未完成ブレイブ、15歳の少女が切実に届ける思春期の孤独と葛藤 生身の姿で臨んだ初ワンマンを観て

未完成ブレイブ、初ライブを観て

 デビュー曲の「DOKU」を披露する前には、「この曲は自分の応援歌のようで、歌う度に勇気がもらえます。15歳の私にはどうにもできないことがまだたくさんあります。大人の力を借りる必要もあって、時には嫌悪感を覚えてしまう中で、歌という表現を手に入れられて、私は幸せです。今日のこの景色、ずっと忘れません」と自分の心の奥にある思いを吐露。自分にとっても、ファンにとっても、生きる糧となる大切な曲を生でパフォーマンスする姿は、儚くも力強く、アーティストとしてのオーラと気迫に満ちていた。ひりついた空気をそのままに、絶望にもがきながらも光を見出すポエトリーリーディングを挟み、「Dawn」へ。息を吸う音すらコントロールした、繊細かつ気迫に満ちた歌声は、観客の心に深く突き刺さった。

 さらに、この日は「月を歩けば」「輪郭線」「Hold on」と未発表曲を3曲披露し(「輪郭線」は10月4日に配信リリースされた)、会場を沸かせる。未完成ブレイブの世界はこの先もさらに広がっていき、より多くの表現を見せてくれるという期待感で溢れた瞬間だ。未完成モノローグの代表曲「カルメン」のカバーから、ライブはいよいよラストスパートへ。「ガンガン盛り上がっていける?!」と強気に煽り、ハードなサウンドに乗せて荒々しい歌声を披露。生ライブならではの熱いパフォーマンスを繰り広げ、会場は再びハンドクラップで一つになる。そしてラストは、「花と嘘」で凛とした歌声をどこまでも届け、強烈な余韻を残しながら幕を下ろした。

 唯一無二の歌声を生で聴かせることはもちろん、音源や映像だけでは表わしきれない、10代特有の心の機微や繊細さをダイレクトに感じさせた未完成ブレイブの初ライブ。未完成だからこそ広がる可能性にワクワクさせられ、不完全だからこその儚い美しさに惹きつけられる、貴重な体験であった。

 その一方で歌唱力はすでに“未完成”という言葉には似つかわしくないスキルを持っているようにも思う。ボカロ曲のエッセンスを感じられるアップテンポナンバーからスケール感のある情感豊かなバラードまで、難易度の高い楽曲を生歌でもスキルフルに表現できるシンガーとしてのセンスには光るものが感じられた。アーティストとしての成長と飛躍、そして10代という多感な時期を過ごすYU本人の成長を同時に追いかけることができる未完成ブレイブの活動は、今後も一瞬たりとも目が離せない。

■セットリスト
『未完成ブレイブ 1st ONE MAN LIVE ~Crescent Moon~』@原宿RUIDO Setlist
M01 心像
M02 黒い砂浜
M03 青く染める
M04 ヨウカイ
M05 月を歩けば
M06 DOKU
M07 Dawn
M08 生きて、愛して
M09 輪郭線
M10 Hold on
M11 カルメン
M12 花と嘘
EN01 ヨウカイ
EN02 もう頑張らないで

9th Digital Single「輪郭線」
9th Digital Single「輪郭線」

■リリース情報
9th Digital Single「輪郭線」
配信中
https://mikanseibrave.lnk.to/outline

Lyrics&Music:Shun Aratame
Arranged:Saehito Kato
Label:asistobe
Lyric Video:https://www.youtube.com/watch?v=nt1TGhEYVLA

Official site:https://brave.mikansei-project.com
TikTok:https://www.tiktok.com/@mikansei_brave
X:https://x.com/mikansei_brave
Instagram:https://www.instagram.com/mikansei_brave/

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