも事実だ。

 そんな期待と不安が入り交じるなか、2月25日の後楽園ホールで行われた武知海青のデビュー戦。満場の観客の声援を受けながら堂々と入場した武知はプレッシャーをものともせず、鍛え上げられた肉体で躍動感のある試合を展開。最先端のプロレスラーたちと比べても遜色のない見事な活躍でチームの勝利に貢献した。

 武知のデビュー戦とは思えない技のキレと肉体のポテンシャルに、古参のプロレスファンも手のひら返しで大絶賛。「芸能人プロレスラーの最高傑作」といわれるほどの評価を受け、その“続き”に期待が集まっていた。

 あれから約半年が経ち、武知海青のプロレス2戦目が9月29日に開催されることがついに決定。DDTとしては通常よりもワイドなロング興行となる『DRAMATIC INFINITY2024 ~3時間スペシャル~』のメインイベントで行われることが発表されると、チケットは即完売。満員御礼・札止めのなか、各業界からも注目度の高い一戦が繰り広げられることとなった。

 試合開始が午前11時という早めの時間帯にもかかわらず、後楽園ホールには多くの女性ファンが詰めかけ、物販にも長蛇の列が。試合前に各試合のテーマを紹介する煽りVが流れると、この日はじめてプロレス観戦をするであろうお客さんも含めて、会場に期待感が充満する。

 オープニングマッチには、レジェンド選手の秋山準やDDTの最高峰のベルトであるKO-D無差別級のタイトルを保持する青木真也が登場し、じっくりとしたレスリングを展開。さらに、練り上げられたコミカルマッチや、スリルとトンチの効いた「蛍光灯IPPONデスマッチ」、ヘビー級選手による大迫力の肉弾戦などハイクオリティな試合が続くなか、いよいよメインイベントへ。

 対戦カードは人気ユニット「サウナ・カミーナ」の上野勇希&MAOに武知海青が加わったトリオと、クリス・ブルックス&正田壮史&高梨将弘の「シャーデンフロイデ・インターナショナル」によるスペシャル6人タッグマッチ。

 武知海青は黒い翼が印象的な覇王コスチュームに身を包んで入場。前回の試合のときよりもさらに研ぎ澄まされた彫刻のような肉体を披露すると、超満員の観客は息を呑んで見守る。

 運命のゴング。大声援のなか、先発を買って出た武知に立ちはだかったのは、ライバル心をむき出しにする正田壮史。プロレスの基本的な動きであるロックアップからヘッドロック、そしてリストの取り合いから二人同時に跳ね起きると場内大歓声。淀みなく流れるような動きは、地道な練習を重ねた賜物だろう。

 それぞれタッチして上野VS高梨、そしてMAOとクリスの闘いに移行。MAOは武知と上野を呼び込むと、3人同時でトリプルキック攻撃。サウナ・カミーナのポーズからTHE RAMPAGEのボーズを披露。

 武知はコーナーポストに登ると、飛びつきフランケンシュタイナーという難度の高い大技を決め、相手チームのお株を奪う人間ピラミッドで決めポーズ。

 しかし、武知はリング外から足を取られて捕まり、口にゴムひもを無理やり咥えさせられてしまう。そのゴムは会場南側の最上段まで伸ばされていき、超ダイナミックなゴムパッチン攻撃! 端正な顔面に強烈な一撃を喰らってしまう。

 さらに場外戦へもつれ込むと、武知に対して強烈なフェンス攻撃。リング上でも逆片エビ固めを仕掛けられ、苦悶の表情でロープに必死に手を伸ばす。

 15分経過。躍動する上野が敵チームを場外に叩き落とし、MAOと同時にプランチャ攻撃。続いて、リングにひとり残された武知は意を決して助走すると、トップロープ超えのノータッチ・トペ・コンヒーロで宙を舞う。リング上でも、きりもみ式ボディプレスなど華麗な技で攻めるが、クリスに掴まり、ダイビングフットスタンプやジョン・ウー、強烈な逆水平チョップと畳み掛けられ、さらに卍固めで締め上げられてしまう。なんとかロープに逃れた武知は、キックの応酬から起死回生のドロップキック! 身長201センチのクリスの顔面を打ち抜く、打点の高すぎる一発で場内は大爆発。

 めまぐるしい攻防が繰り広げられるなか、クリスが武知をプレイング・マンティスボムの態勢に捉えるが、間一髪で脱出してビンタ一閃、そして高角度のチョークスラム! その隙に上野が正田にWRを決めてカウント3。25分11秒、上野&MAO&武知海青トリオが見事な勝利を飾った。

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