吉柳咲良、音楽で世の中に叩きつける挑戦状 ミュージカル共演した乃木坂46 奥田いろはとの交流も

吉柳咲良、音楽で叩きつける挑戦状

私はコンプレックスを抱きながら大人になってきた

ーーそんな状況の中、はやくも2ndデジタルシングル「Crocodile」が届きました。前作以上に攻めた仕上がりになっているので、また驚く人が多そうですよね。

吉柳:はい。かなり攻めさせてもらいました(笑)。楽曲を作るとき、一緒に作業をしてくださっているRyosuke“Dr.R”Sakaiさんが「今日のテーマは?」「今日の気分は?」みたいなことを毎回聞いてくださるんですけど、今回の曲を作るときに私は“攻め”というキーワードを出させてもらったんです。で、そのテーマを元にSakaiさんがまずトラックを作ってくださったんですけど、それを聞いた瞬間、「あ、だいぶ攻めてる!」って思いました(笑)。私の気持ちをしっかり汲み取ってくださったことがめちゃくちゃ嬉しかったですね。

ーーそのトラックの上に乗せるメロディは前作同様、Sakaiさんと麦野優衣さん、そして咲良さんの3人でコライトされていったんですよね?

吉柳:3人で意見を交わしながら使える音を探して行って。いいところを繋げて1曲にしていった感じです。デビュー曲の「Pandora」からそういうやり方をさせていただいてますけど、最初は何が何だかよくわからなかったです(笑)。「何か音を出してみようか」って言われても、「え? 音って何ですか?」みたいな感じで。今回は2曲目なのでちょっと慣れてきて、楽しくなってきましたけど、まだやっぱりSakaiさんと麦野さんの力をお借りしている感じです。

ーーいやでも音楽活動を始めてすぐにコライトで制作に参加するのはすごいことですよ。メロディを出す際には、ご自身がこれまで聴いてきた音楽からの影響が出ている感じですか?

吉柳:そうですね。これまで蓄積してきたものが生きてるなあって思います。私はJ-POPをカラオケでよく歌うんですけど、K-POPも洋楽もたくさん聴いてきました。そうやっていろんな音楽を聴いてきてよかったなって今、すごく感じますね。

ーー前回のインタビューで最初に好きになったのは椎名林檎さんだったとお話されていましたけど、それ以降は洋邦問わず、本当にいろいろな音楽を聴いてきたんですね。

吉柳:小学生の頃は椎名林檎さんや宇多田ヒカルさんの曲を聴いて育ったんですけど、その後にBTSとかSEVENTEEN、TWICE、BIGBANG、BLACKPINKといったK-POPにどハマりして。その流れで洋楽もたくさん聴くようになったんですよね。自分の好きな洋楽をプレイリストにして、それを聴きながら踊ってみるっていうことをやったりもしていたので、その中で自分の中の音楽観が広がっていったんだと思います。

ーーSakaiさんが作られるトラックは海外のトレンドを投影したものも多いですからね。洋楽を聴いてきた下地がないとメロディメイクはもちろん、歌いこなすことも難しかったはず。

吉柳:洋楽っぽい系統の音楽が好きでよかったなと思いますし、そうじゃなかったら今、そういう曲を歌おうっていう発想にもならなかったんじゃないかな。洋楽から受けた刺激は歌詞に関しても大きいです。日本人って慎ましさが美徳だったりするじゃないですか。そういうところが素敵だし、私自身も好きなんですけど、言いたいことを隠すことは違うよなと思っていて。海外の人たちって、けっこう刺激的なこともズバズバと曲にして歌いますよね。その強気なスタンスも私は超好きなので、自分の曲ではそうありたいなって思うんです。Sakaiさんのトラックが背中を押してくれるところもあるので、歌詞では自分の思いを包み隠さず書こうと思っています。

ーー今回の「Crocodile」は歌詞もかなり攻めていますもんね。作詞も同じ3人でコライトされています。

吉柳:最初に、麦野さんにいろいろお話させていただいたんです。「私は、なんとなく決められたイメージには縛られたくないんです」とか、「私は器用には生きられません」とか。さらに、私はコンプレックスを抱きながら大人になってきたけど、そんな自分を否定したくない思いもあって。そういう気持ちを全部詰め込みたいと思ったんです。そこでお話したことや、自分が伝えたい、言いたいワードをメモしたものをお渡しして、それを麦野さんが1曲として形にしてくださった流れでした。

ーーSNSを通して心無い言葉が飛んでくる今の時代を反映した歌詞にもなっていますね。

吉柳:私がやらせていただいている職業って、やっぱりいろんな意見をいただくんですよ。それが当たり前のようになっているけど、実際は当たり前ではなくて。誹謗中傷はやっぱり許されることではないし。時にはそんな意見に傷つくこともあって、でも私はそんな困難を乗り越えた先で、もっと成長できると思っている。そんな思いを詰め込んだ歌詞なんですよね。

ーー咲良さんは実際、そういう強い気持ちを持って生きられているんですか?

吉柳:いや、強がりだと思います(笑)。いろんな意見に落ち込むことはもちろんたくさんあるんです。でも、そこで悲しんでいるだけでは悔しいじゃないですか。だからこの曲は「私なりの“挑戦状”」なんです。捉え方によってはけっこうケンカを売ってる歌詞かもしれない(笑)。

ーー痛快ですね。ここで描かれた思いは今後の咲良さんの生き方の大きな指針にもなるはずだし、同時に同じような境遇にあるリスナーに対しては力強い勇気を与えてくれるものでもありますよね。

吉柳:今は強がりであっても、引き下がらないためにはこの曲を歌う必要があったんです。気持ちだけは負けずに戦っていたいなって。そういう覚悟を込めた歌なので、それが聴いてくださる方にとっての勇気になってくれたらいいなっていう思いもあります。

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